著者
前原 正美
出版者
東洋学園大学
雑誌
東洋学園大学紀要 (ISSN:09196110)
巻号頁・発行日
no.17, pp.49-66, 2009-03

観光産業は,インバウンド(訪日外国人旅行者)の急増によって,ハード,ソフト両面での課題に直面している。 第一に,受け入れの旅行環境整備である。観光ビザの緩和,日本の文化・歴史を体感できる街並(まちなみ)の再生やツアー企画などによって観光力を向上させる必要がある。第二に,海外への効果的な情報発信である。ITによる旅行情報の発信,大河ドラマ,観光親善大使のキャンペーン,日本映画や日本人歌手の海外コンサートなど,マス・メディアによる効果的な日本の紹介が必要である。第三に,異文化理解・文化交流のための人材育成である。ツーリズムに携わる人びとすべてが,日本と観光地域の文化・歴史を熟知してはじめて,心のこもったコミュニケーション,真の文化交流が可能となる。こうした課題をクリアすれば,観光産業は,日本の文化・歴史を中心に観光資源を生かし,自然との共生を図りながら経済を持続的に発展させるサステナビリティの高いリーディング産業(基幹産業)へと成熟することが可能となるだろう。
著者
光川 眞壽
出版者
東洋学園大学
雑誌
東洋学園大学紀要 = Bulletin of Toyo Gakuen University (ISSN:09196110)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.118-127, 2020-02-28

本研究は,若齢者を対象としたレジスタンストレーニングの短縮性収縮(CON)局面および伸張性収縮(ECC)局面の動作速度が筋肥大に及ぼす影響を明らかにすることを目的として文献レビューを行なった。文献調査の結果,7つの論文が抽出され,それらの論文を各局面の動作速度で分類すると,1)CON 局面とECC 局面両方を遅くする方法(3論文),2)CON 局面のみを速くする方法(2論文),3)ECC 局面のみを遅くする方法(2論文)の3条件に分けられた。50%1RM程度のトレーニング強度の場合,1)の条件においては,各局面が1秒よりも3秒以上かけてトレーニングした方が筋肥大することが明らかとなった。一方,67%-85%1RM程度の強度を用いたトレーニングの場合,1)および2)ともに各局面において1-3秒程度の動作時間であれば筋肥大の程度に大きな違いがないことが示された。3)の条件においては,一致した見解が得られておらず,更なるエビデンスの蓄積が必要であることが示唆された。
著者
前原 鮎美 前原 正美
出版者
東洋学園大学
雑誌
東洋学園大学紀要 = Bulletin of Toyo Gakuen University (ISSN:09196110)
巻号頁・発行日
no.29, pp.103-121, 2021-02-15

菅義偉首相の提示した政治経済政策であるスガノミクスにおいて,最も際立った特徴は,生活必需品の価格引き下げを実施する,という点にある。アベノミクスにおいては,「円高・デフレ脱却」をスローガンとして,貨幣供給量の増大によってインフレ期待を巻き起こし,有効需要の増大→企業の商品生産の増大→貨幣賃金の増加→実質賃金の増加→景気回復という方向を見定め,同時にまた円安の進行→輸出産業の利益増大→株価の上昇→民間設備投資の増大→生産規模の拡大→労働雇用量の増加→貨幣賃金の増加→実質賃金の増加という方向性を見定めて,インフレーション(物価上昇)によって景気回復を図る政治経済政策を展開した。安倍前首相は,こうしたアベノミクスの異次元の金融政策の施行によって,インフレ→景気回復の実現可能性を見出した。しかし,菅首相は,スガノミクスにおいて,生活必需品価格の引き下げ→貨幣賃金一定の下での実質賃金の増加→豊かな国民生活の実現というデフレーション効果に期待する方向性を打ち出したのである。 企業の社会的使命は,①自社のサービスや商品を社会的に提供し,「お客様に喜んで頂く」ということを具体的に社会全体に経営理念として示すこと,②従業員に対する適切な人材教育を施し,従業員一人ひとりが仕事に対する自らの生きる喜び,仕事に対する使命感をもって従事することの重要性を認識させること,③従業員と顧客との良好な人間関係の形成によって,顧客が従業員に感謝し,企業のリピーターとなって新たな顧客を創造させるということ,にある。これこそまさに,J. S. ミルが主張した企業経営者と従業員と顧客(社会)との3つのトライアングルによって創造される企業利益増大の好循環のサイクルである。 利益と社会的貢献との両立という方向性での景気回復を図るには,企業における《「共助」の経営組織改革・経営戦略》が不可欠となる。
著者
小林 広直
出版者
東洋学園大学
雑誌
東洋学園大学紀要 = Bulletin of Toyo Gakuen University (ISSN:09196110)
巻号頁・発行日
no.27, pp.13-25, 2019-02-28

This paper explores the way in which Thomas Kilroy uses Bertolt Brecht's V-effects (Verfremdungseffekt) in his adaptation of Luigi Pirandello's Six Characters in Search of an Author (1996) and Double Cross (1986). In a 1984 article, Kilroy describes Brecht, Beckett, and Pirandello as modern dramatists who try to overturn the then dominant theatrical tendency of realism by highly sophisticated stylisation. Both plays discussed here can be seen as examples of Kilroy's application of Brechtian V-effects, which defamiliarises the ordinary rules of the theatre, makes things seem strange and, in the end, enables us to see the world differently. Characters in each play are acutely aware of their roles as fictional characters (in Six Characters) and historical figures (in Double Cross). The self-referential meta-theatricality of both works is heightened by using two theatrical techniques: video screens and addressing the audience. These techniques question the reality of the events happening both on the stage and in history. Through this comparative analysis, we can understand what Kilroy learned from Brecht in order to "create a public theatre," which has been a longstanding cultural issue in Ireland since the foundation of the Abbey Theatre, and to fulfill his early dreams as a writer.
著者
堀口 真宏
出版者
東洋学園大学
雑誌
東洋学園大学紀要 = Bulletin of Toyo Gakuen University (ISSN:09196110)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.48-62, 2021-02-15

本論文では,救援・支援者の心理的負担に関する先行研究についてバーンアウトとPTSD という観点からレビューを行い,その中でも海岸救援者,東日本大震災の災害支援者の立場における心理的負担について考察を行った。まず,救援・支援者は日々の仕事の業務に持続的に関わることから生じうる業務上のバーンアウトが考えられる。また,持続した緊張感の下で業務が行われる状態の中で「衝撃的な救助・出来事」に対峙したとき,同じ救援・支援者の立場にいる彼らには,PTSD 傾向も考えられ,彼らの心理的負担を理解する上で双方の概念からの理解が不可欠と考えられる。このようなことから,まずバーンアウトとは何か,PTSD とはどのような症状を呈するのかのついての概観を行った。そして第3節では,救援・支援者における心理的負担について主にどのような研究がなされてきたかレビューを行い,彼らの心理的負担の意味付けについての捉えなおしという点から考察を行った。
著者
中井 和敏
出版者
東洋学園大学
雑誌
東洋学園大学紀要 (ISSN:09196110)
巻号頁・発行日
no.24, pp.73-92, 2016-03
著者
阿部 一
出版者
東洋学園大学
雑誌
東洋学園大学紀要 (ISSN:09196110)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.91-108, 2011-03-15
著者
勝田 薫
出版者
東洋学園大学
雑誌
東洋学園大学紀要 (ISSN:09196110)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.111-117, 2003-03-15