著者
滝口 沙也加 清野 誠喜
出版者
東北農業経済学会
雑誌
農村経済研究 (ISSN:2187297X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.56-63, 2011-12-01 (Released:2013-01-28)
参考文献数
15

This study was undertaken to identify the perceptions of male college students in their 20s about dessert products sold at convenience stores. The study elicited the following two findings. First, four "roles" are served by dessert products. Convenience store desserts can be consumed as a "snack for one" that allows a young man to eat freely while moving from one place to another. Another role served by such a dessert is "fun food", which fulfills a young man's desire to eat fancy sweets with his girlfriend on a date. Meanwhile, desserts alone satisfy such roles as a "time spending tool" that facilitates casual conversations with male friends and as "confectionery to explore", which are premium desserts that a young man cannot normally afford but wishes to eat with his girlfriend. The second finding is the direction of the product planning for convenience store desserts. The future development of a "fun food" might be anticipated. More specifically, improving the dessert display while maintaining "affordable prices" and "reduced fear of calories", which are strengths of convenience store desserts, will be necessary in the future.
著者
齋藤 仁藏 兼常 康彦 岡崎 芳夫 原田 直 藤本 敬胤 根角 博久
出版者
東北農業経済学会
雑誌
農村経済研究 (ISSN:2187297X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.65-71, 2016

<p>山口県周防大島町KG地区で取り組まれている団地型マルドリ方式を,この方式に最初に取り組んだ香川県観音寺市K組合と比較することによって,その導入条件を明らかにした.K組合は園地整備事業を経て,12戸の農家が参画したパターンであり,共同利用するために大型の施設を導入している.一方,KG地区は現地実証試験の終了後,その園地に設置した施設から周辺の3農家の園地に送水管を延長し,段階を踏んで成立したケースである.既存の施設の仕様は,個別利用を条件としたものであったため,適用園地を拡張しても1日にかん水できる面積は限られており,その範囲には制約がある.また,既存施設を拡張利用するKG地区の取り組みをモデルケースとした場合,K組合との相違点として明らかにしなければならないのは,第1導入者が共同利用への展開を許容する要因である.その要因として,軽微な初期負担,共同利用においてもコンフリクトがほとんど生じない技術的特質産地力を強化することが自身の利益にもつながることの3点をあげられる.以上から,その導入条件として①先導的にマルドリ方式を導入する中核的農家の存在,②周辺農家が技術の特徴や導入効果を観察する期間を設け,段階を踏んで普及を進めること,③周辺の園地条件,④共同利用への展開を想定した施設の仕様,⑤関係機関の支援,⑥事業導入する場合の事業要件の整備,⑦担い手の育成を指摘できる.</p>
著者
小松 知未 小山 良太 小池(相原) 晴伴 伊藤 亮司
出版者
東北農業経済学会
雑誌
農村経済研究 (ISSN:2187297X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.116-124, 2015-11-01 (Released:2019-09-01)
参考文献数
9

本稿では,福島県における米全量全袋検査の運用実態と検査結果を詳細に整理した上で,制度上の位置づけとその問題点を明らかにした.第一に,福島県が米全量全袋検査を実施していることが,放射性物質検査に関する制度の枠組みの中でどのように位置づけられているかを整理した.第二に,福島県における検査の実施体制と検査結果を詳細にまとめた.第三に,検査結果の活用実態を確認した.これらを総合的に考察した結果,制度上の問題点と見直しの方向性は下記のようであるといえる.問題点は,原子力災害対策本部のモニタリング検査の指針において米全量全袋検査の位置づけが定められておらず,福島県のみが自らの判断で検査を計画に組み込んでいることである. 2012年度に福島県が実施した米全量全袋検査の結果から,原子力災害対策本部の指針レベルの体制では,基準値超の発見と迅速な対応が困難であったことが明らかになった.このことから,現行制度を見直し,原子力災害対策本部が総合的に判断して,検査エリアを指示する枠組みを構築するべきであるといえる.また,現状の制度では位置づけられていない飯米・縁故米の検査体制のあり方を検討すべきであるといえる.