著者
難波 康治 佐合 弘行 Nanba Koji Sago Hiroyuki ナンバ コウジ サゴウ ヒロユキ
出版者
大阪大学留学生センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
no.12, pp.113-120, 2008

留学生センター日本語教育部門では、日本語教育プログラムの改革と平行して平成18年度の教育基盤整備費の配分を受け、従来のプレースメントテストと履修登録手続きをすべてWEB化し、学内外のどこからでも縦横申請を行えるシステムを開発した。本稿は、その開発の経緯とシステムの概要について報告する。
著者
西口 光一 Nishiguchi Koichi ニシグチ コウイチ
出版者
大阪大学国際教育交流センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
no.15, pp.43-53, 2011

本稿では、基礎日本語教育のカリキュラム開発と教材作成において基礎とされた第二言語の習得と習得支援の原理について議論する。広く基礎となる言語観としてはバフチンの対話原理が採用された。そこでは、文ではなく発話と対話性の重要性が強調される。そして新カリキュラムの要件として、(1)文型・文法事項の系統的学習、(2)語いの体系的学習、(3)言語活動目標が設定されていること、が提示された。次に、新カリキュラムでは、学習者が本文を習得しさえすれば学習言語事項の習得はすべて達成されるマスターテクスト・アプローチを採用し、マスターテクストには、(1)言語事項の収用元、(2)ユニット学習の道じるべ、(3)言語事項の借用元、の役害」があることを論じた。さらに、学習方法として、受動的理解のフェイズ、模倣とローカルな対話のフェイズ、自己目的のための再構成のフェイズ、自己の言葉の再利用のフェイズが想定されていることを明らかにし、各々の方法を解説した。最後に、自己修正、差し替え、補い、代替語提示などを伴う、教師によって介助された各種の言語活動従事経験を通して学習者が有効に第二言語習得を進められることを論じた。
著者
難波 康治 角南 北斗 ナンバ コウジ スナミ ホクト Namba Koji Sunami hokuto
出版者
大阪大学留学生センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
no.14, pp.63-69, 2010

【特集OUSカリキュラムの開発(8)】OUSカリキュラムでは、そのカリキュラムの一部として、計画段階からITの積極的な利用を検討してきた。本稿では、その背景としての大学の日本語教育に おけるIT利用の現状とその問題点を分析し、その解決策を検討する。さらに、その教育理念をもとに現在開発に着手している「日本語教育支援ITプラット フォーム」について紹介する。
著者
東保 登紀代 トウボ トキヨ Toubo Tokiyo
出版者
大阪大学留学生センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
no.10, pp.73-82, 2006

本稿は、約二ヶ月間に渡り週一回ペアで行われた日本語中上級学習者のトピック会話の、教師による誤用訂正と学習者の誤用自己訂正を集計・分析したものである。その結果、学習者の誤用は文法の誤用が最も多いことが分かった。また誤用の具体例を見ると、誤用の分類項目の全てに渡って誤用は特定の誤用に集中していた。一方、学習者の誤用自己訂正は「語彙」の訂正率が最も高く「助詞」の訂正率が最も低かった。「語彙」では誤用数が多かった項目は、訂正率も高かったが、分類項目「文法」では多くの誤用があつた項目の訂正率は逆に低かった。教師は学習者の誤用を毎週添削してフィードバックしてきたが、この間に学習者は間違いやすい「文法」に対する自己訂正がさほど行えなかったと言えよう。このことは正確な日本語運用には、学習者の誤用を訂正してフィードバックするだけでは充分とは言えず、間違えやすい具体的な「文法」項目や「助詞」を、その言語形式に焦点を当てて復習することがきわめて重要であることを示唆している。この調査により、全体としての中上級学習者が発話上間違えやすい言語項目、並びに個々人のそれを突き止めることができた。学習者のクラス在籍中に週ごとの誤用を集計するなら、彼らの日本語学習を効率的に援助できる。
著者
渡部 留美 ワタナベ ルミ Watanabe Rumi
出版者
大阪大学留学生センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
no.10, pp.107-114, 2006

本稿では、デンマークにおける留学交流の現状をインタビューや資料をもとに紹介する。前半部分ではヨーロッパの短期交換留学制度の中のデンマークの状況とデンマークの留学生受入れ状況について、後半部分ではデンマークの大学の国際化を支える部署やスタッフについて述べる。