著者
小形 美樹
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.64, pp.20-32, 2013-03-31

東日本大震災では組織も個人も多くの記録を失った。しかし、組織の場合は何らかの形で完全とはいえないまでも記録を復旧することが可能であった。一方、個人の多くは自分に関する記録を管理しておくという習慣がなく、震災後に記録を作成・管理することの重要性や必要性に気づかされた。本稿では、東日本大震災の事例を踏まえつつ、個人記録の管理の重要性と課題について述べる。
著者
中臺 綾子
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.64, pp.33-48, 2013-03-31

本稿は、2009年に英国にて公開された『ビジネスアーカイブズに関する全国的戦略(イングランドおよびウェールズ版)』(以下『戦略』)の試訳を通して、英国におけるビジネスアーカイブズの現状を学び、長所・短所を導き出すことで、日本社会においてビジネスアーカイブズ発展のために何が必要であるかを検討することを目的としている。『戦略』はビジネスアーカイブズの発展を推進するために、目標を立て、現状把握を行い、目標に向かってどの組織がどのような行動をとるべきかを明確に示す画期的な取り組みである。『戦略』の分析を通して、日本において欠けているビジネスアーカイブズ発展の明確なイメージの創出と共有、そしてそれを支える関係団体の組織力の重要性を示す。
著者
小形 美樹
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.64, pp.20-32, 2013-03-31

東日本大震災では組織も個人も多くの記録を失った。しかし、組織の場合は何らかの形で完全とはいえないまでも記録を復旧することが可能であった。一方、個人の多くは自分に関する記録を管理しておくという習慣がなく、震災後に記録を作成・管理することの重要性や必要性に気づかされた。本稿では、東日本大震災の事例を踏まえつつ、個人記録の管理の重要性と課題について述べる。
著者
嶋田 典人
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.64, pp.3-19, 2013-03-31

公文書は現用文書から非現用文書となり、役所の各課(原課)からアーカイブズ(文書館)へ移管され、組織内アーカイブズとして、古文書は個人等からアーカイブズ(文書館)へ寄贈・寄託され、収集アーカイブズとして保存される。公文書や古文書の歴史公文書等の的確かつスムーズな移管や寄贈・寄託、その後の利用促進のための普及活動のよりよいあり方について考察するものである。
著者
嶋田 典人
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.64, pp.3-19, 2013-03-31

公文書は現用文書から非現用文書となり、役所の各課(原課)からアーカイブズ(文書館)へ移管され、組織内アーカイブズとして、古文書は個人等からアーカイブズ(文書館)へ寄贈・寄託され、収集アーカイブズとして保存される。公文書や古文書の歴史公文書等の的確かつスムーズな移管や寄贈・寄託、その後の利用促進のための普及活動のよりよいあり方について考察するものである。
著者
古賀 崇
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.62, pp.57-72, 2012-05-18
被引用文献数
1

政府情報、とりわけ電子的なものについての管理・保存・公開(アクセス提供)に関する独自の取り組みを行っている、米国アリゾナ州立図書館・文書館・公的記録局(ASLAPR)の活動につき、訪問調査にもとづき考察を行った。ASLAPRの独自性、特に「図書館・文書館・記録管理機能の融合」が顕著に現れているのは次の2つと言える。(1)「出版物」としてのウェブサイトについて「主題」ではなく「出所」をベースに管理・保存を行う「アリゾナモデル」の実践。(2)電子的な記録を「1点もの」ではなく「多数の複製をもつもの」として管理・保存を図るPeDALSプロジェクト。本稿ではまた、米国内の州立文書館・図書館の位置づけも参照しつつ、ASLAPRの取り組みの意義と課題を論じた。
著者
村岡 正司
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.62, pp.39-56, 2012-05-18

公文書等は、まさに"行政ノウハウの情報ストック(=無形資産)"であり、技術力のみならずその無形資産の活用による国際競争力強化のための社会的共通資本ともいえる。本稿では、公文書等の管理は、"無形資産"をいかに活用できるようにするかの視点で、今後の自治体の文書管理改善の課題とその方策について、自治体の実情に合わせた対応方法を検討した。
著者
城下 直之
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.62, pp.23-38, 2012-05-18

1990年代に資料・情報を活用する(情報リテラシー)教育が注目された。人は知識があれば、知識を借りて物事を処理・解決する。その為に自由思考が不足し、新しい創造に結びつかない。そこでインフォメーションよりインテリジェントという観点に立って考えると文書管理設計という言葉に行きついた。実社会で役立つ教育として、情報を収集するための方法、その情報を評価する能力、その情報を使って行動につなげる創造、行動結果を記録し次の世代に継承するニーズに付いて記述した。特に、枯れた技術記録の再生は今後の日本における新しい方向へ導くと考えている。また、教育は仕事・労働の為のものであり、余暇のためではない。そこで情報収集と活用方法を学ぶためには「勉強の仕方を学ぶ」、「友達を作る」、「酒の飲み方を学ぶ」については教育の場で必須である。
著者
坂口 貴弘
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.62, pp.3-22, 2012-05-18

1934年の米国国立公文書館設立から1950年代までの米国連邦政府における記録管理領域の拡張と変容の過程について、中心人物の一人エメット・リーヒーの活動を手がかりに分析する。国立公文書館は当初、急増する公文書の処分を促進すべく、将来生み出される文書をも対象とした処分計画の開発を支援した。大量の文書を低コストで保管・処分するための文書センターの設置もその動きと連動していた。その成果をもとに、1948年の第一次フーバー委員会の勧告は行政コスト削減の手段としての記録管理の有用性を主張する。さらに第二次委員会は文書の作成量自体の制御を強調した。この時期の記録管理における重点は、アーカイブズの保存から文書の作成へとライフサイクルを遡上するように推移し、今日の記録管理領域が成立するに至る。それは、保存すべき公文書の計画的な評価選別・移管と、各機関の文書保管コスト軽減の両立を目指したリーヒーらの提言の具現化でもあった。
著者
原田 隆史
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.44, pp.23-34, 2002-03-31

「デジタル・アーカイブ」という用語は種々の意味で使用されている。たとえば、Webアーカイブや電子美術館、データ・アーカイブなどはその例である。これらに共通するのは、デジタル形式のデータを収集し取り扱うことのみであるといっても過言ではない。本論文は、これらのデジタル・アーカイブを分類し、その具体的な例を述べるとともにデジタル・アーカイブの効果と問題点について明らかにする。
著者
児玉 優子
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.52, pp.3-11, 2006-12-18

動態画像アーカイブは、映画やテレビ番組、ビデオ作品などを収集保存し、アクセスを提供する。日本よりも早くから動態画像資料の保存に取り組んできた米国の二つのアーカイブの事例を紹介し、動態画像アーカイブとアーカイブズ学、記録管理との接点を模索する。CBSニュースアーカイブは企業内に設置された非公開のアーカイブであり、放送後48時間が経過した番組をアーカイブに移管する手法が特徴的である。また、放送した番組が訴えられるリスクを配慮して、番組製作業務の記録の保存にも注意が払われている。一方,UCLA映画・テレビアーカイブは大学に設置された非営利のアーカイブであり、学外者にも広く公開されている。動態画像資料とその関連資料が学内の複数の図書館やアーカイブに分散されてしまう「メディアの分断」の問題があるが、積極的にアクセスを提供し、次世代の動態画像アーキビストの養成にも関与している。
著者
増田 節雄
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.41, pp.38-42, 2000-11-15

アメリカのユタ州に本部を置くユタ系図協会(Genealogical Society of Utah、略称GSU)の106年にわたる歴史及びその活動について言及しつつ、その家系図調査において収集した膨大な史料の有功活用の道を探る。さらに、ユタ系図協会でのインターネットによる新しい家系情報の共有化の事例を、ビジネスの世界で用いられているのKM(Knowledge Management)の概念枠組を援用しながら紹介する。インターネットを媒体として個人や団体が永年蓄積してきた家族歴史情報を互いに共有することの可能性について考察する。
著者
田窪 直規
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.51, pp.48-57, 2006-03-30
被引用文献数
1

韓国では、歴史資料の収集・編纂や歴史研究などを行なう機関として、国史編纂委員会が置かれている。この委員会は、韓国の歴史資料・歴史研究関連の13機関が参加する、韓国歴史情報統合システムを、実質上運営している。このシステムは、念入りな組織化によるデータ蓄積と、検索機能の充実という特長を有しており、図書館情報学の専門家が、その開発に関与している。日本では、ある専門分野の情報(検索)システムは、その分野の専門家とコンピュータの専門家で開発される傾向にあるが、韓国歴史情報統合システムのような、充実したシステムは少ない。今後は、図書館情報学やこれに類する分野の専門家が、このようなシステムの開発に関与することが望まれる。