著者
星野 康人
出版者
新潟県農業総合研究所
雑誌
新潟県農業総合研究所研究報告 = Journal of the Niigata Agricultural Research Institute (ISSN:13449206)
巻号頁・発行日
no.5, pp.1-10, 2002-08
被引用文献数
1

1. 本報告では、エダマメを事例に農産物の商品開発に一般のマーケティング手法の適用が可能かどうかを検討するととも手法の体系化を図ることを目的に、実際に県内エダマメ産地と連携しながら商品開発を実践した。その結果、消費者二ーズに応えるエダマメ商品を開発することができた。 2.「グループインタビュー」では、「どんなものが欲しいですか-」など直接的な質問をするのではなく、普段の購買状況や利用状況、不満点や要望等について話題提供を行う。その際に、被験者に農産物のサンプルを手に取る・食べるなどしてもらい、具体的なイメージを与えるとよい。 3.「アンケート調査」は、グループインタビューで得られた仮説的な二ーズ1つ1つを設問とすることで、消費者の視点に立った回答しやすく、調査漏れの少ない効果的なものにすることができる。 4.「ポジショニング分析」では、各銘柄の特徴を認知した仲卸業者や販売店バイヤー等の流通業者を被験者にするとよい。 5. 発想したコンセプトの絞込みには、「コンジョイント分析」を適用するとよい。その際、被験者が属性や水準を正確にイメージできるように、解説文や写真、イラスト等を利用すると効果的である。 6.「品質表」を用いることで、おいしさ及びもぎたてと包装資材の選定のように、コンセプトと技術の関連づけを容易に行うことができる。 7. おいしさ、安全性、食べやすさ等が求められる農産物の商品化の決定には、人の感覚によって総合的に評価できる「官能試験」が有効である。
著者
田崎 義孝 葛西 正則 長谷川 雅明 遠藤 昌伸
出版者
新潟県農業総合研究所
巻号頁・発行日
no.17, pp.25-39, 2019 (Released:2019-08-27)

ウリ科作物(スイカ・キュウリ)の断根挿し接ぎ木法に対する人工光利用として、接ぎ木前および養生時における光照射が接ぎ木苗の活着および生育に及ぼす影響を調べた。昼白色LEDランプを光源とする接ぎ木前照射は、寡日照の環境条件下において葉色および乾物重の増加と穂木の奇形葉発生の軽減に効果が見られた。さらに、養生時照射は、接ぎ部の癒合と台木の不定根発生を促進する効果と共に、穂木又は台木の子葉に生じる褐変や黄化を軽減する効果が見られた。光合成有効光量子束密度(PPFD)は、接ぎ木前では40μmol・m-2・s-1、養生時では10μmol・m-2・s-1の弱光による各3日間の連続照射で十分な効果が得られた。
著者
石崎 和彦 橋本 憲明 松井 崇晃 名畑 越夫 神戸 崇 奈良 悦子 星 豊一 阿部 聖一 小林 和幸 重山 博信 平尾 賢一 金田 智
出版者
新潟県農業総合研究所
巻号頁・発行日
no.13, pp.47-66, 2015 (Released:2015-06-24)

「コシBL13号」は,新潟県農業総合研究所作物研究センターにおいて開発されたいもち病真性抵抗性同質遺伝子系統である。1996年より,戻し交配法を適用し,「K59」を1回親,「コシヒカリ」を反復親として育成された。いもち病真性抵抗性遺伝子型はPitと推定される。2011年から奨励品種決定調査に供試され,いもち病抵抗性以外の特性において「コシヒカリ」と類似性が高いことから,2013年に新潟県の奨励品種に採用された。なお,「コシBL13号」は,2014年に種苗法に基づき品種登録された。