著者
木村 知宏
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.23-33, 2015

本研究では、情動・覚醒質問紙と唾液中コルチゾール、心拍数を用いて、デジタルゲームの異な る要素が感情経験と生理反応に与える影響についての検討を行う。大学生30名を対象として実験が行わ れ、唾液の採取と質問紙による主観的反応の測定がゲームプレイ前後に 2 回ずつ行われた。実験参加者 は、対戦格闘ゲームの操作技術を学習するゲームモード、またはコンピュータと対戦するゲームモード、 ゆっくりと村での生活を楽しむゲームのいずれかをプレイした(各ゲーム内容をプレイした群を、それ ぞれスキル学習群、対戦群、統制群とした)。その結果、コルチゾール分泌量と心拍数においてはゲー ム内容の違いによる差は見られなかったが、主観的反応において差が見られた。反応速度を要求するゲー ムの要素は、緊張感と活力感を生起させることが示された。
著者
鎌倉 哲史 七邊 信重 馬場 章
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.13-18, 2011

MMORPGの歴史授業への活用について検討した鎌倉・富安・馬場(2009)において、ゲームを 1 人で自由に遊ばせる授業デザインよりも、グループ課題を課し成果を発表させることでゲーム内体験をクラス全体で共有していく授業デザインの方が効果的であることが示唆された。そこで本研究では、授業参加機会の平等性の観点から、より優れたゲーム課題群の授業デザインの検討を研究課題として実験 1 、及び実験 2 を実施した。その結果、ゲーム内の課題についてスライドの作成と発表を課したスライド群は、事前と比較して事後に社会的スキル、学校生活満足度、歴史関心度の各尺度得点 が有意に大きく向上していた。また群間の比較では、通常の歴史授業を受けた統制群と比較して、スライド群の歴史関心度の変化量が有意に大きいことが分かった。