著者
三枝 令子
出版者
一橋大学
雑誌
一橋大学留学生センター紀要 (ISSN:1348768X)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.17-28, 2005-07-27
著者
劉 時珍
出版者
一橋大学留学生センター
雑誌
一橋大学留学生センター紀要 (ISSN:1348768X)
巻号頁・発行日
no.12, pp.59-71, 2009

中国の日本語教科書には例文が不自然なものが多いと言われている。しかし、どこが不自然か、不自然な原因は何かという研究はほとんどなされていない。本稿では、中国で出版されている『新編日語』という教科書の中の副詞の例文を調査データにし、副詞の使用が不自然になる場合について調査を行い、副詞の問題点を探った。本研究では、調査を2段階、すなわち自然さに関する母語話者の判断という調査Ⅰと、不自然さの原因の究明という調査Ⅱに分けて行った。その結果、副詞を説明する例文は述語との共起関係に配慮しながら提示される一方、副詞と例文そのものとの間に文体上・意味上などの整合性の面で齟齬が見られ、副詞の例文の不自然さの原因になっていることが明らかになった。また、調査結果に基づき、どの副詞に特に文体上の問題が多いか、どの副詞に特に意味上の整合性が足りないかをまとめ、教科書の中の副詞についてタイプ別に問題点を考察した。
著者
ツィグラー モニカ
出版者
一橋大学
雑誌
一橋大学留学生センター紀要 (ISSN:1348768X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.83-95, 1998-07-01

論文タイプ||論文
著者
有田 佳代子
出版者
一橋大学
雑誌
一橋大学留学生センター紀要 (ISSN:1348768X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.27-39, 2009-07-20

ハロルド・E・パーマーの理論と方法の受容の、日本における英語教育と日本語教育との違いについて、「実用」の語学教育という視点からの考察を試みた。パーマーの「実用」論は、英語教育そのものの存続が排撃されるような社会風潮のなかで、英語教師たちによる「教養主義としての英語教育」の主張の陰に、軽視されざるを得なかった。それに対して日本語教育においては、主として「実際家」ではない人々からの「政治性」や「文化性」がないという批判にさらされながら、会話を重視し「実用」目的で進もうとする「実際家」としての日本語教育専門家らの実用論と、パーマーの理論と方法は、基本的に整合していた。この違いについての論証を経て、日本語教授法の重要な一要素として現在まで引き継がれている「実用」性重視の思想に対し、時代の中で果たした役割を振り返ると同時に、日本語教育を取り巻く環境が大きく変わった現在にあって、その「実用」の意義の見直される必要性を論じた。
著者
三枝 令子
出版者
一橋大学
雑誌
一橋大学留学生センター紀要 (ISSN:1348768X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.15-26, 2006-07-26
被引用文献数
2
著者
石黒 圭 阿保 きみ枝 佐川 祥予 中村 紗弥子 劉 洋
出版者
一橋大学
雑誌
一橋大学留学生センター紀要 (ISSN:1348768X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.73-85, 2009-07-20

本研究は、ジャンル別のコーパスを用いて、接続表現の使用実態を調査することを目的としたものである。対象としたジャンルは、新聞の社説、新聞のコラム、学術論文、エッセイ、小説、シナリオである。調査は、(1)総文数にたいして何%ぐらい接続表現が用いられているか、(2)個々の接続表現の形式がそれぞれいくつ使われているか、という二つの観点からおこない、接続表現の多寡や連接類型に現れる各ジャンルの特徴を考察した。
著者
筒井 千絵
出版者
一橋大学
雑誌
一橋大学留学生センター紀要 (ISSN:1348768X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.79-95, 2008-07-30

外国人住民の急増に伴い、すべての母語話者が日常的に非母語話者のサポートにあたることのできる環境の整備が求められている。しかし日本語能力が充分でない非母語話者とのコミュニケーションにおいては適切な言語調整が不可欠である。本研究においては、日本語母語話者と非母語話者のロールプレイを実施し、母語話者が、母語話者向けに書かれた文章を非母語話者に説明する場合、どのように言い換えるかを調査した。その結果、日常における非母語話者との接触の頻度や関わり方によって、説明のしかたに明確な相違がみられた。日常的に非母語話者との接触が少ない人は、辞書的な意味の説明を多く行うのに対し、非母語話者との接触の多い人の説明はより具体化されていて、例示という方法が多く用いられており、情報の再構成の程度が大きいことがわかった。