著者
石津 智大 大黒 達也
出版者
関西大学
雑誌
学術変革領域研究(B)
巻号頁・発行日
2021-08-23

人間は、快不快を超え集団に資する行動に自分を動機づけられる利他性や共感性を備えている。負の感情価と美的快の混合された美学的体験には利他性を促進させる効果があり、近年人文学的議論だけでなく認知科学や経験美学においても注目されている。本研究では、このような美的体験の構成情動を明らかにし、人間らしい利他自己犠牲の意思決定へ与える影響について、行動特性と脳内機構を情動脳情報学の視座から解明する。
著者
則武 厚 揚妻 正和
出版者
生理学研究所
雑誌
学術変革領域研究(B)
巻号頁・発行日
2022-05-20

則武らは、高い社会性を持つ非ヒト霊長類マカクザルを用いた実験により、前頭前野において、嫉妬の基盤となる自己と他者の報酬情報が独立に表現される情報処理様式を発見した。これを発展させ、自他情報の比較および嫉妬情動表象へと導く演算を担う神経回路と情報処理過程を明らかにすれば、嫉妬生成の仕組みの理解に大きな一歩となる。そこで本課題では、自他比較に焦点を当て、嫉妬神経機能モジュール解明とモデルの導出・実証を推進する。
著者
合田 光寛 八木 健太 相澤 風花 濱野 裕章
出版者
徳島大学
雑誌
学術変革領域研究(B)
巻号頁・発行日
2020-10-02

多剤併用による薬剤シナジー効果を適切に解析できる薬効評価系の構築には、病態の一部の遺伝子やタンパク質発現変化を模倣しただけでは不十分であり、病態のメカニズムを網羅的遺伝子・タンパク質発現変化で解析可能な評価系が必要である。本研究では、ヒトの病態時に起こる遺伝子・タンパク質発現変化プロファイルを網羅的に解析できる病態モデルを確立し、薬剤のシナジー効果とその作用機序を解明する手法を構築 することを目的にする。多剤併用時の各病態における遺伝子・タンパク質発現変化プロファイルのデータを蓄積することにより、より効率的に薬剤シナジー効果を推定するための新規ヒトオミックスデータベースを構築できる。