著者
飯田 崇
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.75-78, 2014 (Released:2014-01-31)
参考文献数
3

症例の概要:歯科恐怖症に起因した多数歯の歯冠崩壊による咀嚼障害,および審美障害に対して,保存不可能な歯を抜歯して治療用義歯を製作,その後に最終義歯に移行し良好な予後を得た.考察:初診時に適切な医療面接を行い,歯科治療に対する恐怖の原因を正確に把握し,患者に無用な恐怖感を与えず治療を遂行できた.さらに早期に審美性の向上を図り,患者の治療に対する関心を高めた.今回は,これらの対処により継続的な補綴治療が可能になったと考えられる.結論:歯科恐怖症を有する患者においても,恐怖の原因を正確に把握し,それに対応して治療を行い,口腔内の改善を認識させることで,全顎的な補綴治療が可能である.
著者
神野 洋平
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.47-50, 2014 (Released:2014-01-31)
参考文献数
2

症例の概要:患者は初診時61歳の男性.悪性リンパ腫に対する放射線治療後の部分無歯顎に対する補綴治療の症例である.765|部にインプラントを埋入し、コーヌス型オーバーデンチャーで補綴を行った.考察:インプラント体埋入位置が限定され,最終補綴装置の設計も力学的に問題のある設計となった.しかし,最終補綴装置装着後の定期的なメインテナンスによりインプラント体自体に大きな問題は生じていない.今後さらに経過を観察していく必要がある.結論:放射線治療後の下顎部分無歯顎症例に対し,インプラントを用いたコーヌス型オーバーデンチャーで咬合支持を再建することができた.