著者
鳥越 兼治
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.46-49, 1989-03-31
被引用文献数
1

サキグロタマツメタガイの歯舌を走査電顕で観察した。中歯は大きい中央歯尖の両側に1個(時に2)の小歯尖がある。側歯は大きい中央歯があり, 外側に2個(稀に1)個の小歯尖がある。内縁歯は2歯尖で, 内側歯尖が大きく長い。外縁歯は鎌状である。この結果とLunatia属歯舌既知種の比較を行ない, 属の標徴としての歯舌について考察した。
著者
ダラール Y. M. パンジヤ G. T.
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.83-90, 1973-12-31

アシヒダナメクジの足腺から分泌される粘液の組織化学的研究を行ない又, 生活史の間における変化を見た。アシヒダナメクジの粘液腺は足の後端背側にあり, 腺は柱状の上皮細胞からなりこれから粘液を分泌する。成熟個体ではこの粘液は用いられたすべての組織化学的染色法によってよく染まったが, 幼若個体では染色反応は微弱であった。反応は性的成熟に伴い強さを増し, 成熟すると最大となる。粘液の成分は酸性粘液多糖と, 中性の粘液物質とサルファミュシンであった。これらの粘液物質の濃度は生活史中種々に変化をすることが判った。