著者
渡辺 洋平
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科
雑誌
人間・環境学 (ISSN:09182829)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.39-49, 2011-12-20

ドゥルーズは『差異と反復』(1968)において,「現代哲学の任務は「プラトニスムの転倒」と定義された」と書いた.この言葉は取りも直さず,自らの哲学がプラトニスムを転倒させるものであるという宣言に等しい.そこでドゥルーズが目指したのは,プラトンにとっては排除すべき対象だった「シミュラクル」と呼ばれる存在を復権することであった.しかしこの「転倒」は,より広範な意義を持っているように思われる.本論文では「プラトニスムの転倒」という主題を,シミュラクルから解放することで,より広範な領域へと開くことを試みる.ドゥルーズにとって,プラトニスムとはイデアという超越的な基準により,この世界に善悪を作り出す思想である.「プラトニスムの転倒」とは,こうした超越的な体制から内在的な体制への移行であり,そこでは,道徳とは異なるものとしての倫理的なあり方が目指されることになる.そしてこの移行は,あいだの問題,共同体の問題を通じて,自然との新たな共生へ,さらには世界の新たな形成へと向かっているのである.

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渡辺洋平 「プラトニスムの転倒再考~ドゥルーズと内在性の思想」 http://t.co/KT2N7Hm8Il ▼同 「想起の刷新者としてのプルースト~ドゥルーズによるプルースト解釈」 http://t.co/4orTqxVPMt わかりやすい。
久々にドゥルーズ&ガタリ『哲学とは何か』を読み直すといろいろと発見あり。特に、この論文も言うように、 http://t.co/rfGoTDo3 ヴェルナンのギリシア研究からアゴーン概念を引き出し、プラトンのイデア論を吟味し直しているあたりは、デモクラシー論としても読める。
Szp:LdS8/13Hi>T/F?,5/21,4/12◆渡辺洋平『プラトニスムの転倒再考―― ドゥルーズと内在性の思想――』(PDF)http://t.co/GWZDjl7M確かスピノザbien/malとbon/mauvais→『POSSE』vol.14に國分功一郎さんの話が。
渡辺洋平:プラトニスムの転倒再考―― ドゥルーズと内在性の思想 ― http://t.co/Ot2tiFH1 これ、いま読んだけどすごい良い論文だった。ドゥルーズ読みにはおススメ。

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