- 著者
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鄭 新培
- 出版者
- 大東文化大学
- 雑誌
- 大東文化大学紀要. 社会科学 (ISSN:09122338)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, pp.171-176, 2003-03-31
中国社会はこの二十年間大きく変化した。80年代から改革開放政策を押し進め、自由経済体制への転換をはかったことによって高度成長が続き、国際間の経済、文化、人的な交流が盛んになり、かつての中国社会の面影も見えなくなるほど大きく変わり、かつ新しい社会が完成しつつある。これには、香港、台湾、マカオ、東南アジアを中心とする華人経済が大きな役割を果たした。それと同時に新しい社会に対応するための華人は、海外での独有の文化、言語も中国に伝入した。中国の社会変化に大いに影響を与えた。勿論、世界各国、とくにアメリカや日本の影響も大きかった。たとえば、生活様式、服装、居住、生活用品、芸術文化、音楽とくにロック、流行歌などがある。その上言葉も影響を与えた。たとえば、日本語の「人气」、「料理」、「〓拉OK」、「写真」、「独身貴族」、英語の「媽〓」、「OK」、拜拜」、香港、台湾などの華人圏の「超級市場」、「發廊」、「巴士」、「的士」、「買単」などがある。これらの新しい社会現象の変化につれて、中国自身も沢山の新しい言葉が生れた。例えば、「小皇帝」(わがまま甘い子)、「灰色收入」(不正収入)。さらに解放後、使われなくなった言葉が復活した。例えば、「老板」(オーナー、主人)、「小姐」(お嬢さん)。ある意味で、中国は今新しい文化と言語の開花の時代を迎えているどころだ。ここでは近年来、社会現象を反映する新しい語言についていくつか代表的なものを挙げて中国の社会問題の一端を見ることにする。言語と社会生活の密切な関係を検証しようと思う。