著者
山田 光穂 福田 忠彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.714-722, 1989-07-20
被引用文献数
6 1

広視野大画面画像から受ける画面効果の基礎データを得ることを目的として, 静止した視標間を注視点が移動するときに生じる視線の動きと頭の動きの機能の分担の関係を求めた.実験は, ±60°, ±16゜の大小2つの視標ボードを用い, あらかじめ指定した角度差毎に視標を順に注視させる場合と, ランダムに次に見る視標を指示する場合のそれぞれ2種類の実験を行った.大画角に順に提示される視標を注視する場合, 視標間の角度差が大きくなると頭の動く割合が大きくなり, 10°以上でその割合が65%前後で飽和するが, ランダム提示では, 飽和して一定値となるのは60°以上の大きな角度差からである.また, 小画角で順に注視させた場合にも, 視標の角度差とともに頭の動く割合に最小値の生じる角度差があり, 大画角の場合と見方に違いのあることが示唆された.