著者
池滝 孝 太田 三郎 鈴木 省三 熊瀬 登 遊佐 啓一
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.19-24, 1982-11-25

低グルコシノレートナタネ粕の高水準配合飼料が乳牛の飼料摂取量および乳生産・乳質におよぼす影響を知るため,ホルスタイン種乳牛8頭を用い,キャンドル種(Candle)ナタネ粕24%を含む配合飼料(R24)と現行種(Ordinary)ナタネ粕8%,大豆粕9%を含む配合飼料(R8)を産乳量に応じ各群4頭に給与し,28日間を1期とする3期反転泌乳試験を行なった。各群とも給与した配合飼料を全量採食し,粗飼料として与えた乾草,とうもろこしサイレージの摂取量も処理間に差はみられなかった。産乳量,乳脂率,無脂固形分率および乳脂生産量にも差は認められなかったが,乳蛋白率はR24給与期にやや多く,有意差(P<0.05)があった。また,供試牛の体重変化および健康状態もほぼ正常に推移した。本試験のように,配合飼料給与量が1日7〜9kgのレベルであれば,乳牛用配合飼料にキャンドル種ナタネ粕を24%の高率で配合しても,乳牛の食欲,生産性,乳成分に著明な影響を与えることなく,安全に使用できるものと推察された。
著者
有賀 秀子 林 友子 永田 信一 祐川 金次郎
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.177-186, 1978-10-31

継続採取した農家婦人10名,非農家婦人18名の乳汁および飲用水について,硝酸・亜硝酸およびジメチルアミン含量と,人血液中の硝酸・亜硝酸および血色素量の測定を実施した。1.人乳中の硝酸と亜硝酸の合計含量は,分娩後3〜5日目には平均2.67ppmであったが,2週間後までに急激に減少し,約1/2量になった。40日目以降では0.5ppm前後にまで減少するが,60日後やや増加した。初乳中硝酸・亜硝酸含量の個体差は大きいが,日数の経過とともにその差は小さくなった。2.人乳中亜硝酸含量は,初乳で0.025ppm程度で,その後やや増加するが,60日目には初期の1/2量にまで減少した。3.人乳中ジメチルアミン含量の個体差は大きいが,75%の試料が0.1ppm以内にあり,他の一般食品に比べ低い値であった。4.人血液中の硝酸・亜硝酸含量は,分娩後3〜14日目の者についてみると,平均1.11ppmで,0.5〜1.5ppmの範囲に全体の80%が分布していた。乳汁中含量に比べその約1/2量と低かった。5.人血液中の血色素量は,分娩後の経過日数により大きく異なり,6〜8日目で正常値の者は約60%であった。6.飲用水中の硝酸・亜硝酸含量は,地下水の場合は水道水に比べはるかに高く,乳幼児に推奨されている3ppm以下のものは50%に満たず,また飲用水基準の10ppmを超えるものも約10%程度みられた。