著者
上村 克郎
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリートジャーナル (ISSN:00233544)
巻号頁・発行日
vol.9, no.7, pp.73-78, 1971

人工軽量骨材は市場に出てすでに8カ年を経過し,最近2~3年間の生産量は急上昇である。昭和45年度はメーカ7社の合計で生産量は約120万m<SUP>3</SUP>に及んでいる。したがって,数年前までは新材料,新工法のテーマの-つとして取り上げられ,調査,研究やシンポジウム,講習会の格好の対象となっていたが,そろそろ建設界一般に浸透してきた状態になったので,ここらで問題点を整理してみることも意義があることと思われる。日本建築学会関東支部主催「人工軽量骨材に望むもの」シンポジウム(昭46.1.21)の声も参考しながら筆者の気の付いた問題点について若干触れることにする。独りよがりの空論もあるかも知れないがお許しいただきたい。
著者
戸川 一夫 荒木 謙一
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリートジャーナル (ISSN:00233544)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.105-112, 1974-04-15 (Released:2013-04-26)
参考文献数
14

本研究の主目的は短く切った金属繊維をモルタルあるいはコンクリートに混入することによって曲げ強度の改善を行なうことと, 曲げ強度を合理的に表わす指標を究明することである。本実験でもちいた主要因は金属繊維の長さ, 径, 混入量, 付着強度およびモルタル, コンクリートのワーカビリチーである。本実験結果を要約すると次のようである。1) 直径360μ, 長さ30mm, のクリンプした金属繊維を30%混入したモルタルの終局曲げ強度は普通モルタルの5倍近い強度が得られた。2) 金属繊維補強モルタルの終局ならびに初期ひびわれ荷重時の曲げ強度は (付着強度) × (繊維の長さ) × (繊維の比表面積) × (フロー比) の関数として表わすことができる。3) モルタルの引張強度, コンクリートの曲げ強度も上記関数をパラメータとして推定することが可能である。
著者
椎 泰敏
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリートジャーナル (ISSN:00233544)
巻号頁・発行日
vol.12, no.9, pp.14-25, 1974-09-15 (Released:2013-04-26)
参考文献数
2

市街地における現場打ちPC高架橋の建設は一般に極めて困難な問題を含んでいる。首都高速道路5号線高島平高架橋では, ここに紹介するSSM式移動吊支保工により高架橋下の交通を阻害することなく, 大幅な省力化と急速化を実現させることができた。高島平高架橋における実績は, 期待どおりのもので従来の工法に比較して工期は約1/3に短縮され, 必要な延労働力は約半分に低減されている。また, 本移動吊支保工は, 高度に機械化されているため工場と同じ条件のもとで施工することが可能であり, 熟練工を必要とせず十分な施工管理を行なうことができる。
著者
山田 順治 寺本 秀男 塚山 隆一
出版者
Japan Concrete Institute
雑誌
コンクリートジャーナル (ISSN:00233544)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.47-64, 1972

本論文の筆者山田, 寺本, 塚山の3氏は, 昭和46年5月土木学会総会において「急速施工を目途とした特殊セメントの開発ならびに実用化」の業績により, 吉田賞を受賞された。本誌ではすでに, 新材料新工法委員会が「アサノスーパーベロセメント超早強ボルトランドセメトント」 (1970年8月号) として紹介しており, 今回はこの新しいセメントの開発の経過と利用とをくわしく紹介するために本論文を登載した。