1 0 0 0 女性器

著者
伊藤 博之
出版者
医学書院
雑誌
medicina (ISSN:00257699)
巻号頁・発行日
vol.29, no.11, pp.83-85, 1992-10-30

女性器に対する診察(内診)は,通常,婦人科診察台(いわゆる内診台)上で軽い砕石位にて行うが,その成否のカギは,いかにして患者の理解,協力が得られるかにかかっている.実際の診察にあたっては,ほとんどの患者は(特に初診時では)緊張状態にあるので,どうすれば羞恥心を和らげ,リラックスさせられるかを考える.具体的には内診の際に,さりげない会話,例えば患者の特技・趣味(スポーツや音楽など)について,ちょっと一言,話を交えるだけでも急に打ちとけ,スムーズに診察できることを何度も経験している.さらに,診察に際し,患者に少しでも不快な思いをさせないための配慮も必要である(表1). さらに,内診に必要な基本的な条件を一括して表2にあげる.
著者
島村 めぐみ 黒岩 義之
出版者
医学書院
雑誌
medicina (ISSN:00257699)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.232-235, 2008-02-10

ポイント ●一般に,しびれ・痛みの客観的定量的評価は困難である. ●ニューロメーターを用いた神経電流知覚閾値の測定は簡便で非侵襲的でありながら高い再現性をもち,神経伝導検査で不可能な小径有髄線維や無髄線維の障害を検出することが可能である. ●同一神経束内の神経線維を選択的に評価することが可能である. ●初期の末梢神経障害で認められる知覚過敏を検出できることが,画期的である. ●知覚閾値を定量化することで,治療評価や患者間の比較が可能である.
著者
津田 篤太郎
出版者
医学書院
雑誌
medicina (ISSN:00257699)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.1916-1918, 2015-10-10

ポイント●抗原回避が困難で,薬物療法が効果不十分あるいは拒否される場合に,漢方治療が検討される.●アトピーは炎症軽減とバリア機能回復という2つの目標に,それぞれ異なった生薬を配する.●鼻炎では小(ショウ)青(セイ)竜(リュウ)湯(トウ)が代表的処方であるが,含有する麻黄の副作用に留意する.●気管支喘息では,心因性の要素が関与する咳嗽に漢方薬がしばしば用いられる.

1 0 0 0 脊椎過敏症

著者
小野村 敏信
出版者
医学書院
雑誌
medicina (ISSN:00257699)
巻号頁・発行日
vol.14, no.13, pp.2302-2303, 1977-12-10

脊椎過敏症とは 背痛あるいは棘突起部の自発痛や圧痛を主訴として受診する患者のなかで,これらの愁訴以外の理学的所見に乏しく,予後も良好であるものが比較的多いことはよく知られている.このような病態は,脊椎過敏症あるいは棘突起痛と呼ばれ,臨床上きわめて頻度の高いものである.一方,種々の脊椎疾患や内臓疾患の場合に,臨床症状の一つとして棘突起部の疼痛(圧痛,叩打痛,運動痛など)をきたすことは多く,これらの疾患と脊椎過敏症とを鑑別することは,腰背痛患者の診断に際して常に念頭におかなければならない. 統計的にみると,本症は20歳代の女子とくに事務労働者や主婦に圧倒的に多く,平背や円背などのなんらかの不良姿勢や背筋の萎縮をもつ場合の多いことが特徴的である.原因としては未だ明らかでない部分も多いが,自律神経失調,内分泌異常,関連痛,いわゆる付着部痛,ヒステリーなどがあげられている.好発年齢その他からみると心因性要因を含めた素因の存在も否定できないが,臨床的な特徴からは,棘突起に付着する筋・腱・靱帯などの張力が発痛と関係が深いと思われる.姿勢異常や背筋のfibrosisは腱・靱帯付着部に持続的なtensionを加え,局所の発痛素因を高めると考えられる.本症の予後は良好であり,数ヵ月ないし数年の間に自然寛解をみるのが普通である.
著者
玉川 光春 晴山 雅人
出版者
医学書院
雑誌
medicina (ISSN:00257699)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.250-259, 2004-11-30

単純X線撮影の意義 近年,四肢関節領域のMRIの重要性は明らかで多用されるが,骨折や奇形,変形性関節症などの重症度判定はX線写真で成される.ここでは,複雑で疾患の多い関節の単純X線撮影を中心に,実際に四肢関節の疾患が疑われる場合,疾患ごとの有効な撮像法をリストアップし,X線写真の注目点について解説した.関節の形状や可動性は個人差が大きいため,異常の発見には左右を撮像し比較することが重要である.なお骨腫瘍の撮像に関しては言及していないが,長管骨の場合は病変の存在する骨の正面像と側面像の二方向の撮像が基本である.