著者
山野 正彦
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨 2013年人文地理学会大会
巻号頁・発行日
pp.56-57, 2013 (Released:2014-02-24)

本報告は、リオタールの「風景(paysage)の離郷depaysement」という発想を起点とした、景観と場所、場所/非場所の両義性、定着と移動についての省察である。グローバル化、メディアの膨張、技術支配による主体の危機、合理性の貫徹、時間の節約(リオタールがdevelopmentと言い表すものの要求)の思想に対応するための方策として、他者、他文化との包摂を目ざしたコミュニケーションの遂行のために、風景の離郷の発想が有効であることを提起する。これはクレスウェルのいう、モビリティをめぐる議論――定着主義者と移動主義者の場所概念の議論に関係する。この新しい発想に伴い、場所や故郷についてのこれまでの概念は再検討を余儀なくされる。グローバル化時代における、選べない恣意的条件としての「場所」や「故郷」からの脱出が企図される。レルフが「場所のセンス」として挙げた第3のものの敷衍、すなわち狭いローカリズムを脱して、地球規模での差異と相互作用に目を向けることが転換点となる。
著者
宮本 真二
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨 2013年人文地理学会大会
巻号頁・発行日
pp.58-59, 2013 (Released:2014-02-24)

日本における環境考古学は地理学研究者によって提示され,その後、日本考古学を含めてひろく認知されている.しかし,その成立過程について言及した研究は限定的である.本研究では,歴史地理学史における地形環境研究の展開と,環境考古学の成立が深く関与したことを明示する.その上で,近年注目されている,環境史,ジオ・アーケオロジー研究の可能性について検討する.
著者
山﨑 孝史
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨 2013年人文地理学会大会
巻号頁・発行日
pp.66-67, 2013 (Released:2014-02-24)

今日の領土問題について、政治地理学者ジョン・アグニューが1994年に唱えた「領土の罠」論をもとに、領域性の効果や実効主権の概念から再検討する
著者
コルナトウスキ ヒェラルド キーナー ヨハネス
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨 2013年人文地理学会大会
巻号頁・発行日
pp.74-75, 2013 (Released:2014-02-24)

単身高齢者集住地区の再生が研究対象となっていない欧米のジェントリフィケーション批判的研究を議論するため、大阪市内で最も単身高齢化問題が顕著である西成区北部におけるゲストハウス外国人宿泊者を中心にした地域の活性化の可能性を検討する。
著者
益田 理広 碓井 建哉 川村 一希 久保 尭史 柳 鍇
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨 2013年人文地理学会大会
巻号頁・発行日
pp.68-69, 2013 (Released:2014-02-24)

東京大都市圏辺縁部の居住者に対する、主としてメンタルマップを用いた地理的な帰属意識と空間認識の分析に関する発表。
著者
青山 宏夫
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨 2013年人文地理学会大会
巻号頁・発行日
pp.12-15, 2013 (Released:2014-02-24)

近世日本における世界図は、仏教系世界図、南蛮系世界図、マテオ=リッチ系世界図、蘭学系世界図などに系統分類され、とくに南蛮系世界図をのぞく三者は近世を通じて併存していたといわれている。また、これらに加えて、17世紀半ばから18世紀前半に流布した万国総図やその影響下にある世界図を、別の系統に分類する見解もある。本報告では、この点を再確認したうえで、これらの異なる系統の世界図はいかにして併存しえたかという課題設定のもと、とりわけ近世を通じて影響力を維持したマテオ=リッチ作製の世界図に基づく世界図を中心に、当時の思潮にも注意しつつ、近世日本における世界図史を検討する。また、この過程で、坤與万国全図の諸版とその写本・増補、その影響下にある刊行図などを検討することにより、坤與万国全図をはじめとするマテオ=リッチ世界図が、その東西両半球図を含めて、近世日本にいかにして受容されたかについても考察したい。
著者
佐藤 英人 中澤 高志
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨 2013年人文地理学会大会
巻号頁・発行日
pp.110-111, 2013 (Released:2014-02-24)

本研究の目的は人口減少や格差より生じる郊外住宅地の選別化を、裁判所の公告に基づく競売物件情報から分析することである。
著者
全 ウンフィ
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨 2013年人文地理学会大会
巻号頁・発行日
pp.76-77, 2013 (Released:2014-02-24)

韓国ソウル市ホンデ地域におけるオルタナティヴな音楽シーンの形成とその空間的移動を当地域のジェントリフィケーション過程と照らし合わせて分析する。
著者
キーナー ヨハネス 水内 俊雄 コルナトウスキ ヒェラルド 冨永 哲雄 高田 ちえこ
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨 2013年人文地理学会大会
巻号頁・発行日
pp.84-85, 2013 (Released:2014-02-24)

30名ほどのゲストハウス宿泊者を対象とした聞き取り調査の結果から、特にワーキングホリデーで来ている宿泊者の来日経由パターン、ゲストハウス生活、就労へのアクセス、ゲストハウス近隣に対するイメージを明らかにする。