著者
小金丸 正明 池田 徹 宮崎 則幸 友景 肇
出版者
社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.208-220, 2009-05-01
被引用文献数
2 3

実装応力に起因するnMOSFETのDC特性変動を,ドリフト拡散デバイスシミュレーションにより評価する手法を検討した。応力効果をデバイスシミュレーション上で取り扱うための電子移動度モデルを検討し,実験結果との比較からその妥当性を検証した。この移動度モデルでは,応力によるSi伝導帯エネルギ変化,および伝導帯エネルギ変化によって引き起こされる電子存在確率と散乱確率の変化を考慮した。このシミュレーション手法を用いて,QFP樹脂封止にともなうnMOSFETのDC特性変動を評価した。その結果,実験で得られたドレイン電流の変動,しきい値電圧の挙動および相互コンダクタンスの変動を再現することができた。
著者
佐藤 倬暢
出版者
社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.282-288, 2001-07-01

21世紀はマルチメディア機器が広く一般に使われる高度情報化社会になると思われている。このような高度情報化社会の実現を支える基盤技術の1つはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の集積化である。すなわち, 電子システムインテグレーションという新しい概念で, Si基板をベースに電子回路だけではなく, センサやアクチュエータなどが混在一体となった素子の実用化である。今日のMEMSでは信号遅延と発熱を抑える問題がクローズアップされ, 低抵抗Cuの埋め込み配線(Damascene)や低誘電率層間絶縁膜, 配線を極小化する3次元実装などの検討が精力的に行われている。ウエハレベル3次元実装での問題は, 積層時の層間配線である。これまでの積層基板では貫通電極上にインナバンプを設けて, そのバンプで結線していた。しかし, バンプ形成時にその高さを均一に作ることは困難で, 研磨して高さを揃えているのが現状である。この問題を解決するために, 基板を数枚3次元方向に積層した後, 基板間を溶融金属吸引方式で配線する技術を開発し, バンプレスでの結線に成功したので紹介する。
著者
宮崎 政志 井田 一昭 宮崎 正和 猿渡 達郎 横田 英樹 小林 浩之 濱田 芳樹 杉山 裕一 新井 理恵 中村 裕紀
出版者
社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.298-304, 2007-07-01
被引用文献数
1

近年の電子機器には,小型化,高機能化および高速化が要求されている。一方,実装枝術には,これら電子機器の要求に対処するために,さらなる高密度化が要求されている。しかしながら,従来のプリント配線板上への2次元的な部品の高密度実装には限界がきており,樹指基板内に3次元的に部品を配置する部品内蔵技術が注目されている。われわれは,部品内蔵技術としてEOMIN(Embedded Organic Module Involved Nanotechnology)を開発した。EOMINの特徴は,銅コアに形成したキャビティ内に電子部品を内蔵させることと,銅めっき技術により内蔵した電子部品と電気的な接続を取る点てある。EOMINによるモジュール構造では,シミュレーションによる検討結果から,発熱量の大きな電子部品を内蔵したときに,発熱した熱を銅コアに拡散させ,効率的にマザーボード側に放熱できることがわかった。また,銅めっきを用いた内蔵部品との接続は,従来のはんだによる接続と比較し ヒートショック時の銅の塑性歪量が小さく,信頼性の高い接続技術であることがわかった。今回,われわれは,次世代の高密度実装技術としてEOMINを紹介する。