著者
加藤 良一 富樫 悠 長根 智洋 鈴木 隆
出版者
山形大学地域教育文化学部附属教職研究総合センター
雑誌
山形大学教職・教育実践研究 = Bulletin of Teacher Training Research Center, Yamagata University
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-8, 2012-03-15

乳糖を分解した牛乳およびノンホモジナイズ牛乳以外の牛乳に, ドリンクタイプのヨーグルトをその牛乳の量の1%加えて撹拌し, それを45℃で24時間培養するとヨーグルトが作製できた。なお, ドリンクタイプのヨーグルトは, 賞味期限内かまたはそれになるべく近いものを用いる。この結果より, 中学校理科3年生, 高等学校「生物基礎」, および中学校技術・家庭科の実験教材としてこれらが提供できることを示した。キーワード:牛乳, 教材, ドリンクタイプのヨーグルト, 培養, ヨーグルトの作製
著者
藤岡 久美子
出版者
山形大学地域教育文化学部附属教職研究総合センター
雑誌
山形大学教職・教育実践研究 = Bulletin of Teacher Training Research Center, Yamagata University (ISSN:18819176)
巻号頁・発行日
no.9, pp.21-27, 2014-03

幼児期に自己に向けた発話(プライベート・スピーチ,PS) があらわれ,言葉の内化とともに内言へと移行することがヴィゴツキーの理論およびその後の研究において示されている。本研究の目的は,認知的課題に取り組む際に幼児が示すPSの個人差と幼稚園での自由遊び場面での目標指向性との関連を検討することである。21名の幼児が年少クラス在籍時および1年後に絵カード分類課題に取り組み,課題中のPSが測定された。年中時には自由遊び中の行動と注意が記録された。PSと行動・注意の関連を検討したところ,ぼうっとしていたりうろうろすることが多いほど,分類課題中のPSが少なかった。また,1年間でPSが増加した群においてのみ,製作やごっこ遊びなど静的な遊びを相手に注意を向けて取り組んでいるほど,課題中の文形態のPSが多く示された。これらの結果から,思考の道具であるPSを認知的課題に取り組む際に多く示す幼児は,日常的にも目標指向的で,行動や注意が制御された状態を多く示すことが示唆された。 キーワード:幼児 / プライベート・スピーチ / 自由遊び / 自己制御
著者
松崎 学
出版者
山形大学教職研究総合センター
雑誌
山形大学教職・教育実践研究 = Bulletin of Teacher Training Research Center, Yamagata University
巻号頁・発行日
no.1, pp.29-38, 2006-03-21

特定の小学校における教師の大半が,民主的な教師-子ども間関係のあり方とその具体的な対応について,親学習プログラムSTEPを通して学習した。民主的な学級機能が存在する場合の子どもの認知を想定して質問項目が用意された。各学期末において,学級機能と子どもの適応状態を測定した。学年末のデータにもとづく因子分析によって「学級機能尺度」が作成された。また,その因子間関係が共分散構造分析によって検討された。他方,3学期間の学級機能因子構造の変遷についても検討された。その結果,学級機能は,3因子で構成され,教師のかかわり(第Ⅰ因子「子どもの主体性を尊重した教師のかかわり」)を通して,学級集団内での所属感のある関係性(第Ⅱ因子「学級集団への所属感と有能感」)が創出され,その経験の中で,集団凝集性(第Ⅲ因子「集団凝集性」)が高められるように機能していることが明らかになった。また,3学期間の因子構造の変化については,STEP実施後の影響か,2学期で教師のかかわりが一つの因子としてまとまりを見せ,さらにその積み重ねの結果か,集団内における有能感や所属感に関する因子が3学期においてまとまりを見せた。キーワード:学級機能, 親学習プログラムSTEP, 教師のリーダーシップ, 教師-子ども間関係
著者
川辺 孝幸
出版者
山形大学地域教育文化学部附属教職研究総合センター
雑誌
山形大学教職・教育実践研究 = Bulletin of Teacher Training Research Center, Yamagata University
巻号頁・発行日
vol.6, pp.7-17, 2011-03-15 (Released:2015-08-21)

流れる水のはたらきの実験に関して,筆者が理科支援員等配置事業などでおこなった,校庭の砂場でおこなう実験について,実際の河川で起こっている自然現象の原理と,実際の河川と実験との条件の違いを踏まえて,流れる川のはたらき実験について,ノウハウを含めて紹介した。キーワード:流れる川のはたらき, 砂場, 流水実験, 地層の堆積, 小学校理科, 川の学習, 浸食・運搬・堆積
著者
吉田 誠 渡部 美千恵 田中 美枝子 戸津 敏
出版者
山形大学地域教育文化学部附属教職研究総合センター
雑誌
山形大学教職・教育実践研究 = Bulletin of Teacher Training Research Center, Yamagata University (ISSN:18819176)
巻号頁・発行日
no.9, pp.41-50, 2014-03

本研究は心情主義的な道徳教育の課題を克服するために,生態学的な視点から環境や状況と人間の道徳的行動を相互関係で捉える生態学的道徳教育学に基づく道徳授業を開発することを目的とする。本稿ではその第一段階として実話に基づく自作資料を生態学的に分析し,多様な予期的意識を子どもたちに持たせることをねらいとする学習指導案を作成した上で,実践,検証を行った結果,ある程度ねらいを達成できたことを明らかにした。 キーワード:生態学的道徳教育学 / 予期的意識 / 自作資料