著者
小山 良太
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.4_34-4_39, 2017-04-01 (Released:2017-08-11)
参考文献数
5
著者
小山 良太
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.4_36-4_40, 2022-04-01 (Released:2022-08-25)
参考文献数
2

2021年4月、政府は廃炉に伴う汚染水を処理し、トリチウム水の形で海洋放出することを決めた。ALPS小委員会では海洋放出すれば「社会的影響は特に大きくなる」と指摘されていた。それを、政府が決めるのであれば、①元の汚染水と処理水との違いやトリチウムについての国民の理解が深まる、②それを踏まえて地域の漁業者らと対策を協議したうえで合意に至る、③今も輸入を制限している周辺諸国に日本政府が説明して理解を得る、という三つの課題を達成する必要がある。福島県漁業は、2021年3月に試験操業を終了し、同年4月1日に本格操業に向けて新たなスタートしたばかりであり、最悪のタイミングであった。廃炉を進めることと復興を妨げることが同時に行われてはならない。被害地に更なる困難を与え続けることにならない政策が必要である。
著者
小山 良太
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 = Animal-husbandry (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.103-112, 2012-01 (Released:2012-12-03)
著者
小山 良太
出版者
北海道大学
雑誌
北海道大学農經論叢 (ISSN:03855961)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.81-92, 2003-03-28

日本最大の馬産地日高地域は、軽種馬生産を中心として各関連産業の集積産地として成立しているのである。さらに、日高地域は、その集積構造の中で大規模企業的経営層が多数の家族経営層を相手に多角的な事業(種牡馬事業、産地育成、繁殖牝馬の仔分・預託など)を展開することで成立している。この意味において、現在、産地に浸透している構造不況の影響は、小規模家族経営層だけではなく、大規模企業的経営層にまで波及していくものと考えられる。このことは、日本最大の馬産地日高地域全体に壊滅的な影響を与えることを意味する。そこで、本稿では、軽種馬産業集積地における大規模企業的経営と多数の中小規模家族経営と事業的な関連性を明らかにするために、日本最大の牧場Aグループと日高の生産者との関連構造を分析し、馬産不況がもたらす産地へ影響を明らかにしていく。この馬産不況の影響をみる分析視角として、現在深刻な経営危機にある産地競馬の廃止の影響を一つの指標として用いることで構造的な関連性を明確にしていくこととする。
著者
小松 知未 小山 良太 小池(相原) 晴伴 伊藤 亮司
出版者
東北農業経済学会
雑誌
農村経済研究 (ISSN:2187297X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.116-124, 2015-11-01 (Released:2019-09-01)
参考文献数
9

本稿では,福島県における米全量全袋検査の運用実態と検査結果を詳細に整理した上で,制度上の位置づけとその問題点を明らかにした.第一に,福島県が米全量全袋検査を実施していることが,放射性物質検査に関する制度の枠組みの中でどのように位置づけられているかを整理した.第二に,福島県における検査の実施体制と検査結果を詳細にまとめた.第三に,検査結果の活用実態を確認した.これらを総合的に考察した結果,制度上の問題点と見直しの方向性は下記のようであるといえる.問題点は,原子力災害対策本部のモニタリング検査の指針において米全量全袋検査の位置づけが定められておらず,福島県のみが自らの判断で検査を計画に組み込んでいることである. 2012年度に福島県が実施した米全量全袋検査の結果から,原子力災害対策本部の指針レベルの体制では,基準値超の発見と迅速な対応が困難であったことが明らかになった.このことから,現行制度を見直し,原子力災害対策本部が総合的に判断して,検査エリアを指示する枠組みを構築するべきであるといえる.また,現状の制度では位置づけられていない飯米・縁故米の検査体制のあり方を検討すべきであるといえる.
著者
小山 良太
出版者
地域農林経済学会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.421-430, 2013-03-25 (Released:2014-03-14)
参考文献数
14

A prime example of the difference in measures taken by the Republic of Belarus and Japan at present is the presence of laws and regulations concerning the measurement of radioactive contamination. The preparation of laws and regulations is crucial to the organization of an inspection system. Furthermore, the most fundamental data analysis at present, the creation of a radiation dose distribution map, ought to be a core element for radioactive contamination countermeasures. Explanations for why harmful rumors created by dialogue about risk with consumers have yet to be overcome can be linked to the fact that consumers are unable to confirm their own safety. In such a situation, it is not enough to thrust upon consumers reassurance alone.
著者
小山 良太
出版者
富民協会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.421-430, 2013-03-25
参考文献数
14

2011年の3.11から2年が経過しようとしている。福島県は津波・地震に加え原子力災害とその延長上にある「風評」問題に晒され続けている。事態は収束するどころかある面では拡大していると言っていいかもしれない。福島県農業における原子力災害の影響について,全国的な報道は減少しているし,本当の現状はあまり伝わっていないと感じている。先日も東京で行われたある会議で,「放射能に汚染されているのに農業を続ける福島の農家は身勝手だ」との発言を受け,怒りどころかただ落胆した。いわゆる風評被害である。風評被害という言葉を文字通り解釈すると本当は安全なのに噂を信じて買わない消費者が被災地の農家に被害を与えているという意味になる。果たしてそうだろうか。消費者も含め放射能汚染対策の不備に翻弄されるものすべてが被害者である。原発事故の影響で放射性物質が拡散した地域は福島県に限らない。しかし2年経った今でも,各農地の放射性物質含有量は測られていない。政府による詳細な放射能汚染マップが未だに作成されていないのである。検査体制も出荷前・流通段階でサンプル検査(福島の米のみ全袋検査)をするという体制であるが,店舗で売られている農産物そのものの放射性物質含有量はわからない状況である。事故後,筆者はチェルノブイリ原発事故で汚染されたべラルーシの農業調査を2回実施した。ベラルーシでは農地の汚染マップをもとに汚染度の高低に合わせてサンプル数を変える。または栽培する農産物を変える(新産地形成)などの対策をとることで検査体制の精度を上げていた。これにより基準値を超える農産物は流通しなくなり,生産段階でもゼロベクレルにちかい営農が可能になっている。このような対策を施して初めて信頼関係が再構築され,それが安全性の確認,安心感に繋がるのである。すなわち風評被害の解消には,放射能汚染の損害状況の確認(農地の汚染マップ)と安全検査体制の体系化(汚染度に合わせた対策)が必要であり,これには農家やJA,自治体の自助努力だけでは太万打ちできない。政府の唯一の役割と言っていい放射能汚染問題に関する法令の整備が未だになされていないのである。そこで本稿では,放射能汚染地域における農産物の生産・流通段階の安全検査に関して,ベラルーシ共和国と日本の対応を比較検討した上で,農地の汚染マップ(作付可否認証制度)と安全検査体制に関する4段階検査モデル((1)全農地汚染マップ,(2)農地・品目移行率,(3)出荷前本検査,(4)消費地検査)を提示する。このような体系立てた現状分析がなされない限り実践的な復興計画(除染計画を含む)の策定は不可能であり,汚染地域における混乱の最大の原因はこの点にあるといえる。
著者
小山 良太
出版者
福島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

農地の汚染マップは、避難指示や解除、除染、農業対策などに関して、分野横断的に活用できる政策立案の基礎資料となる。生活圏における放射線量が可視化されたマップは、地域住民が、今の暮らしの中で少しでも外部被ばくを減らす方法を考える判断材料として用いることができる。実態調査を行うにあたっては、①復興庁が総合的な管理を行う、②被害レベルが高い地域から順次作成、③被害レベルに応じて更新頻度を設定、④経費を抑えた簡易な手法を採用し予算確保、⑤実測は行政・研究機関・民間企業・地域住民の持てる力を最大限活用することが重要である。
著者
柳村 俊介 紺屋 直樹 吉野 宣彦 泉谷 眞実 東山 寛 相原 晴伴 吉野 宣彦 相原 晴伴 泉谷 眞実 小山 良太
出版者
宮城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

農業経営の収益性低下と高齢化による農業投資環境の悪化、急激な経営規模拡大、一般企業の農業参入といった傾向がみられるなかで、本研究では、新たな投資主体の形成という視点から地域農業の担い手のあり方を検討した。家族経営に代わる集落営農、農業法人経営等の経営体による農業投資が期待されるとともに、現状では萌芽的な動きにとどまるものの、経営体と分離した投資主体の形成を展望すべきことを明らかにした。