- 著者
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五百籏頭 真
- 雑誌
- 日赤医学 = The Japanese Red Cross Medical Journal
- 巻号頁・発行日
- vol.66, pp.31-33, 2014-10-16
東日本大震災の猛威に対し「想定外」との悲鳴が発せられた。人事を尽くすべき部分までこの言葉で逃げる傾向が批判され、最近の集中豪雨などに際しては「かつて経験したことのない」という表現が用いられる。いずれにせよ、われわれは百年に1回、千年に1回の大災害活性期に住み合わせているのである。 歴史的に比較すれば、今日の「次なる大災害」への備えは、史上最高レベルである。であるにせよ大災害は容赦なく人々に襲いかかり、「経験したことにない」悲惨をもたらす。起きてしまった悲惨の極みにあっては、人々を救出し手当する社会の組織的対応力を頼みにする他はないであろう。 日赤の皆様の御健闘に期待したい。