著者
河﨑 信樹
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.221-247, 2009-02-03

本稿の課題は, 近年におけるアメリカの民間部門による対外援助の動向を, 特に財団の活動を中心に分析することである. アメリカにおいては, 民間部門が文化・芸術, 社会保障など様々な分野で大きな役割を果たしている. 対外援助の分野も例外ではない. G・W・ブッシュ政権の下でアメリカの政府開発援助(ODA)は激増したが, 政府部門の分析のみではアメリカによる対外援助の全体像を明らかにすることはできない. 本稿では, 冷戦の終焉や「同時多発テロ」の発生といった国際情勢の変化の中, 財団を含むアメリカの民間部門による対外援助がどのように推移していったのかについて明らかにする. 特に, 対外援助に積極的に取り組んできた代表的な財団であるフォード財団(The Ford Foundation)の1980年代後半以降の活動を, 援助資金が重点的に配分されたプログラム分野の変遷に著目し, 検討していく.

言及状況

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[PTS][行動科学] フォード財団の紹介含む。「フォードⅡ世は,1948年に新しいフォード財団の援助方針を確立するために,H・R・ゲイザーに政策提言を依頼した.ゲイザーは,弁護士であるとともにランド研究所の委員長でもあった.」

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河﨑信樹(2009)「近年におけるアメリカの財団による対外援助の動向」(社会科学研究 60-2) http://t.co/HGLclAhB5v

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