著者
池内 有為
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.241-249, 2016

2016年3月,分野や地域を超えた研究データの共有を目指すResearch Data Alliance(RDA)の第7回総会が東京で開催された。本稿は,総会と関連イベントを時系列に沿って紹介する。RDA総会を通じて,欧州オープンサイエンスクラウド(EOSC)などの国際的な政策や課題が共有された。課題ごとに設置されるRDA分科会については,(1)全分野の研究者を対象としたデータサイエンス教育の構想,(2)研究データの相互運用のための法的枠組みの策定,(3)永続的なデータリポジトリ運営のための収益モデルに関する議論を取り上げた。RDA総会前後のイベントでは,日本のステークホルダーや多分野の研究者による活発な意見交換が行われ,アジアや国内のコミュニティーも発足した。RDAと同様に,分野や組織を超えてベストプラクティスや課題を共有することによって,日本のオープンサイエンスの取り組みが加速するだろう。
著者
池内 有為
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.241-249, 2016

2016年3月,分野や地域を超えた研究データの共有を目指すResearch Data Alliance(RDA)の第7回総会が東京で開催された。本稿は,総会と関連イベントを時系列に沿って紹介する。RDA総会を通じて,欧州オープンサイエンスクラウド(EOSC)などの国際的な政策や課題が共有された。課題ごとに設置されるRDA分科会については,(1)全分野の研究者を対象としたデータサイエンス教育の構想,(2)研究データの相互運用のための法的枠組みの策定,(3)永続的なデータリポジトリ運営のための収益モデルに関する議論を取り上げた。RDA総会前後のイベントでは,日本のステークホルダーや多分野の研究者による活発な意見交換が行われ,アジアや国内のコミュニティーも発足した。RDAと同様に,分野や組織を超えてベストプラクティスや課題を共有することによって,日本のオープンサイエンスの取り組みが加速するだろう。
著者
川島 秀一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.232-240, 2016

生命科学分野の多種多様なデータベースは,それぞれが異なる語彙や形式によって記述されており,横断的にデータを統合して利用する際の妨げになっている。この問題を解決するため,JSTバイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)と情報・システム研究機構 ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)は,生命科学データベースを開発している日本の研究グループに対しRDFの採用を推奨してきた。RDFを採用することで,データベース間の相互運用性が高まり,データの自動処理が進むと考えられている。また,NBDCは,日本で開発されている生命科学分野のRDFデータを一覧できるように,ポータルサイトの運用を開始した。本稿では,生命化学データベースをRDF化することの利点や,国内および世界における状況を述べ,NBDC RDFポータルについて紹介する。
著者
川島 秀一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.232-240, 2016

生命科学分野の多種多様なデータベースは,それぞれが異なる語彙や形式によって記述されており,横断的にデータを統合して利用する際の妨げになっている。この問題を解決するため,JSTバイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)と情報・システム研究機構 ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)は,生命科学データベースを開発している日本の研究グループに対しRDFの採用を推奨してきた。RDFを採用することで,データベース間の相互運用性が高まり,データの自動処理が進むと考えられている。また,NBDCは,日本で開発されている生命科学分野のRDFデータを一覧できるように,ポータルサイトの運用を開始した。本稿では,生命化学データベースをRDF化することの利点や,国内および世界における状況を述べ,NBDC RDFポータルについて紹介する。
著者
太田 茂
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.226-231, 2016

日本薬学会は1880年創立当初より学会論文誌を継続して刊行しており,現在は英文誌として『Chemical and Pharmaceutical Bulletin』と『Biological and Pharmaceutical Bulletin』の2誌と,和文が主である『薬学雑誌』を毎月発行している。これらの学会論文誌はいずれもJ-STAGEによりオープンアクセス誌として公開されている。また,2016年5月に試験的に公開された「J-STAGE評価版」に協力し,英文誌2誌をモデル誌として公開している。J-STAGE評価版は,スマートフォン等のモバイル端末での閲覧が可能となり,特に若い世代における閲覧の増加が期待できると考えている。
著者
太田 茂
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.226-231, 2016

日本薬学会は1880年創立当初より学会論文誌を継続して刊行しており,現在は英文誌として『Chemical and Pharmaceutical Bulletin』と『Biological and Pharmaceutical Bulletin』の2誌と,和文が主である『薬学雑誌』を毎月発行している。これらの学会論文誌はいずれもJ-STAGEによりオープンアクセス誌として公開されている。また,2016年5月に試験的に公開された「J-STAGE評価版」に協力し,英文誌2誌をモデル誌として公開している。J-STAGE評価版は,スマートフォン等のモバイル端末での閲覧が可能となり,特に若い世代における閲覧の増加が期待できると考えている。
著者
高木 善幸
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.218-225, 2016

知的財産情報管理は世界知的所有権機関(WIPO)の戦略4本柱,新条約作成,グローバル保護登録サービスの提供,技術援助と人材養成,グローバルインフラの構築に反映されている。情報管理のためのシステムはプラットフォーム構築を中心に推進され,国際登録・出願のためのPCTやマドリッド制度の生み出す知財情報を流通させるシステムやネットワークとともに,途上国のデジタル情報作成普及のためのIPASや先進国特許審査国際協力のためのCASEなどのWIPOの新しいプラットフォームが,多国間の知財情報シェア・流通のための基盤として利用され,国際条約を補完する国際調和の推進力として期待されている。
著者
高木 善幸
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.218-225, 2016

知的財産情報管理は世界知的所有権機関(WIPO)の戦略4本柱,新条約作成,グローバル保護登録サービスの提供,技術援助と人材養成,グローバルインフラの構築に反映されている。情報管理のためのシステムはプラットフォーム構築を中心に推進され,国際登録・出願のためのPCTやマドリッド制度の生み出す知財情報を流通させるシステムやネットワークとともに,途上国のデジタル情報作成普及のためのIPASや先進国特許審査国際協力のためのCASEなどのWIPOの新しいプラットフォームが,多国間の知財情報シェア・流通のための基盤として利用され,国際条約を補完する国際調和の推進力として期待されている。
著者
中井 万知子 藤倉 恵一 橋詰 秋子 福山 樹里 神崎 正英
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.209-217, 2016

日本図書館協会(JLA)と国立国会図書館(NDL)が,日本十進分類法(NDC)をLinked Data化するために,2015年4月から2016年3月まで実施した共同研究の成果を報告する。NDCは,JLAが編集発行するわが国の標準分類法である。研究では,NDCの新訂8版と新訂9版を対象とし,JLAが機械可読形式化したMRDFを基に,Linked Data形式のデジタルデータを試行的に作成した。想定利用者のニーズが情報システムでの利用にあることを踏まえて作成方針案を策定したうえで,NDCの概念的な階層関係を基にした分類項目間の階層構造モデルの構築,記述語彙の選定,ラベルの構造化,補助表による分類項目の合成,相関索引等からの分類項目の機械生成等を行った。また,Linked Dataとして外部データとのつながりを生むために,国立国会図書館件名標目表へのリンクを含めた。今後は共同研究の成果に基づき,JLAにおいて提供や利用に関する調査・検討を行う予定である。
著者
中井 万知子 藤倉 恵一 橋詰 秋子 福山 樹里 神崎 正英
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.209-217, 2016

日本図書館協会(JLA)と国立国会図書館(NDL)が,日本十進分類法(NDC)をLinked Data化するために,2015年4月から2016年3月まで実施した共同研究の成果を報告する。NDCは,JLAが編集発行するわが国の標準分類法である。研究では,NDCの新訂8版と新訂9版を対象とし,JLAが機械可読形式化したMRDFを基に,Linked Data形式のデジタルデータを試行的に作成した。想定利用者のニーズが情報システムでの利用にあることを踏まえて作成方針案を策定したうえで,NDCの概念的な階層関係を基にした分類項目間の階層構造モデルの構築,記述語彙の選定,ラベルの構造化,補助表による分類項目の合成,相関索引等からの分類項目の機械生成等を行った。また,Linked Dataとして外部データとのつながりを生むために,国立国会図書館件名標目表へのリンクを含めた。今後は共同研究の成果に基づき,JLAにおいて提供や利用に関する調査・検討を行う予定である。
著者
小谷 允志
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.817-825, 2006
被引用文献数
1

日本でも企業の不祥事が多発したため,金融庁は米国のサーベンス・オクスレー法(SOX法:企業改革法)に倣い,証券取引法の改正による日本版SOX法を制定しようとしている。これは企業の内部統制の仕組み強化を狙ったものだが,実質的には企業の業務遂行や内部管理の状況,取締役会の意思決定過程などの文書化を義務付け,会計監査時に公認会計士がチェックする制度である。内部統制がいかに密接に記録管理とかかわっているか,内部統制のための記録管理はどのような要件が求められるかにつき詳述し,併せて筆者が提唱している「内部管理のための記録管理」から「外部への説明責任のための記録管理」,すなわち「記録管理のパラダイムシフト」の代表例として説明する。<br>
著者
榊 剛史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.259-263, 2016-07-01 (Released:2016-07-01)
参考文献数
13
被引用文献数
2
著者
ヒリナスキエヴィッチ イアン 新谷 洋子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.629-640, 2014
被引用文献数
3

Nature Publishing Groupは,研究助成金機関のニーズに応えるため,また研究者,図書館員,データリポジトリ管理者,データ規格提唱者などのステークホルダーを対象とした調査の結果を踏まえて,まったく新しいデータジャーナルを開発した。それが2014年5月創刊の『Scientific Data』である。Scientific Dataでは,その特有の論文タイプとしてData Descriptorという新しい形式を採用している。Data Descriptorは,従来の科学論文の要素と機械可読メタデータとを組み合わせ,データの種類を問わない均一な検索,関連出版物とのリンク付け,さらにはデータマイニングが可能になるように考案されている。本稿ではオープンデータの重要性からScientific Dataの創刊に至る背景,Scientific Dataの特長とこれからの可能性について述べる。
著者
福島 真司
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.2-11, 2015
被引用文献数
4

エンロールメント・マネジメント(EM)の要諦は,データ分析等の科学的マーケティング手法を用いて,大学マネジメントのPDCAサイクルを永続させることである。マーケティングの現代的な意味は,学生募集や寄付募集だけをさすのではなく,学生の価値を創造し,その価値の最大化を実現し続けるための組織一体となった活動をさす。そこにはインスティテューショナル・リサーチ(IR)が欠かせない。入学前の接触情報から,入試成績,入学時の期待,在学中の成績,教育内容や学生生活の満足度,就職状況,卒業後の大学教育への満足度等を調査分析することなしには,学生を知り抜くことはできない。山形大学EM部では,2010年度より学生データを統合して分析するため「総合的学生情報データ分析システム」の構築を始めた。本稿は,実践事例をもとに,大学マネジメントのPDCAサイクルにIRをいかに実際的に機能させるのかを目的として論じるものである。