著者
渡辺 知恵美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. データベース・システム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.78, pp.429-436, 2006-07-13
参考文献数
16

近年,地球観測のための測定機器の高機能化,コンピュータの高性能化により,地球惑星科学者が扱うデータが爆発的に増えつつある.これに伴い,科学者らは自らの持つ膨大なデータの中から必要なデータを検索したり,共同研究者もしくは同分野の科学者間で公開したいという要求が高まっている.しかしながら一般の科学者が気軽にデータ検索や公開を行うには,作業コストや学習コストの面でまだまだハードルが高く二の足を踏む科学者が多いのが現状である.そこで我々はできるだけ科学者の作業コストをかけずに手元にあるデータを検索・公開できる簡易データセンタ構築パッケージの開発を行っている.本稿では本システム開発に向けての考察と開発構想について述べ,基本機能である地球観測データを対象としたデスクトップサーチの開発について述べる.提案するデスクトップサーチでは,ユーザにはデータを特定の科学データファイルフォーマットで保存することのみを要求し,ファイルのヘッダ情報に含まれる空間情報および時間情報からデータの検索およびランキングを行う.
著者
ボウォ プラスティョ イコ プラムディオノ 喜連川 優
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. データベース・システム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.68, pp.329-336, 2005-07-14
参考文献数
5

H-mineはスパースなデータセットに対して高性能と知られているメモリベースマイニングアルゴリズムであるが、動的H-structリンク調整というH-mine特有の処理は並列化を困難にする。本論文ではH-structリンク調整を一切必要としない改善されたアルゴリズムを提案する。提案アルゴリズムは、オリジナルバージョンと匹敵する性能を持ちながら、並列処理に容易に拡張することが可能となる。
著者
辻村 敏 宮部 義幸 楠見 雄規 井上 信治 南方 郁夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. データベース・システム研究会報告
巻号頁・発行日
vol.93, no.65, pp.165-174, 1993-07-21

オブジェクト指向アプリケーション開発環境ActivePageは,松下電器産業(株)と米国Gain Technology社とで共同開発したアプリケーション開発のための基本ソフトウェアであり,テキスト,グラフィックス,イメージ,アニメーションなどのマルチメディアオブジェクトを扱うことができる.また,これらのオブジェクトデータを保存するために,オブジェクト指向データベースを利用している.ActivePageでは,開発者がクラスの定義を行なう機能を解放しておらず,あらかじめOAアプリケーションを作成するために必要と思われるクラスを用意している.このため,一般のオブジェクト指向言語に比べアプリケーションの開発が容易である.
著者
吉田 光男 乾 孝司 山本 幹雄
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. データベース・システム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009-DBS-149, no.20, pp.1-8, 2009-11

近年のブログの普及により,ブログのコンテンツを利用するサービスや研究が盛んになってきている.ブログのコンテンツは,ポストと呼ばれるブログの書き手によるコンテンツと,コメントと呼ばれるブログの読者によるコンテンツに大分する事ができる.ブログのコンテンツを利用する場合は,それらが別々に抽出できている事が望ましい.本論文では,ブログ記事集合を用いる事により,ポストとコメントを自動的に分離抽出する手法を提案する.本手法は,ポストはブログ記事集合全てのブログ記事に出現するが,コメントはいずれかのブログ記事にしか出現しないというアイデアが基になっている.また,本手法のアルゴリズムを実装したソフトウェアを用いて実験を行い,日本語ブログサイトに対しての有効性を示す.
著者
川本 淳平 佐久間 淳
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. データベース・システム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013-DBS-157, no.1, pp.1-6, 2013-07

本論文では,位置情報を継続的に公開するためのプライバシ定義を提案する.ある時刻における人々の位置情報は,過去に滞在していた地点との相関がある.そのため,差分プライバシのようにどのような背景知識を持つ攻撃者に対して,安全かつ継続的に位置情報を公開するためには付加しなければならないノイズ量が多くなる.本論文では,人々の行動にマルコフ性を仮定しマルコフ過程を用いた攻撃者に対して安全な位置情報の公開のためのアドバーザリアルプライバシを提案する.本論文では,先ず,各時刻毎に POI 別滞在人数ヒストグラムを公開する問題を考え,提案アドバーザリアルプライバシを満足するヒストグラム導出メカニズムについて議論する.そして,各時刻毎に POI のシーケンスからなるパスのカウントヒストグラムを公開する問題を考え,先のヒストグラム導出メカニズムをこの問題へ拡張する.最後に評価実験では,公開位置情報を用いた解析タスクとして頻出パス抽出を想定し,提案手法がプライバシを保護しつつ正確な解析結果を導く位置情報を公開できることを示す.
著者
中谷 誠 Jatowt Adam 大島 裕明 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. データベース・システム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.146, pp.253-258, 2008-09-14
参考文献数
13

検索語が属する分野における専門語は,ユーザが検索結果に含まれるウェブページの内容を理解する上で重要な役割を持っている.専門語が多く含まれるウェブページは,非専門家ユーザにとっては理解しづらいが,一方で専門家ユーザにとっては読みやすく詳細な情報を得る上で有用である.本研究では,Wikipediaのリンク構造とカテゴリ構造を用いて,ユーザの入力した検索語からその語に関する専門語を抽出する手法について述べる.Wikipedia中で検索語が含まれている記事のカテゴリ情報を集約することによって検索語の属する専門領域を検出し,その領域の内外でリンクの出現頻度を分析することによって専門語を抽出する.本研究の提案手法は幅広い分野を網羅しており多言語対応しているWikipediaを用いているので,検索語の分野や言語に関係なく専門語を取得することができる.