著者
原田 光 HUAN Nguyen Van 山本 宗幸
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会四国支部会報 (ISSN:0915230X)
巻号頁・発行日
no.43, pp.1-11, 2006-12

四国山地全域および九州山地の一部の山村から収集したトウモロコシ地域品種のうち,四国山地の系統について聞き取り調査の結果を分析し,遺伝資源としての検討を行った.1.愛媛県23系統,高知県51系統,徳島県25系統および九州4系統(熊本県2系統,宮崎県1系統,大分県1系統)の合計103系統を収集した.2.トウモロコシの播種時期には地域的な差があり,徳島県と高知県では多くの系統が4月初旬から5月初旬にかけて播種されるのに対し,愛媛県では5月中旬から6月中旬にかけて播種される例が多かった.3.トウモロコシの栽培は100m^2以下の狭い面積で行われることが多く,これは必然的に近親交配をもたらすが,実のつきのよい健全な穂から次年度の種子を選ぶことが一般的に行われており,これによって近交弱勢が抑えられていると考えられた.4.聞き取りを行った農家の82%で種子は親から受け継がれたものと判断された.また約80%の農家が以前に焼畑を経験しており,このことからトウモロコシの地域品種は焼畑作物として農家単位で代々受け継がれてきたものと考えられた.5.聞き取りを行った農家の80%でスイートコーンなどの市販品種を栽培しており,交雑によるこれらの品種からの遺伝子浸透が危惧された.
著者
坂田 雅正 亀島 雅史
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会四国支部会報 (ISSN:0915230X)
巻号頁・発行日
no.45, pp.54-55, 2008-12

2007年台風4号通過後,本県早期栽培の極早稲水稲に青枯れ症が確認された.青枯れ発生の第一義要因はフェーン風(乾燥した高温の強風)と考えられたが,現地調査から栽培法も被害拡大に関与している可能性が示唆された.しかしながら,地域間差,品種間差の要因や青枯れ発生と収量,玄米品質との関係については十分に解明できなかった.そこで,極早稲水稲を対象とし,人為的操作によって青枯れを発生させ,収量,玄米品質への影響と発生要因を乾物生産特性から検討した.
著者
坂田 雅正 中西 優子 亀島 雅史
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会四国支部会報 (ISSN:0915230X)
巻号頁・発行日
no.44, pp.24-25, 2007-12

2007年高知県の水稲早期栽培地帯において,台風4号(7月14〜15日)通過後,急性萎凋症(以下,青枯れ)が発生した.中でも,奨励品種として普及を開始した「南国そだち」で被害が大きく,著しい減収,品質劣化がみられた.そこで,現地実態調査から発生要因を解析し,風害対策法を検討した.