著者
坂口 頼孝
出版者
崇城大学
雑誌
崇城大学研究報告 (ISSN:21857903)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.1-11, 2009-03-01

「すごく」と「ひどく」は共に程度の甚だしいことを表し、連用修飾をする。その点で「たいそう」や「とても」と似ている。しかし品詞としては副詞ではなく、形容詞連用形と考えるべきである。他の活用形を持ち、意味も変わらないからである。例えば「やつれ方がすごい(すごかった)」「すごいやつれ方」「すごくやつれる」において「すごく」だけを別品詞にするいわれはない。ところが現行の国語辞典を見ると必ずしもそうなっていない。「すごく」「ひどく」(の一方か両方)を副詞として別に立項しているものがある。しかしそれは受け入れがたい。辞書の内部において矛盾をきたしているものもあるし、違いが判然としないものもある。「すごく」と「ひどく」は共に形容詞連用形と位置付けるべきである。「猛烈に」「いやに」など形容動詞(出身の副詞)についても取り上げる。
著者
小原 守雄
出版者
崇城大学
雑誌
崇城大学研究報告 (ISSN:21857903)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.11-18, 2006-03

本研究は、大学における心理学受講生に対して簡易瞑想法による受動的注意集中訓練を継続的に実施することによって、「集中力を高めること」および「授業への積極的な構えを形成すること」における効果を検討することを目的にして行われた。簡易瞑想法による訓練は、309人の受講生(6クラス)を対象として、週1回(授業開始前の5分間)、計14回実施された。各セッションにおいて、簡易瞑想法実施の効果などを含む質問紙調査およびフィードバック票への記入を求めた。完全回答の得られた276人の資料を分析した結果、当初期待していた「集中力を高めること」および「授業への積極的構えの形成」の効果の他に、「心身のリラックス」および「自己の心身についての気づき」などにおいても肯定的な効果が得られた。また、簡易瞑想法を授業以外においても活用している対象者が50%認められた。以上の結果から大学における授業を活用した簡易瞑想法の適用が、授業に対する受講態度の改善のみならず、心身の健康を増進するため、さらには予防的心理教育の位置づけとしても重要な意義があることが示唆された。
著者
長 正徳
出版者
崇城大学
雑誌
崇城大学研究報告 (ISSN:21857903)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1-3, 2008-03-01

ゼラチン溶液の電気伝導率のゼラチン濃度および温度依存性をゾル-ゲル転移温度を含む温度領域で測定した。全てのゼラチン溶液において,電気伝導率の温度依存性はゾル-ゲル転移温度近傍で異常を示さなかった。溶液の電気伝導率は溶媒自身の電気伝導率とゼラチン濃度依存性を表す関数の積で表わされることを見出した。これより,溶液の電気伝導率には溶媒中の自由水の部分が寄与していること,および各ゼラチン濃度での溶媒中の自由水の割合の評価ができることを見出した。

1 0 0 0 OA 未来形

著者
植木 隆俊
出版者
崇城大学
雑誌
崇城大学研究報告 (ISSN:21857903)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.21-33, 2009-03-01

本論文ではHeinz Vater著,,Werden als Modalverb``(1975)(「話法の助動詞としてのwerden」)という論文の主張と、同じHeinz Vater氏の後年の論文の表題であり執筆意図を明確に表現している,,Hat das Deutsche Fururtempora?``(1997)(「ドイツ語に未来時制はあるのか」)という刺激的な問いかけを諸家の議論を参考に検討し、議論の標的となったwerden + Infinitivの構文について、ドイツ語の文法教育の目安として、現時点における理解の仕方をまとめてみた。
著者
山内 洋一
出版者
崇城大学
雑誌
崇城大学研究報告 (ISSN:21857903)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.9-12, 2007-03