著者
中井 万知子 藤倉 恵一 橋詰 秋子 福山 樹里 神崎 正英
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.209-217, 2016-06-01 (Released:2016-07-01)
参考文献数
4

日本図書館協会(JLA)と国立国会図書館(NDL)が,日本十進分類法(NDC)をLinked Data化するために,2015年4月から2016年3月まで実施した共同研究の成果を報告する。NDCは,JLAが編集発行するわが国の標準分類法である。研究では,NDCの新訂8版と新訂9版を対象とし,JLAが機械可読形式化したMRDFを基に,Linked Data形式のデジタルデータを試行的に作成した。想定利用者のニーズが情報システムでの利用にあることを踏まえて作成方針案を策定したうえで,NDCの概念的な階層関係を基にした分類項目間の階層構造モデルの構築,記述語彙の選定,ラベルの構造化,補助表による分類項目の合成,相関索引等からの分類項目の機械生成等を行った。また,Linked Dataとして外部データとのつながりを生むために,国立国会図書館件名標目表へのリンクを含めた。今後は共同研究の成果に基づき,JLAにおいて提供や利用に関する調査・検討を行う予定である。
著者
神崎 正英
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.342-347, 2020-10-01 (Released:2020-11-16)
参考文献数
15

ジャパンサーチ利活用スキーマは、多様な領域のデータを集約・提供する統合ポータルのためのRDFモデルおよび語彙である。設計にあたっては、海外の統合ポータル事例も参照しつつ、利用者タスクの観点で扱いやすく、また連携元にもメリットがあることを目指した。その基本として、構造化ノードと単純プロパティを併記する二層記述、ソースとアクセス情報のグループ化などを採用している。基本部分設計の検討ポイントを説明するとともに、時間・場所情報の表現および正規化の細部について、SPARQLの機能を踏まえた工夫を紹介する。
著者
神崎 正英
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.8, pp.399-405, 2020-08-01 (Released:2020-08-01)

多様なデータの共通点やつながりを見つけ,それを用いて狙いのデータを取り出し,分析や視覚化などによって付加価値を生むためには,複数ソースのデータを集約しても共通点が得られる語彙やモデルの設計,つながりを見出すための値の正規化やリンク,そしてそれを適切に利用できるクエリが必要になる。RDFの導入期から行なわれてきたデータ設計やリンクの工夫を,図書館を始めとするGLAMやポータルの具体例を用いて紹介する。またそれらを利用するSPARQLクエリ例を示し,他のケースに応用するヒントにもなるように解説する。
著者
神崎 正英
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.622-627, 2017-12-01 (Released:2017-12-01)

リンクするデータ(Linked Data)は,リソースの識別に用いられるURIをリンクとしても機能させ,データの連鎖を生むことで「データのウェブ」を構成しようという考えである。URI設計に作法が求められることもあるが,重要な点はアクセスしたらデータが取得できるようにするところにある。これを優先することで,語彙についてはデータ取得後に確認できるというRDFの利点を生かし,より柔軟なデータ提供と再利用が可能になる。JSON-LDのような緩やかな記述は,特定アプリケーション用のデータを無理なく外部からも利用できるようにし,分野を超えた新たな応用の可能性を開く。
著者
神崎 正英 後藤 和子 原田 真喜子 柴野 京子
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.153-156, 2023-08-01 (Released:2023-10-11)
参考文献数
3

デジタルアーカイブ(DA)は公共財的な側面と私的財な側面を持つ混合財であり、関係者のバックグランド・視点も多様である。講演会・議論を通して情報共有と相互理解を熟成するために開催してきたDAショートトークの内容から、テキスト分析の手法でDAの産業化における諸課題を抽出し、二次元マップとして提示することを試みた。この結果を広く公開するため、部会のウェブサイトに掲載して各DAショートトークをマップ上に配置し、さらに発表資料アーカイブへの動線機能も持たせた。DA産業化マップを通じてショートトークが共通の議論のプラットフォームとして活用されることを期待し、その取り組みを報告する。
著者
神崎 正英 佐藤 良
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.453-459, 2011-11-01 (Released:2017-04-20)
参考文献数
23

国立国会図書館(NDL)は,書誌データの開放性・利用可能性を向上させる取り組みの1つとして,書誌データ提供におけるセマンティックウェブ技術への対応を進めている。この一環として,2010年6月には「ウェブ版国立国会図書館件名標目表(Web NDLSH)」,2011年7月には提供範囲を全典拠レコードに拡大し,システムの機能を拡張した「国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)」の開発版をリリースした。「国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)」の開発版では,典拠データをRDFモデルにより表現し,Linked Dataのスキームに準拠する等,セマンティックウェブ技術に対応した形式により提供している。本稿では,当サービスの概要,提供する典拠データの内容,RDFモデルの設計等について紹介をする。
著者
江上 周作 大向 一輝 山本 泰智 神崎 正英 野本 昌子 坂根 昌一 伊藤 真和吏 網 淳子 奥村 貴史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.3H1GS3d02, 2021 (Released:2021-06-14)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止に向けて,政府より「3つの密(三密)」「5つの場面」が提言されている.これらの標語・指標に基づいて,個別の行動事例のリスクを評価するためには,行動履歴情報,空間情報,およびそれらの知識の定義が必要となる.本研究では,感染症患者に対する聞き取り調査で得られる行動履歴情報を用いて,その行動における三密の度合いを推論可能なオントロジーを提案する.推論結果は,公衆衛生当局における追跡調査業務の省力化や,実データとの照合による,感染に結びつく行動の分析などに応用できると考えられる.本稿では,提案オントロジーの実運用に向けたシナリオの検討と課題を述べる.
著者
神崎 正英 Masahide KANZAKI

CODHセミナーの講演「IIIF:もっと使える機能、そして拡張の可能性」で、神崎氏が利用した資料へのリンク。
著者
中井 万知子 藤倉 恵一 橋詰 秋子 福山 樹里 神崎 正英
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.209-217, 2016

日本図書館協会(JLA)と国立国会図書館(NDL)が,日本十進分類法(NDC)をLinked Data化するために,2015年4月から2016年3月まで実施した共同研究の成果を報告する。NDCは,JLAが編集発行するわが国の標準分類法である。研究では,NDCの新訂8版と新訂9版を対象とし,JLAが機械可読形式化したMRDFを基に,Linked Data形式のデジタルデータを試行的に作成した。想定利用者のニーズが情報システムでの利用にあることを踏まえて作成方針案を策定したうえで,NDCの概念的な階層関係を基にした分類項目間の階層構造モデルの構築,記述語彙の選定,ラベルの構造化,補助表による分類項目の合成,相関索引等からの分類項目の機械生成等を行った。また,Linked Dataとして外部データとのつながりを生むために,国立国会図書館件名標目表へのリンクを含めた。今後は共同研究の成果に基づき,JLAにおいて提供や利用に関する調査・検討を行う予定である。
著者
中井 万知子 藤倉 恵一 橋詰 秋子 福山 樹里 神崎 正英
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.209-217, 2016

日本図書館協会(JLA)と国立国会図書館(NDL)が,日本十進分類法(NDC)をLinked Data化するために,2015年4月から2016年3月まで実施した共同研究の成果を報告する。NDCは,JLAが編集発行するわが国の標準分類法である。研究では,NDCの新訂8版と新訂9版を対象とし,JLAが機械可読形式化したMRDFを基に,Linked Data形式のデジタルデータを試行的に作成した。想定利用者のニーズが情報システムでの利用にあることを踏まえて作成方針案を策定したうえで,NDCの概念的な階層関係を基にした分類項目間の階層構造モデルの構築,記述語彙の選定,ラベルの構造化,補助表による分類項目の合成,相関索引等からの分類項目の機械生成等を行った。また,Linked Dataとして外部データとのつながりを生むために,国立国会図書館件名標目表へのリンクを含めた。今後は共同研究の成果に基づき,JLAにおいて提供や利用に関する調査・検討を行う予定である。
著者
神崎 正英 佐藤 良
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.453-459, 2011-11-01

国立国会図書館(NDL)は,書誌データの開放性・利用可能性を向上させる取り組みの1つとして,書誌データ提供におけるセマンティックウェブ技術への対応を進めている。この一環として,2010年6月には「ウェブ版国立国会図書館件名標目表(Web NDLSH)」,2011年7月には提供範囲を全典拠レコードに拡大し,システムの機能を拡張した「国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)」の開発版をリリースした。「国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)」の開発版では,典拠データをRDFモデルにより表現し,Linked Dataのスキームに準拠する等,セマンティックウェブ技術に対応した形式により提供している。本稿では,当サービスの概要,提供する典拠データの内容,RDFモデルの設計等について紹介をする。