著者
小川 伊作
出版者
大分県立芸術文化短期大学
雑誌
大分県立芸術文化短期大学研究紀要 (ISSN:13466437)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.151-168, 1994-12-31

The lute book of Jacques Gallot, published in the second half of the seventeenth century in Paris is, along with the two books of Denis Gaultier, very important in the development of French lute music. It is important not because of its repertoire, but because of the information on lute music itself, its ornamentation, and the social conditions surrounding the lute. In this paper I have examined the researches from the end of the nineteenth century until the present, and examined Gallot's lute book by focusing on the author and the age in which the book was published. I then translated and annotated the advertissement, dedication, and instructions.
著者
吉山 尚裕
出版者
大分県立芸術文化短期大学
雑誌
大分県立芸術文化短期大学研究紀要 (ISSN:13466437)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.81-89, 1994-12-31

本研究では、ブティックを対象にして、(1)店舗の魅力を決めている要因は何か、(2)消費者の購買態度によって店舗の魅力の規定因に違いが見られるかを検討した。予備調査の結果から、ブティックの特徴に関する28項目の質問項目を作成。また、魅力度測定のための5項目と、山本(1992)の購買態度項目をブティック向けに一部修正した19項目を加えて調査票を構成した。本調査では、調査対象者に日頃よく行くブティックを1店舗あげてもらい、その店の特徴や魅力度について回答を求めた。購買態度については、各項目が自分にどのくらいあてはまるかを回答させた。調査対象者は、短期大学生女子176人。そのうち173人を分析対象とした。主な結果は、次の通りである。(1)店舗の特徴に関する28項目に因子分析を行った結果、「店員の親しみやすさ」「店員のしつこさ・強引さ」「店内の広さと明るさ」「店の個性づくり」「買う・買わないの自由」の5因子が見い出された。(2)魅力と店舗の特徴因子の関係を検討した結果、ブティックの魅力は、「店員の親しみやすさ」「店員のしつこさ・強引さ」「店の個性づくり」と強く関連していた。また、店員の非言語的行動が、店舗の魅力に影響していることも示唆された。(3)購買態度を含めた分析から、とくに、新商品への関心の高い客や、良い商品を積極的に求める客に対して、「店員のしつこさ・強引さ」は店舗の魅力を低めやすいことが示唆された。本研究から、店舗の魅力を規定する店舗の特徴(属性)のいくつかが明らかにされた。また、客の購買態度によって店舗の魅力の規定因に違いがあることも示唆された。今後、店舗の空間構造や店員の動作が、客の店舗に対する認知にどのような影響を与えているか、などの問題を併せて検討する必要がある。
著者
洲 雅明 榎本 至 南 隆尚
出版者
大分県立芸術文化短期大学
雑誌
大分県立芸術文化短期大学研究紀要 (ISSN:13466437)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.25-32, 2015

The purpose of this study was to clarify the usefulness of the extra-man offense pattern, and its effectiveness at breaking the defense formations in water polo games. Related data were obtained and analyzed from the following games: (1) 89 extra-man formations used in four final games of the London Olympic Games 2012 (LO), (2) 64 extra-man formations used in all eight games of the Japanese 2015 championships (JC), and (3) 55 extra-man formations used in the final eight games of the Inter-High (IH) School 2014 championships in Chiba.The number of extra-man offense patterns across the games were 11.1±2.7, shots during extra-man offense patterns were 4.0±2.8, and goals in extra-man offense patterns were 3.4±2.6 in LO, and this was significantly higher (with p < 0.001) than that for JC (4.0±2.8, 3.7±2.7, 1.5±1.7) and IH (3.4±2.6 , 3.1±2.5, 1.0±1.0) respectively. Offense players tried to break defense formations by faking and moving during pass transitions in order to shoot accurately and score in extra-man offense formations. Breaking defense by offense was observed in 28 of the LO (36%), 28 of the JC (38%) and 16 of the IH (33%) instances. There was no difference in the ratio of breaking defense formation between JC and IH in comparison with the LO. However, the ratio of shots in extra-man offenses was low due to poor pass and shot techniques in JC and IH. Therefore, it is suggested that the JC and IH are effective at breaking defenses.
著者
坂口 桂子
出版者
大分県立芸術文化短期大学
雑誌
大分県立芸術文化短期大学研究紀要 (ISSN:13466437)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.47-58, 2005-01-31

2003年7月19日の福岡大水害で壊滅的な被害を受けた嘉穂劇場(福岡県田川市)では復旧作業が終わり、2004年9月17日・18日に、こけら落とし公演となる同劇場名物の「全国座長大会」が開かれた。嘉穂劇場について、研究論文の一節を紹介すると、「嘉穂劇場とは、日本で唯一、現役のままで昭和初期から生きつづけてきた、木造純和風、2階建入母屋造り、江戸時代の歌舞伎上演機能を完全に備えた大衆的な芝居小屋である。今も毎月1回か2回、せいぜい3・4回、細々ではあるが、下町の玉三郎とか、森進一とか、みやこ蝶々・大村こんといった芸人たち、あるいは博多淡海や筑紫美主子など九州の一座が、昔ながらの興行をする。」(鈴木1988 : 51)。2003年、大水害に見舞われた嘉穂劇場の復旧費用は建物本体だけで約2憶7千万円かかり、音響や照明の設備を含め、3億円を超える巨額の資金が必要となったが、個人経営では工面できず、公的支援が受けやすい特定非営利活動(NPO)法人化に踏み切り、2004年1月に、1931年の開場以来72年余り続いた個人経営に終止符が打たれたが、昭和初期からこれまで、嘉穂劇場がずっと存続してきたことは、特筆すべきことである。「昔はこの種の劇場は全国におそらく何千とあったろう。が、今やすべて死に絶え、ごく少数のものが文化財となって『生かされて』いる状態であるが、昔のままに生き続けているのは、この嘉穂劇場一座だけである。」(同書 : 51)。嘉穂劇場が存続してきたのはなぜであろうか、まずはその条件からみていくことにしよう。
著者
松坂 洋三
雑誌
大分県立芸術文化短期大学研究紀要 = Bulletin of Oita prefectural College of Arts and Culture (ISSN:13466437)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.1-20, 2020-03-13

この論文は、プロダクトデザインの役割についての考察である。戦後から今日に至るまでに、プロダクトデザインの役割とデザイナーの仕事は多様化した。プロダクトデザインは、さまざまな産業でその活躍の場を広げてきた。日本のデザイン教育は山脇巌氏や水谷武彦氏らが留学したドイツ「バウハウス」のインターナショナルなデザイン教育をルーツとしており、現代では、従来のインダストリアルデザインの定義だけでは学生への説明が不十分と感じていた。かつてどこにも属さないようなカテゴリーの価値を持った製品をプロダクトデザイナーが創作しているからだ。すなわちプロダクトデザイナーが役割の新しい解釈や可能性を広げて、プロダクトデザイナー自身が自らの領域の可能性を広げているのだ。今日そのような仕事を生んでいるのはデザインスタジオnendoの佐藤オオキ氏や吉岡徳仁デザイン事務所の吉岡徳仁氏のような傑出した人たちであり、また彼らのクリエイティビティ―に刺激を受けたプロダクトデザイナーたちだ。それは例えば「動詞のデザイン」「関係のデザイン」「意味のデザイン」といったような新しい定義であり、人間中心の発想でデザインすることである。バウハウスの時代のものが、「もの発想」であるのなら「ユーザーの行動、理解を発想」したデザインなのだ。例えば、佐藤オオキ氏が最近デザインしたカップヌードルのフォークとカルピスのグラスは、動詞と振舞いのデザインである。 これらのデザインの役割は、新しい価値の創造であり、プロダクトデザイナー自身が開発した。プロダクトデザインには17の役割が必要だと分析した。This Paper is thinking of role of present-day product design. The role of product design and designerʼs job has been diversified after war until today. Product design has expanded contribute field at each industry after war. The Japanese design education roots were international style of BAUHAUS, studied abroad by Mr.Iwao Yamawaki and Mr.Takehiko Mizutani, however, it is not enough to define modern product designʼs role today. Reason why, product designers are designing products which are not belongs any category ever now.It is meaning that product designers are expanding new definition of role and possibilities by themselves. Today, such a job is doing by Mr.Sato or Mr.Yoshioka and young designers who were influenced them. For example, it is essential new definition of “verbs design” ,”relate deign” or “meaning design”, otherwise designing by way of human-centered. If BAUHAUS way is products idea origin, their way is behavior or understanding idea origin. For example, CUPNOODLEsʼ folk and Calpis glass designed by Mr.Sato approaches verbʼs and behaviorʼs design. These roles of approach are new value creation and developed by product designer. What is role of design? I think that we need 17 roles of product design.
著者
狩谷 新
雑誌
大分県立芸術文化短期大学研究紀要 (ISSN:13466437)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.144-120, 2016-03-16