著者
川島 秀一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.232-240, 2016-06-01 (Released:2016-07-01)
参考文献数
23

生命科学分野の多種多様なデータベースは,それぞれが異なる語彙や形式によって記述されており,横断的にデータを統合して利用する際の妨げになっている。この問題を解決するため,JSTバイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)と情報・システム研究機構 ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)は,生命科学データベースを開発している日本の研究グループに対しRDFの採用を推奨してきた。RDFを採用することで,データベース間の相互運用性が高まり,データの自動処理が進むと考えられている。また,NBDCは,日本で開発されている生命科学分野のRDFデータを一覧できるように,ポータルサイトの運用を開始した。本稿では,生命化学データベースをRDF化することの利点や,国内および世界における状況を述べ,NBDC RDFポータルについて紹介する。
著者
鐘ケ江 弘美 松下 景 林 武司 川島 秀一 後藤 明俊 竹崎 あかね 矢野 昌裕 菊井 玄一郎 米丸 淳一
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.115-123, 2022-12-01 (Released:2022-12-22)
参考文献数
30

作物の系譜情報は育種を行う上で必要不可欠であり,特に交配親の選定において極めて重要である.しかし,系譜情報の分析基盤や可視化ツールは少なく,育種家は範囲が限定された系譜図を使用せざるを得ない.本研究では,育種や作物データの解析に系譜情報を広く活用するため,系譜情報グラフデータベース「Pedigree Finder」(https://pedigree.db.naro.go.jp/)を構築した.系譜情報を整備するために語彙やデータフォーマットの統一を行うとともに,品種・系統の標準化されたIDを利用することにより,関連するゲノム情報および形質情報との紐づけを可能にした.系譜情報の整備にはデータモデルとしてリソース・ディスクリプション・フレームワーク(Resource Description Framework, RDF)を採用し,共通性と永続性を高めた上で,グラフデータベースを構築した.グラフデータベースの利用により,系譜情報をわかりやすく可視化し,セマンティック・ウエブ(Semantic Web)技術による外部データベースとの情報統合や高度な検索が可能である.本システムにより系譜情報を収集・可視化することで,系統の育成過程をたどり,遺伝的な近縁性を考慮した交配親の選定や系譜と特性との関係の把握など,品種育成や遺伝研究の意思決定における育種データの統合利用が可能になると期待される.
著者
川島 秀一
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.248-269, 2009 (Released:2012-02-01)
参考文献数
40
著者
長尾 知生子 鎌田 真由美 中津井 雅彦 深川 明子 片山 俊明 川島 秀一 水口 賢司 安倍 理加
出版者
一般社団法人 日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.187-195, 2023-02-28 (Released:2023-04-07)
参考文献数
8

Objective: Pharmaceutical documents such as the common technical document, package inserts (PIs), and interview forms (IFs) are available at the website of the Pharmaceuticals and Medical Devices Agency. However, because these documents were created with an emphasis on human readability in paper form, it is difficult to use the information included and interoperate these documents with computers. Using IFs, we will investigate how to structure pharmaceutical documents in the AI era to achieve both human and machine readability.Design/Methods: The IFs of arbitrary selected ten drugs were structured into Resource Description Framework (RDF) according to the Drug Interview Form Description Guidelines 2018 (updated version in 2019). The data were manually extracted from the IFs and entered into a spreadsheet before being converted to RDF by a written script. The PIs were converted to RDF in addition to the IFs. To examine the linkage with external databases, IDs in ChEMBL, which is a manually curated database of bioactive molecules with drug-like properties, were embedded in the RDF.Results: We demonstrated that the conversion of IFs and PIs into RDF makes it possible to easily retrieve the corresponding part of the PIs cited in the IFs. Furthermore, we quickly obtained the relevant data from ChEMBL, demonstrating the feasibility of linking IFs with an external database. Our attempt to RDFization of IFs is expected to encourage the development of web applications for healthcare professionals and the development of datasets for AI development.Conclusion: We could easily interoperate IFs with other pharmaceutical documents and an external database by converting IFs into RDF following the description guidelines. However, problems such as how to deal with items that were not described in the description guidelines were indicated. We hope that discussions will grow based on this effort and that related industries will move toward accomplishing effective use of these documents.
著者
川島 秀一
出版者
東北民俗の会
雑誌
東北民俗 (ISSN:09125523)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.23-29, 2016-06
著者
石川 日出志 七海 雅人 中野 泰 佐藤 信 平川 新 平川 南 千田 嘉博 川島 秀一 浅野 久枝 竹井 英文 八木 光則 安達 訓仁 宇部 則保 菅野 智則 斉藤 慶吏 佐藤 剛 菅原 弘樹 高橋 憲太郎 千葉 剛史 福井 淳一 室野 秀文 小谷 竜介 辻本 侑生 藤野 哲寛
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

気仙地域は、海・陸域の複合生態系が豊富な資源を生み出し、縄文時代から現代までそれらを活用した人類営為が展開した。本研究は、当地域の歴史文化を歴史・考古・民俗学の手法で研究し、地域の方々と行政に提供する。これは甚大な東日本大震災被害から復興する当地域の方々を支援する取組でもある。調査は多岐に亙る。考古学では、古代・中世の漁撈関係遺物・集落遺跡データの集成、被災地域石碑の所在調査、中世塚・板碑群調査、中世城館群の縄張図作成等。歴史学では、中世遺跡群と文献史料との比較、熊谷家近世文書群の調査、大島正隆論文の公開等。民俗学では横田・小友地区で民俗慣行の調査と実施。3か年市民向け報告会を開催した。
著者
川島 秀一
出版者
山梨英和大学
雑誌
山梨英和大学紀要 (ISSN:1348575X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.33-48, 2011

周知のように、『注文の多い料理店』は、賢治文学の巻頭を飾る童話集であり、この「どんぐりと山猫」はその冒頭に配される物語です。もじどおり、賢治文学の出発を告げるテクスト。その〈広告文〉では、「山猫拝と書いたおかしな葉書が来たので、こどもが山の風の中へ出かけて行くはなし。必ず比較をされねばならないいまの学童たちの内奥からの反響です」と記されます。この《おかし》という言葉をめぐって、その招待の理由である〈裁判〉の中から立ちあらわれてくる《意味》の陥穽と、その世界のなかに漂い浮遊しはじめる〈いま〉の〈こども〉たち。変貌しはじめる世界を前に、自意識の翳りをおびはじめた主人公の一郎は、まさに〈おとな〉への境目に立っています。作品は、なによりも〈いのち〉の始原をめぐる〈問い〉をひそめつつ、《意味》に憑かれたようにして生きる《空虚な身体》を顕在化させ、〈いま〉という時間を徹底的に批判し、また相対化しています。本稿は、これら問題の分析とあわせて、賢治文学における「どんぐりと山猫」の意味についても考察しようとするものです。
著者
川島 秀一
出版者
神奈川大学
雑誌
民具マンスリ- (ISSN:09123253)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.6657-6668, 1997-08
著者
川島 秀一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.232-240, 2016

生命科学分野の多種多様なデータベースは,それぞれが異なる語彙や形式によって記述されており,横断的にデータを統合して利用する際の妨げになっている。この問題を解決するため,JSTバイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)と情報・システム研究機構 ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)は,生命科学データベースを開発している日本の研究グループに対しRDFの採用を推奨してきた。RDFを採用することで,データベース間の相互運用性が高まり,データの自動処理が進むと考えられている。また,NBDCは,日本で開発されている生命科学分野のRDFデータを一覧できるように,ポータルサイトの運用を開始した。本稿では,生命化学データベースをRDF化することの利点や,国内および世界における状況を述べ,NBDC RDFポータルについて紹介する。
著者
川島 秀一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.232-240, 2016

生命科学分野の多種多様なデータベースは,それぞれが異なる語彙や形式によって記述されており,横断的にデータを統合して利用する際の妨げになっている。この問題を解決するため,JSTバイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)と情報・システム研究機構 ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)は,生命科学データベースを開発している日本の研究グループに対しRDFの採用を推奨してきた。RDFを採用することで,データベース間の相互運用性が高まり,データの自動処理が進むと考えられている。また,NBDCは,日本で開発されている生命科学分野のRDFデータを一覧できるように,ポータルサイトの運用を開始した。本稿では,生命化学データベースをRDF化することの利点や,国内および世界における状況を述べ,NBDC RDFポータルについて紹介する。
著者
川島 秀一 YONGQIN Liu LIU Yongqin
出版者
九州大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

消散構造を有する非線形偏微分方程式に対し、その線形化方程式の基本解に基づく安定性解析と、様々な非線形波の漸近安定性に関する組織的な研究の展開を目指して研究を進め、次のような成果を得た。1.記憶型の消散効果を考慮した板の振動方程式の初期値問題を考察した。その消散構造が可微分性損失型であることを確認し、Fourier空間での各点評価を示すことで線形解の減衰評価を示した。また、Fourier-Laplace変換により基本解を構成するとともに、対応する解作用素の減衰評価を利用することで、半線形問題の時間大域解の存在とその最良の減衰評価を示した。可微分性損失型の消散構造の解明に寄与する成果である。2.記憶型の消散効果を考慮した線形Timoshenko系の初期値問題を考察した。その消散構造は、系の持つパラメータの値により標準型にも可微分性損失型にもなり得ること、いずれの場合も摩擦型消散効果を取り入れた場合に比べて消散構造がより脆弱であることを示した。また、Fourier空間でのエネルギー法を適用することで、解のFourier空間での各点評価を示すとともに、対応する最良の減衰評価を示した。さらに、Fourier-Laplace変換により基本解を構成し、付随する解作用素の減衰評価を与えた。記憶型と摩擦型の消散効果の違いを明らかにした点に意義がある研究成果である。
著者
川島 秀一 隠居 良行 中村 徹 小川 卓克 池畠 良 小林 孝行 幡谷 泰史
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

気体力学、弾性体力学、プラズマ物理学等に現れるいくつかの非線形偏微分方程式系に対し、その消散構造・減衰特性を解明し、様々な非線形振動・波動現象に対する漸近安定性を示した。また、緩和的双曲型保存系に対する非線形安定性解析の一般論を構築し、時間重み付きエネルギー法、半群に基づく手法、調和解析的手法等の有効性を確認した。