著者
土谷 幸久
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学紀要 (ISSN:18833497)
巻号頁・発行日
no.48, pp.35-56, 2009
著者
加藤 彰彦
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学紀要 (ISSN:18833497)
巻号頁・発行日
no.64, pp.101-131, 2017

アンドレ・ブルトンは最後のシュルレアリスム宣言として捉えられる『吃水部におけるシュルレアリスム宣言』の結論部分において、シュルレアリスムとグノーシス主義の目指すところが一致していることを指摘している。確かにシュルレアリスムの神秘主義的なところもブルトンのテキストから明らかに指摘されるのであるが、シュルレアリスムとグノーシス主義が大きく分かれるところは、前者が現世において特に愛によって幸せを獲得しようとしているのに対して、後者は物質的世界=肉体的世界を悪の世界として否定していることにある。またブルトンは階層秩序的二項対立を否定するのに対して、グノーシス主義は肉体と精神のプラトン的二項対立をその根本に据えているのである。しかしながらブルトンの目指す超現実とは実体を欠いた記号空間にすぎないこと、またブルトンが求めるシュルレアリスム的精神の一点とは、まさにグノーシス主義における救済の如く、身体内で見出す真の知であることから、シュルレアリスムとグノーシス主義は同じ方向を目指していると理解されるのである。
著者
メイスン 紅子
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学紀要
巻号頁・発行日
no.63, pp.469-475, 2017-03-25

Case histories are real science, as long as we do enough of them and pay attention to crucialcharacteristics of our subjects' experiences. The case studies presented here provide confirmation of centralhypotheses in language acquisition and have interesting practical implications. Eight subjects, formerstudents of the first author, reported the self-selected reading they did on their own time: the mean gainwas .6 of a point per hour of reading on the TOEIC, with very little variation among subjects, even thoughthey read different things.
著者
土取 俊輝
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学紀要 (ISSN:18833497)
巻号頁・発行日
no.68, pp.353-367, 2019-09-25

本稿は北海道大学文学部人骨事件を事例とし、先住民をはじめとする遺骨返還問題で何が問題とされているのかについて論じるものである。北海道大学文学部人骨事件とは、1995 年に北海道大学文学部の古河講堂内の一室から、人間の頭骨6 体が入ったダンボール箱が発見された事件である。発見された遺骨のうち返還されたものは、韓国東学党のものとされる頭骨1 体と、北方先住民のウィルタのものとされる頭骨3 体である。あとの2 体は返還先を探す事が出来ず、現在は寺院に仮安置されている。これらの人骨が北海道大学に保管されていた背景には、北海道大学が植民地主義やダーウィニズムに基づいた北方先住民の人骨の収集、研究の拠点でったことが関係している。 北海道大学文学部人骨事件を事例として遺骨返還問題を見てみると、研究機関と植民地主義との密接な関係が浮き彫りとなった。また、その植民地主義の負の遺産であるところの遺骨問題に対して、研究機関が真剣に向き合って対応していないことも、先住民の側から問題として焦点化されている。人権意識の高まった現代において、研究機関や我々研究者は、学術研究と植民地主義との関係という過去に向き合った上で、遺骨返還問題に対して取り組んでいくことが求められている。
著者
吉田 康成 西 博史
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学紀要
巻号頁・発行日
no.68, pp.257-281, 2019-09-25

The purpose of this study was to investigate the digging techniques of elite male volleyball playersagainst spikes in volleyball. 34 occurrences of forearm digging motions in excellent receptions in 6games (Argentina vs Cuba, Poland vs Iran, Serbia vs Japan, Iran vs Argentina, Cuba vs Serbia, andPoland vs Japan) from the 2011 Men’s World Cup Volleyball were analyzed by the Direct LinearTransformation Method.The results were as follows. First, in 477 occurrences of receiving (blockers did not touch the ball),receivers touched the ball 200 times, accounting for 42%. However, counter attacks (excellentreceptions) occurred only 69 times, accounting for 14%. Second, 29 dig errors by liberos (24%) causedlost points, but that was lower than 93 dig errors (76%) by other players. Third, in 18 occurrences, thepositions of liberos at receive impacts were located left-back. Finally, in 18 occurrences, up-down hipjoint movements of liberos became higher close to the moment of spike hit for almost all of the trials. Inaddition, liberos made a pre-jump movement prior to hits in almost all the trials.key words: volleyball, dig, elite male player, libero
著者
中村 理絵
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学紀要 (ISSN:18833497)
巻号頁・発行日
no.67, pp.一-十六, 2019-03-25
著者
岡﨑 桂二
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学紀要 (ISSN:18833497)
巻号頁・発行日
no.65, pp.271-294, 2018-03-01
著者
津崎 克彦
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学紀要
巻号頁・発行日
no.63, pp.89-103, 2017-03-25

"本稿では2000年代以降、日本で広がった「ブラック企業」問題に焦点をあて、「ブラック企業とは何か」という問題について、既存の調査から概念整理を行った。 特に本稿ではブラック企業で行われているマネジメントに注目し、ブラック企業の背後にあるマネジメント原理を仕事のマニュアル性と人間関係の競争性に特徴づけられる「統制・独裁型」マネジメントと名付け、そうしたマネジメントが、標準化された消費市場のニーズや労働市場における供給過剰状態、そして「仕事=手段」と呼びうる仕事観に依拠しつつ、賃金が低くなった場合に特に「ブラック企業」と評価されるのではないかという点を仮説的に指摘した。加えて、本稿では、そうしたマネジメントに依拠しない「自由・民主型」モデルというものを提示しつつ、マネジメントの型と賃金との関連から、①体育会系組織、②狭義のブラック企業、③狭義のホワイト企業、④自己実現系組織という4 つの理念型を提示した。 歴史的に見れば、今日における「統制・独裁型」マネジメントの出現は、科学的管理法のサービス産業への応用とも解釈でき、また、ブラック企業問題の広がりは、国際化や情報化といった要因に加え、「仕事=手段」から「仕事=目的」という労働者意識の変化と仮説的に対応付けられるかもしれない。今後は課題として、一方では本稿で検討した「ブラック企業」モデルとその存立条件を実証的に検証していく必要性に加え、国際比較や従来の日本的経営論の再解釈等を通した歴史的検討をしていきたい。"