著者
田中 雅一
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第48回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.111, 2014 (Released:2014-05-11)

本発表の目的は、緊縛(rope art)の海外への普及を取り上げることで、グローバリゼーションの文化人類学や性の文化人類学、文化の真正性についての議論に寄与することにある。現在、緊縛はkinbakuやshibariとして世界各地で受容されている。日本の伝統的な性の実践とみなされてきた緊縛のグローバル化の経過や「kinbakuは本当に日本文化なのか」といった論争を取り上げる。
著者
比嘉 理麻
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第48回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.64, 2014 (Released:2014-05-11)

いわゆる「工場畜産」と呼ばれる環境下で、飼育される家畜たちは、エージェンシーなき客体、あるいは肉を生み出す単なる機械なのだろうか。この問いを出発点に、本発表では、産業化の進んだ沖縄の養豚場の事例から、人とブタの個別具体的なかかわりを明らかにすることで、産業家畜と人間の関係について別の見方を提示することを目指す。

1 0 0 0 OA 龍神の夢

著者
関 一敏
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第48回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.115, 2014 (Released:2014-05-11)

福岡市西部の一公園内に新たな神社が発生しつつあり、近隣の神主の助力を得て、月例祭に50名ほどの参詣者を集めている。きっかけは龍神の夢を複数の人々が見たことによるが、古代・中世・近世と重層的な史実と伝承の濃厚な場所でもあり、参詣者たちは甦った聖地であるかのようにふるまう。とくだん劇的な出来事をともなわない場所に、自然発生的に来参する人々の心性を追う。
著者
唐木 健仁
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第48回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.68, 2014 (Released:2014-05-11)

沖縄県与那国島では、火葬が一般的になった現在でも、洗骨改葬が継続的に実施されている。本発表は与那国島で参与観察した2事例の洗骨改葬を紹介し、与那国島における社会的背景や儀礼を取り仕切る宗教的職能者の役割などをふまえて、与那国島における洗骨改葬の意義を考察する。

1 0 0 0 OA 想像の主権

著者
井上 昭洋
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第48回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.105, 2014 (Released:2014-05-11)

本発表の目的は、現在のハワイ人主権運動を19世紀後半から現在に至るハワイ人の抵抗の歴史の中に位置づけ、主権運動に内在する問題や困難性を考察することにある。1860年代のキリスト教徒による宗教運動、19世紀末の反併合請願運動、20世紀初頭の民族主義的な政治活動から、1970年代に始まる社会運動、1980年代後半以降の主権運動や先住民の権利を巡る訴訟問題に至るまで概観し、今日の主権運動について考える。
著者
ベル 裕紀
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第48回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.81, 2014 (Released:2014-05-11)

韓国は、非熟練労働者の海外からの受け入れを行っている。この制度の下では事業所の変更が厳しく制限され、移住労働者にとっては、韓国人支援団体とのネットワークが、劣悪な労働条件や賃金未払、時には暴力から逃れるために、必要不可欠である。このネットワークを通じての移住労働者の集中とその結果生じたを支援団体の機能不全を解決するために、互助組織が形成されていった過程をカンボジア人の事例を通じて見ていく。