著者
津久井 英喜
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
シンポジウム
巻号頁・発行日
no.27, pp.13-18, 1992-05-12

価値の多様化がもたらした物流の「多頻度化・小口化」は、「労働力不足時代」の到来によって敢えなく暗礁に乗り上げました。物流は今、崖っ淵に立たされパンク寸前の状況にあります。労働力、エネルギー、土地、交通インフラ、環境問題…・、いずれの点から見ても、物流の将来に明るい展望を描くことは極めて難しいことであります。この状況を突破する為には、これまでの物流の"基本的な枠組み"を変えることしかありません。《共同化》は、《情報化》とともに、物流パラダイム変革のキーワードとなるはずです。流通コストの負担能力が極めて低い日用品雑貨業界で進行中の「業界レベルでの本格的な物流共同化の試み」について、推進当事者の立場からご報告をしたいと考えます。
著者
小野 潔
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
シンポジウム
巻号頁・発行日
no.55, pp.13-22, 2006-03-13

1.日本の金融業ではこの10年間でデータマイニングが広く使われるようになった。金融業がデータマイニングを適用する分野は,与信審査,リスク解析,CRMの3分野である。特にモデル与信の分野ではデータマイニングが不可欠な存在になった。2.日本の中小企業はおよそ500万社存在するが,企業情報ベンダーが提供する格付やスコアは最大120万件,予測倒産率に至っては高々42万件にすぎない。評点は,調査員の主観も部分的に入る相対的な指標であるため,統計に基づく与信やポートフォリオ管理に利用しにくい。3.本研究は,企業情報ベンダーが提供する約42万件の予測倒産率から,倒産モデルを再構築(Re-Construct)することである。企業情報ベンダーの倒産モデルは未公開のため,モデルを再構築し,構造を推定することは中小企業の与信フレームを考えるうえで重要なことである。4.再構築(Re-Construct)アプローチによるモデル開発は,企業情報ベンダーから提供された倒産率を目的変数に,企業情報を説明変数とし,モデル構造を推定する方法である。ターゲットは予測倒産率χ%以上を負事例,χ%未満を正事例にする。再構築モデルを安定化するために,バギング学習により複数の決定木の平均値を予測倒産率とした。5.再構築モデルはCap50値が70%前後,倒産格付とのスピアマン相関が0.70であり,ビジネス利用に可能な精度を有した。この再構築モデルに企業情報を当てはめることで,中小企業約120万社の予測倒産率が得られた。今後は,中小企業の信用リスクの統計的コントロールへの応用が期待できる。
著者
木治 潤一
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
シンポジウム
巻号頁・発行日
no.42, pp.36-43, 1999-09-19

サービスシステムのスケジューリングとして,エレベーター群管理を紹介する.エレベーターサービスの特徴を説明し,運行スケジューリングにおける基本的な考え方を述べる.さらに,実際に導入されている工夫についても解説し,今後の展望を述べる.