著者
伴野 明 鉄谷 信二 岸野 文郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.867-875, 1993-06-20
被引用文献数
4

指示入力に用いられているマウス操作をより効率的に行う方法として, マウス操作に加えて視線検出をカーソル表示に用いる指示入力法を提案している.この方法の特徴は, 検出された注視点位置にカーソルを発生させ, このカーソルが目標とする場所に入ればマウスにあるボタンを押し, 外れた場合には補助的にマウス操作を用いカーソルを移動させて目標場所に入れることにより, 指示の高速化を図ることである.本手法の有効性を調べるため, 実際にワークステーションで用いられているマルチウィンドウを考慮した表示画面を用いるなど, 実用に合った方法で評価実験を行った.指示入力時間, 誤り率, 注視点の軌跡について分析した結果, 本指示入力法は, 視距離60cmにおいて視線検出誤差が3度以下であれば, マウスのみによる指示入力法に比べて, 指示時間が短く, また, カーソルの発見および操作に関しても, 共に良い主観評価を得た.さらに, 指示入力時の注視点の軌跡を分析し, 主観評価を裏付ける結果を得た.
著者
池田 宏明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.104-105, 1992-01-20
著者
門條 由男 田村 久男 新倉 輝雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.8, pp.705-706, 1985-08-20

NHKでは, ビデオマットの開発により新しい映像合成手法で, 昨年の大河ドラマ「山河燃ゆ」から番組制作を行っている.この合成手法は, 番組演出上および制作経費節減に多大な効果をもたらした.その特徴と番組制作の方法について述べる.
著者
妹尾 宏 加井 謙二郎 磯部 忠
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.336-343, 1995-03-20
被引用文献数
8 3

マルチメディア情報を対話的に表示する新しい放送サービスの基本機能を検討する.これは, ニュースなどの最新情報を, いつでも取り出して視聴できる放送システムである.ハイパーリンクで結合した情報をレイアウト構造および論理構造の両体系で構造化し, ハイビジョン, パソコンなど様々な表示装置で, 詳細な情報や関連する番組をインタラクティブに視聴できる.また, ユーザフレンドリーなサービスを実現するため, インデックスデータも放送する.インデックスデータは, 受信者の情報アクセスを支援するメニュー表とキーワード表, 各番組ごとのジャンルやキーワードから成る.インデックスデータを自動的に生成する手法も検討する.基本機能の検討を踏まえ, 衛星放送データチャンネルを利用する実験システムを開発し, 放送システムとしての実現性を検証する
著者
篠田 信比古
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.374-379, 1987

銀塩カメラにおける電子化の内容を, 歴史的な流れの中で位置付けて, 電子化の度合いの高い一眼レフカメラを例にとって, 自動露出, 自動焦点の簡単な技術的背景を紹介し, 最近の話題と動向を解説する.
著者
志和 新一 大村 克之 岸野 文郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.570-576, 1996-05-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
24
被引用文献数
4

To realize 3D displays that do not cause fatigue, a binocular display with accommodative compensation is proposed. The depth of an experimental display is controlled by the Z-buffer value of the center pixel of a CG image. The virtual display image is moved by back-and-forth movements of relay lens. Using this display, the sensation of image sharpness and ease of stereoscopic fusion are improved.
著者
宮里 勉
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.1003-1009, 1985-10-20

最近になって, 従来の電話にない視覚情報の伝送機能を付加した, 新しいタイプの通信メディアの実用化が発表されている.それらの新しいメディアのひとつに電話回線を用いた, 音声と手書き線画の同時伝送用線画符号化方式がある.本論文では, 手書き線画の標本化された座標の符号化において, 過去の標本点からの相対座標を複数の領域に分割して符号化するリング状領域選択型DPCM方式について検討した.そして, リング状に分割された領域ごとに可変長符号を割り当てることによって, 符号化効率の向上が得られること, および手書き過程での筆記速度の変化の符号化効率に対する影響についても検討し, 方式の有効性を理論的に明らかにした.また, この結果を基にシミュレーション実験を行い, 領域分割を考慮しない従来の方式に対して約15%の符号量削減効果のあることを明らかにした.

1 0 0 0 1995 ICCE

著者
真野 義純
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.936-937, 1995-07-20

ICCE'95(International Conference on Consumer Electronics)が, 6月6日〜9日の4日間, シカゴで開催された.今年から夏季CESはなくなったがこの影響もなく, 参加者は昨年をやや上回る約550人が参加するなど, むしろ, 活気が戻りつつあると感じられる.国別の発表件数は, 表1の通り.ここ2〜3年前から韓国, 台湾からの発表が活発になっているほか, 今年はATV関係などを中心に米国企業からの発表件数も復活してきた.
著者
宮内 良一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, 1990-07-20

第68回NAB(National Association of Broadcasters)大会が, 1990年3月31日〜4月3日まで, アメリカ合衆国ジョージア州アトランタのジョージアワールドコングレスセンターにて開催された.今回その民放連ツアーに参加したので報告する.今回の参加人員は約50000人, 海外からは約6000人.約15万m^2の会場に700以上もの業者が出展していた.〔NAB会長 エディフリッツ氏の挨拶〕この10年間を振り返ってみると, 1980年初めには, VCR(家庭用VTR)はなかった.しかし現在では, 2/3以上の家庭がVCRを持っている.またケーブルテレビも, その頃には出始めのため政府の保護を受けなければならなかったが, 今ではすっかり安定している.1980年代には, 技術の進歩に伴い放送界は大きく変化した.海外の放送事業者との関係が一段と密接になり, 災害や事件の時には世界のどこであろうとも一番先に飛んで行き, 世界中にそのあり様を"生"で映し出してみせた.我々放送業界は, CATVに対抗してフリーでこれらのサービスを行ってきたし, これからもそのようにしていかなくてはならない.しかし, その前には大きな波が押し寄せてきている.皆で力を合わせ, 共に立ち向かっていかなければならない.CATVもさることながら, 我々"Free TV"の果たしている役割はずっと大きいし, 国会もそれなりの法律を制定し, 我々に協力すべきである.CATVとは, 法律の規制を同じにし, 公平な立場で競争させてほしい.今後, アメリカおよび日本の民放は, ローカルサービスに励み, 地域社会に密着したサービスを充実していかなければ生き残ってはいけないだろう.
著者
坂口 竜己 大谷 淳 岸野 文郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.1060-1067, 1995-08-20
被引用文献数
35 8

従来の人物顔表情認識では, 静止画像の複雑な処理が必要であった.これに対し, 静止画像内の特徴と, 時系列の特徴を統合して認識率を向上させる検討を行った.画像内特徴には, 雑音や撮影環境に比較的ロバストな周波数特性として, ウェーブレット変換により得られる帯域内平均電力を用いている.時系列処理には, 信号系列を時間的変化の特徴によってカテゴリー分類する際に有用な隠れマルコフモデル(HMM)を採用し, 学習による認識を行っている.また特徴量の量子化には, 表情のように認識対象カテゴリー間の類似度が高い場合に, 有効なカテゴリー別VQとカテゴリー外コードワード選択追加によるコードブックの作成を提案する.これにより, 特定被験者の4表情の認識実験では, 平均93.7%の正答率が得られた.
著者
麻殖生 健二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.440-447, 1983-06-20

ディジタルオーディオ装置では高精度DAおよびAD変換器が必要である.このため従来, 技術的に実現困難であった16ビット程度の変換器が, 種々の新しい高精度化方式の開発によりモノリシックIC化され, 民生用ディジタルオーディオ用として, 性能的にほぼ問題のないレベルに達している.ここでは, 主としてこれらIC化AD, DA変換器について述べる.
著者
内田 龍男 片岸 智之 小野寺 政信 柴田 幸男
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.984-990, 1986-10-20
被引用文献数
2

先に提案したマイクロカラーフィルタ型フルカラー液晶ディスプレイ(LCD)は多くの研究開発者の努力ですでに実用レベルに達しているが, 一部でバックライトの消費電力が重要な問題となっている.そこで本研究では, このバックライトを取り除いた反射型マルチカラーLCDの実現の可能性を検討している.まず, 各種の表示モードを検討し, 明るさとコントラスト, アクティブマトリックスとの適合性などの点から相転移型ゲストホストモードを採用した.次いでこの電気光学的特性の理論解析を行い, パラメータの最適化をはかった.さらに, その設計条件に基づいて実際にパネルを試作し, 従来の白黒表示のTNセルとほぼ同程度の明るさのマルチカラーLCDが実現できることを示した.
著者
宮原 誠 名塚 悦郎 吉田 育弘 中川 匡弘
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.905-911, 1985-10-20
被引用文献数
1

人間の色彩感覚を適確に表現し, かつその尺度を均等に表現する表色系であるマンセル(HVC)表色系に注目し, カラー画像の伝送時に生ずるひずみを色知覚の許容限以下にするような色立体分割方法を考案した.また, 量子化された色情報の代表値を予測符号化する伝送方式を検討した.この結果, エントロピー約3.5(bit/pixel)で, ほぼ満足できる画質の画像を伝送できた.色感覚をあらわすH, V, Cは互いの独立性が良いので, Y, I, Qと比較した場合, 色情報を無駄なく符号化することができ, また輪郭部の情報損失も少なくできるなど, 多くの利点がある.