著者
高山 正也 神村 昌代
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.43, pp.15-27, 2001-11-30

日本におけるナレッジ・マネジメント (Knowledge Management, KM) 論は組織内に帰属させるべき知識を顕在化させ、新たな知識を創造するという抽象的定義を具体化する段階で、情報処理のハードやソフトの各メーカーの営業戦略により、知識の管理ではなく、MIS以来続くデータ処理システムに変質・変容をさせられた側面がある。このことは雑誌記事に現れたナレッジ・マネジメント論にも影響し、アメリカの後追いで現れたナレッジ・マネジメント論がアメリカの状況を素直に受け入れず、情報技術や既製のシステム導入にこだわり、組織における知識創造という本来の目的を喪失し、国際的な標準にも必ずしも合致していない実態を明らかにしている。
著者
杉山 和稔 高尾 肇 大内 仁 松原 望
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.45, pp.1-9, 2002-11-30

高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、倫理的側面からの配慮の重要性が近年議論されており、そのひとつのオプションとして、将来世代に向け地層処分に関する情報を保存・伝達する方策を検討した。廃棄物の有する放射能が一定のレベルまで低減する期間の考察から、将来千年後程度までは地層処分の詳細な情報を文書で残すことを考えた。さらに約千年後を過ぎても引き続き放射能は残ることから、地下の処分場の存在をマーカーやモニュメント等によって伝えることを考えた。文書記録を長期間保存するために、より耐久性があり、かつ保存環境への依存性が低い記録保存媒体を検討した結果、ファインセラミクスのうち耐食性及び耐磨耗性に優れた炭化ケイ素が、記録の長期保存媒体として有望な材料であることが示された。