- 著者
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岩田 惠美子
後藤 昌弘
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集 2022年度大会(一社)日本調理科学会
- 巻号頁・発行日
- pp.113, 2022 (Released:2022-09-02)
【目的】ブロッコリーやコマツナなどのアブラナ科野菜を低温スチーミング加熱した場合,アスコルビン酸含量が増加することをこれまでに報告した。他のアブラナ科植物でも同様の作用が見られるかを検討するため,同じアブラナ科で,奈良県の伝統野菜の一つである『大和まな』を低温スチーミングで加熱し,アスコルビン酸含量の変化を調査した。【方法】『大和まな』は仲卸業者から購入し,外葉部と内葉部ならびに葉身部と葉柄部に分けてオーブンレンジ(東芝製ER-SD5000)の低温蒸し機能を用いて60℃と80℃加熱を行った。加熱前と加熱5,10,15分時の総アスコルビン酸含量と酸化型アスコルビン酸含量の測定は,ジニトロフェニルヒドラジン法を用いた。検定は一元配置分散分析の後,Tukeyの多重解析を行いp<0.05を有意とした。【結果・考察】総アスコルビン酸含量は,60℃加熱ではすべての部位で加熱前より有意に増加した。80℃加熱ではすべての部位で加熱前より有意に減少したが,内葉・葉柄部のみ15分加熱で増加し,加熱前と差が無くなった。酸化型アスコルビン酸含量は,60℃加熱ではすべての部位で加熱前より有意に増加した。80℃加熱では,外葉・葉柄部で加熱前と5分加熱で差がなかったものの,他の部位では加熱後5分で増加し,その後はすべての部位で減少した。還元型アスコルビン酸含量は,60℃加熱ではすべての部位で加熱前より有意に減少した。80℃加熱では内葉・葉柄部で5分と10分加熱で減少したが、加熱15分では増加して加熱前と差が無くなった。しかし,その他の部位では加熱により有意に減少した。本研究は,JSPS科研費(JP18K02197)の助成を受けたものである。