著者
西口 光一 Nishiguchi Koichi ニシグチ コウイチ
出版者
大阪大学留学生センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 : 大阪大学留学生センター研究論集 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.21-31, 2010-03-31

【特集OUSカリキュラムの開発(3)】従来の漢字教育では教科書等の主教材での漢字学習と漢字教材での漢字学習は必ずしも十分に関連づけられていなかった。本稿では、従来の日本語能力試験2級漢字1023字を6段階に分けて、各漢字に最も基本的と考えられる漢字語を配当して漢字学習のシラバス(漢字学習ロードマップ)を作成し、それに基づいて開発された漢字教材とウェブでの漢字学習システムについて論じる。新たな漢字教材は、教科書等での漢字学習と併せて複線的な漢字学習システムを構成すること、同教材に準じて開発されたウェブでの漢字マスタリー学習システムとともに利用することで漢字知識を一定水準まで平準化するための補充学習を有効に行うことができること、及び漢字ロードマップにはそれを参考にしつつ中級以降の教材作成を合理的に行うことができるという利点があることを明らかにした。
著者
高橋 朋子 タカハシ トモコ Takahashi Tomoko
出版者
大阪大学留学生センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 : 大阪大学留学生センター研究論集 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.61-74, 2008-03-31

本稿は、これまであまり考察が試みられることがなかつた「継承語教育」に焦点を当て、先行研究の概観及び中国帰国者集住地域にある小学校で行われている中国語授業の実践例を参考に、その課題と展望を探り、子どもたちにとって継承語教育とはどんな意味を持つのか、その教育的意義を探ることを目的とする。
著者
難波 康治 佐合 弘行 Nanba Koji Sago Hiroyuki ナンバ コウジ サゴウ ヒロユキ
出版者
大阪大学留学生センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
no.12, pp.113-120, 2008

留学生センター日本語教育部門では、日本語教育プログラムの改革と平行して平成18年度の教育基盤整備費の配分を受け、従来のプレースメントテストと履修登録手続きをすべてWEB化し、学内外のどこからでも縦横申請を行えるシステムを開発した。本稿は、その開発の経緯とシステムの概要について報告する。
著者
難波 康治 角南 北斗 ナンバ コウジ スナミ ホクト Namba Koji Sunami hokuto
出版者
大阪大学留学生センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
no.14, pp.63-69, 2010

【特集OUSカリキュラムの開発(8)】OUSカリキュラムでは、そのカリキュラムの一部として、計画段階からITの積極的な利用を検討してきた。本稿では、その背景としての大学の日本語教育に おけるIT利用の現状とその問題点を分析し、その解決策を検討する。さらに、その教育理念をもとに現在開発に着手している「日本語教育支援ITプラット フォーム」について紹介する。
著者
東保 登紀代 トウボ トキヨ Toubo Tokiyo
出版者
大阪大学留学生センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
no.10, pp.73-82, 2006

本稿は、約二ヶ月間に渡り週一回ペアで行われた日本語中上級学習者のトピック会話の、教師による誤用訂正と学習者の誤用自己訂正を集計・分析したものである。その結果、学習者の誤用は文法の誤用が最も多いことが分かった。また誤用の具体例を見ると、誤用の分類項目の全てに渡って誤用は特定の誤用に集中していた。一方、学習者の誤用自己訂正は「語彙」の訂正率が最も高く「助詞」の訂正率が最も低かった。「語彙」では誤用数が多かった項目は、訂正率も高かったが、分類項目「文法」では多くの誤用があつた項目の訂正率は逆に低かった。教師は学習者の誤用を毎週添削してフィードバックしてきたが、この間に学習者は間違いやすい「文法」に対する自己訂正がさほど行えなかったと言えよう。このことは正確な日本語運用には、学習者の誤用を訂正してフィードバックするだけでは充分とは言えず、間違えやすい具体的な「文法」項目や「助詞」を、その言語形式に焦点を当てて復習することがきわめて重要であることを示唆している。この調査により、全体としての中上級学習者が発話上間違えやすい言語項目、並びに個々人のそれを突き止めることができた。学習者のクラス在籍中に週ごとの誤用を集計するなら、彼らの日本語学習を効率的に援助できる。
著者
渡部 留美 ワタナベ ルミ Watanabe Rumi
出版者
大阪大学留学生センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
no.10, pp.107-114, 2006

本稿では、デンマークにおける留学交流の現状をインタビューや資料をもとに紹介する。前半部分ではヨーロッパの短期交換留学制度の中のデンマークの状況とデンマークの留学生受入れ状況について、後半部分ではデンマークの大学の国際化を支える部署やスタッフについて述べる。