著者
武井 俊幸
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.476-482, 1989-05-20

ハイビジョンを都市の生活空間に導入して, 地域の活性化とハイビジョンの普及を図るハイビジョン・シティ構想について, ハイビジョン・シティ構想懇談会の報告を中心にその理念と目標, 課題と推進方策等, 構想の概要を述べる.
著者
二宮 佑一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.129-135, 1981-02-01

高品位テレビの信号をディジタル信号に変換する目的のA/Dコンバーターを開発した.方式は, 3段の直並列形で, 各部で発生する直流ドリフトを除去する安定化回路を持っている.試作器は, 入力周波数24.3MHzにおいて正常に動作する等, 総合的に見て, 高品位テレビ用A/Dコンバーターとして充分使用し得るものである.
著者
藤井 哲也 安田 孝美 横井 茂樹 鳥脇 純一郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1331-1338, 1995-10-20

本論文では, 仮想3次元空間内で運動する仮想振り子とのインタラクションのためのモデルについて報告する.本研究では, 本モデルの適用例として2種類のインタラクション, すなわちバッティングインタラクション(ラケットで振り子を打つ)とけん玉インタラクション(振り子につながった皿を動かし, その上に振り子を乗せる)を実現した.このような現実世界を支配する力学法則に従う物体とのインタラクションをインプリメントするため, 放物運動, 振り子運動, たるんだひもの動き, および物体どうしの衝突後の跳ね返りのためにモデルが必要となる.これらの物理法則に基づいた運動の計算に必要な処理時間の短縮のため, 動きの近似モデルを開発した.
著者
佐藤 甲癸 樋口 和人 勝間 ひでとし
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.873-875, 1991-07-20
被引用文献数
11

本論文では動く物体に対するホログラムの作成・伝送およびその像再生を行うホログラフィテレビジョンの実現に向けて基礎実験システムを作成し, その特性について検討を行った.すなわち, 動画像として文字物体を用いて, 平面参照光との干渉によりテレビジョンの受光面に直接ホログラムを作成し, 次にそれを電気信号に変換した後にテレビ信号の伝送系を用いて伝送し, 液晶表示デバイス(LCD)を用いて実時間で再生像を得ることができた.また, 文字物体を動かすと再生像の位置もほぼリアルタイムに移動することを確認した.さらに, 空間フィルタを用いて0次透過光および高次回折光を取り除くことができた.これらの結果から, ホログラフィテレビジョンの基礎的な動作を確認でき, 本研究の有効性を明らかにすることができた.
著者
生岩 量久 中 尚 宮崎 徹郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.523-527, 1993-04-20
被引用文献数
14 1

ディジタル音声信号から, 直接振幅変調波を得ることのできる出力1kWの新方式(ハイブリッド変調方式)中波ラジオ送信機を開発した.ハイブリッド変調方式とは, 大まかな振幅情報をあらわすスイッチング型電力増幅ユニットと細かい情報をあらわすアナログ型電力増幅ユニットを電力加算して振幅変調波を得るもので.変調増幅器が不要であるため, 信頼性が高く, 高効率(85%以上)で, 高品質であるなど, 多くの利点をもっている.本送信機は, エンコーダ部, 16台のスイッチング型電力増幅ユニットと1台のアナログ型電力増幅ユニットからなる電力増幅部, 電力加算部, およびBPF(帯域ろ波器)部から構成されている.音声信号はA/D変換器により12ビットのディジタル信号に変換されたあと, 大まかな振幅をあらわすMSB側と細かい情報をあらわすLSB側グループに分けられる.MSB側ビット(4ビット)の情報に応じて選択されたスイッチング型電力増幅ユニットと, LSB側ビット(8ビット)の情報に応じて振幅変調されたアナログ電力増幅型ユニット出力を合成することにより, 振幅変調波を得る.このように12ビットのうち下位8ビットをアナログ処理することにより, 数少ないユニット数で構成できる.本変調方式の採用により, 送信機の総合効率は85%以上となり, 従来に比べて25ポイント向上させることができたほか, S/N比は72dB以上, 歪み率は0.4%以下(80%変調時)と良好な特性を得ることができた.
著者
家 正則 高遠 徳尚 市川 伸一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.147-152, 1990-02-20
被引用文献数
2

天文学の世界では量子効率の高いCCDカメラが伝統的な写真乾板に今や取って代わろうとしている.観測天文学で用いるCCDカメラの特徴と性能について, 国立天文台や東京大学理学部木曾観測所での実例をもとに紹介する.
著者
倉重 光宏
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.401-407, 1983-05-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
9

本論文は, 低速度のビームランディングに固有のセルフシャープニング効果が撮像管の解像度決定にどう寄与するかを明らかにすることを目的として, 同効果を支配する代表的な3つのパラメーターである, ターゲット蓄積容量, 信号電流, 走査線ピッチを選び, その影響を実測, および筆者が確立した解析理論により検討したものである. その結果, (i) セルフシャープニング効果は上述した3つのパラメーターに顕著に依存し, 例えば代表的な撮像管の設計に見られる蓄積容量数千pFのターゲットに対して数十%の解像度改善をもたらすこと, (ii) しかし, 本効果は蓄積容量が3000pF以上の場合や信号電流が数10nA以下では消滅すること, また (iii) 走査線本数を適度に増やすと本効果によって垂直解像度が顕著に改善されることなどが実測, 理論とも一致した結論として得られ, 今後の撮像管設計や撮像管の使いこなしに必須の貴重な指針が得られた.
著者
佐々木 信之 並川 巌
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.1230-1239, 1991-10-20
被引用文献数
6

マラソン中継において, 現場から送られてくる映像信号を処理して計測, カメラ制御を行うシステムを構築した.このシステムは計測用の特殊な映像を用いることなく, 通常の放送用の映像を処理してマラソンランナーのピッチ周波数を計測し, さらに, 中継用カメラのリモート制御を行うものである.このために必要な画像処理は, 2値変換, 面積計算, 動きベクトル検出, クロマキー, 縮小拡大, 領域検出, FFTなどであり, 汎用映像信号処理システム-Picotシステムを使用して実現した.Picotの持つ汎用性のため, 必要とされる各種処理を極めて短時間に効率良く開発することができた.
著者
森 晃徳 佐分利 柾寿 斎藤 泰一 山本 和彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.1583-1588, 1991
被引用文献数
5

約5〜60秒以下の短期記憶の容量は, 感覚や対象の種類によらずほぼ一定7±2で, 魔法の数7±2と呼ばれている.ここでは, 10〜60分以上の長期記憶の一種である近時記憶においても, 魔法の7±2を限界とする現象が存在することを未知の経路の認知地図に関して明らかにした.まず, 分岐点数が7,8,9,12,13,14の6個の経路の位相構造(分岐点群とその出現順序)の把握の実験を行い, その限界が分岐点数約8であることを示した.続いて, 1つの経路をいくつかの区間に分割してランダムに提示し, それを正しい順序に並べ換えるという1次元ジグソパズル的実験を行った.そして, 並べ換え可能な限界が, 分割数7と10の間にあることを明らかにした.また, 経路の位相構造を把握できなくなると, 作図された地図の形にどんな変化が生じるかを単調順行率なる量を導入して調べたところ, 地図の形に一定の偏りが現れることを明らかにした.前者の結果は, 魔法の数7±2が, 脳における情報表現の基本構造を反映している可能性を示唆し, 後者は, 定型の振舞いをするデフォルトシステムの存在の可能性を示唆していると考えられる.
著者
宮原 誠 吉田 育弘
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.1129-1136, 1989-10-20
被引用文献数
46 7

カラー画像処理や符号化の研究は, (1)信号を人間の色知覚の3属性(Hue, Value, Chroma)にもとづく均等知覚空間上で, (2)処理誤差を実際に知覚される色差と関係づけて扱うことが有効である.この目的で用いる均等色空間として, 色差が定義されている(H, V, C)マンセル色空間を用いることとした.しかし, CIE(1976)L^*a^*b^*色空間にもとづく(R, G, B)↔(H, V, C)データ相互変換は精度が低く, また変換表を用いる方法も, 表を内挿する必要があるなど, 実用上の支障が多い.そこで本論文では, MTMと名付けた数学的(R, G, B)→(H, V, C)データ変換方法を提案する.MTMは, ある仮定した変換関数の未定係数を, カラーテレビの色再現範囲から均等にサンプルした250の代表色にもとづく重回帰分析によって決定したものである.また, ニュートン法を応用した逆変換の方法を示した.最後に, MTMとこの逆変換法を組み合せれば, 充分精度良く, かつ, 簡単に(R, G, B)↔(H, V, C)データ相互変換が行えることを確認した.
著者
平井 正一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.82-86, 1978-02-01

昭和52年3月5日, , 技術試験衛星「きく2号」が東経130°に見事に静止した.本文は, この「きく2号」の機能および打ち上げについての概要を紹介し, あわせてこれにつづく静止気象衛星GMS, 実験用中容量静止通信衛星CS, 実験用中型放送衛星BSおよび実験用静止通信衛星ECSの開発の概況を述べる.