著者
原田 澄
出版者
Japanese Leprosy Association
雑誌
日本らい学会雑誌 (ISSN:03863980)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.171-175, 1979

アロクローム-過沃度酸-メセナミン銀法は組織標本のための菌の検出およびその病理学のために良い方法である。<br>その方法は次の如し。脱パラ,10%過沃度酸24時間,メセナミン銀で反応させる60°Cで2時間,塩化金処理,ヌクレアル赤で核染,ピクロメチール青で対称染色抗酸菌,弾力線維,メラニン黒クロモフオビック菌も染色される。
著者
菊池 一郎
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本らい学会雑誌 (ISSN:03863980)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.118-124, 1993

熊本のハンセン病の歴史は本妙寺に患者が集まったことに始まるがその起源ははっきりしない。明治4年には喜捨をうける患者の記録があり,人の眼に触れるようになった。これは明治4年7月に廃藩置県,8月に非人解放令が発令されたあと,国内の交通が自由になったことと関係があろう。明治28年に私立の回春病院,明治42年に公立の九州療養所が設立されたが,本妙寺集落は昭和15年の患者の強制収容で終わった。その間の集落の存続の理由などを検討したが,差別が少ない集落であったことや,経済生活が容易であったことや,公立療養所での生活の厳しさなどがその理由であったようである。患者の強制収容は回春病院の廃止と同様戦争準備であったと思われるが,国家権力の意識と実行がどういう関係にあったかは明らかでない。
著者
並里 まさ子 亀山 孝二 矢島 幹久 浅野 五朗
出版者
Japanese Leprosy Association
雑誌
日本らい学会雑誌 (ISSN:03863980)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.220-229, 1995

長期寛解状態にあるらい患者を対象に,四肢伸側部真皮の厚さ(D)と,真皮内線維成分について対照群と比較検討した。画像解析によるコラーゲン線維(C),弾性線維(E)の計測では,真皮結合組織に占める両線維の割合を計測し,さらにDを乗じて両成分の体積を算出した。また下肢真皮における個々のEの長さも計測し,対照群と比較した。さらに前腕伸側の真皮上層部における弾性線維の増加傾向の有無を,病理組織学的に検討した。<br>以上より下記の結果を得た。<br>1 患者群では,上,下肢ともDと両線維の量が著明に低下している。<br>2 患者群では,上,下肢ともEよりもCの減少が著しい。<br>3 対照群では,Cに対するEの量比は上肢の方が下肢よりも高値であるが,患者群では,その逆である。<br>4 対照群下肢では,Dの減少とEのCに対する量比の増加は関連していたが,患者群下肢では,両者の関連がなく,かつEのCに対する量比は全体に高値であった。<br>5 患者群下肢ではより長いEの出現傾向が見られた。<br>6 上肢(前腕)真皮上層におけるEの増加傾向は,対照群では大部分に認められたが,患者群では大部分に認められなかった。<br>以上より,患者皮膚では真皮の菲薄化と線維成分の減少が著しいが,Eの相対的増加傾向があり,EはCより残存しやすいか,産生されやすいと推察された。さらにこのEの相対的増加傾向は,太陽光線照射量の異なる上,下肢についての差はなく,よってその関与は少ないものと考えられた。今回の結果は,らい患者皮膚で,著明なCの増加を特徴とする肥厚性瘢痕やケロイドが生じにくいことと関連すると考えられる。
著者
ガンヤラック チャイカンパ 松岡 正典 野間口 博子 高坂 健二
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本らい学会雑誌 (ISSN:03863980)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.28-32, 1993

我々はヌードマウスを用いてらい菌の継代をしてきている。継代株の内の一つタイ53株かららい菌DNAを分離し, lambda-gtllファージを用いてゲノムDNAライブラリーを作製した。これは平均3kbのインサートを持つリコンビナントDNAが106個近くから成るライブラリーであり,らい菌の全DNAを充分にカバーできるものであると考えられる。事実,PCRによる検索でらい菌特異遺伝子の存在が確認された。
著者
杉田 泰之
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本らい学会雑誌 (ISSN:03863980)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.100-104, 1995-07-20 (Released:2008-02-26)
参考文献数
17

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著者
荒川 巌
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本らい学会雑誌 (ISSN:03863980)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.87-88, 1993-11-30 (Released:2008-02-26)