著者
奈良岡 聰智 小川原 正道 川田 敬一 土田 宏成 梶原 克彦 水野 京子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集 (ISSN:21878188)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.189-200, 2013 (Released:2017-08-10)

本研究は,各国の駐日大使館の立地,建築様式,およびその機能について解明することを目的としたものである,駐日大使館については研究の蓄積が浅いため,まずは建築史料,外交文書など,一次的史料やデータを収集することを通して,今後の大使館研究の基盤を構築することを目指した。また,それらの史料情報を得るにあたって,旧華族への聞き取り調査を行った。特に研究対象としたのは,重要な外交上のパートナーであったアメリカ,フランス,およびベルギーの3国である。本研究を通じて,大使館が両国の外交関係を「象徴」する存在として,重要な機能と特徴的な建築を有していたことが確認された。
著者
太田 秀也 矢田 尚子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集 (ISSN:21878188)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.13-23, 2016 (Released:2017-08-10)

本研究は,新たな賃貸住宅データベースを構築するとともに,そのデータベース等により,賃貸住宅の供給形態差異にも着目しつつ,賃貸住宅の供給実態について分析するものである。その結果,既存調査・研究では把握されていない,市町村区域単位や駅圏単位の,築年・駅距離別の賃貸住宅の供給実態を把握することが可能となった。また,賃貸住宅の供給形態の差異による違いに関しては,サブリース業者の企画による賃貸住宅は,駅から遠い地域での供給割合が高く,主要デベロッパーによる賃貸住宅は,駅から近い地域での供給割合が高い点等が確認できた。
著者
中島 伸 田中 暁子 初田 香成
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集 (ISSN:21878188)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.181-192, 2015

本研究は,城南住宅組合を対象に組合活動を通時的に分析し,住環境を下支えしてきた土地所有の状況など明らかにすることで,住環境の形成・維持へとつながる住民主体のまちづくりへの知見を得ることである。組合の活動記録の一次史料と土地所有形態の変遷を調べることで,理想的田園生活を目指した城南住宅組合は当初こそ別荘利用の形態で住宅地化が進まなかったものの,戦中,戦後より住宅地として居住実態が伴ってくると,当初より定めた規約による各住宅地での環境整備が進んだ。共同借地経営の住宅組合という組織ではあるが,土地所有など前提となる経営基盤が大きく変化する中で,住環境維持を目標にしつつも,居住者のコミュニティ活動を相互補完的に行う中で,組織活動を継続してきていることがわかった。