著者
角坂 照貴 金子 清俊 浅沼 靖
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.221-227, 1983
被引用文献数
1

日本産ハナダニ科Rhinonyssidaeについては, 金子(1973,1977,1978), 江原(1980), 角坂ら(1981)が6属11種を記録している。著者らはさらに鳥類の鼻腔内寄生ダニを整理したところ, 4種の新記録種が明らかとなったので再記載に図を加えて報告した。オオルリからはPtilonyssus dioptrornis Fain, 1956,コマドリからはPtilonyssus enicuri Fain and Nadchatram, 1962,アオジおよびノジコからはPtilonyssus emberizae Fain, 1956,シジュウカラ, ヒガラおよびヤマガラからはPtilonyssus pari Fain and Hyland, 1963が新たに記録された。
著者
角坂 照貴 金子 清俊 浅沼 靖
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.33-43, 1987
被引用文献数
2

国内で採集された鳥類の鼻腔内寄生ダニを整理したところ, 1新種と7新記録種が明らかとなった。そこで, 新種を記載し, 既知種を図を加えて報告した。宿主と8種のダニの関係は, ヒヨドリ : Ptilonyssus hiyodori n. sp., メジロ : Ptilonyssus ruandae Fain, 1956,コカワラヒワ : P. sairae Castro, 1948,ツグミ : P. euroturdi Fain and Hyland, 1963,イカルチドリ : Rhinonyssus himantopus Strandtmann, 1951,トラツグミおよびツグミ : Sternostoma technaui (Vitzthum), 1935,バン : Rallinyssus caudistigmus Strandtmann, 1948,サンショウクイ : Ruandanyssus terpsiphonei Fain, 1957のとおりであった。
著者
金子 清俊 天野 甲子穂 窪田 公子 細川 彰
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.248-252, 1968
被引用文献数
1

某産婦人科医院で分娩した新生児の耳から計8匹のクサニクバエ幼虫を得た.この耳蝿症の報告は1945年以来, 本邦での初めての記録である.1)患者が生後1日目の新生児で, 記録としては最年少者である点注目に価する.2)クサニクバエParasarcophaga harpaxを原因とする蝿症は世界で最初である.3)蝿幼虫の侵入経路としては, 新生児の外耳道にあつた凝血または羊水に誘引されたクサニクバエが幼虫を産出したものと想像する.
著者
片峰 茂 堂浦 克美 金子 清俊 小野寺 節 福岡 伸一 堀内 基広
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本邦におけるプリオン研究者の情報交換の促進と将来の共同研究プロジェクト立ち上げのための準備を目的に本研究を遂行した。情報交換に関しては、平成14年10月21日に長崎において班会議を開催し、班員に加えて数名の内外のプリオン研究者による情報交換と討議の場をもった。その結果、個々の班員間の往来及び研究材料の共有などのいくつかの実が挙がっている。例えば、片峰と小野寺は各々が開発したプリオン蛋白遺伝子に関わる遺伝子改変マウスと培養細胞株を共有することにより、プリオン病神経変性の機構解明へ向けた共同研究の進展が図られた。準備研究に関しては、プリオン研究進展に極めて大きな意味をもつ種々のモデル動物、細胞株、抗体、解析システムの開発が行われ、将来の大型共同研究プロジェクトへの準備は整ったと考えられる。以下に特筆される成果を挙げる。(1)プリオン持続感染細胞株の樹立(片峰)(2)プリオン類似蛋白(Dpl)遺伝子トランスジェニックマウスの樹立(片峰)(3)プリオン蛋白(PrP)と相互作用をする分子の同定法の開発(堂浦)(4)異常プリオン蛋白(PrPSc)に特異的立体構造を認識する抗体の確立(堀内)(5)不死化によるPrP欠損神経細胞株の樹立(小野寺)(6)PrPの細胞内挙動の顕微鏡下での追跡法の確立(金子)(7)タンパク質の2次構造変換定理の発見(柳川)(8)微量核酸(RNA)同定法の開発(福岡)本年度は、他領域との重複などの問題点があり、新規特定領域への申請は見送ったが、本研究の成果を基礎に来年度以降の申請へむけ、さらなる体制整備を行う予定である。
著者
金子 清俊 天野 甲子穂 窪田 公子 細川 彰
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.248-252, 1968-12-31 (Released:2016-09-05)
被引用文献数
1

某産婦人科医院で分娩した新生児の耳から計8匹のクサニクバエ幼虫を得た.この耳蝿症の報告は1945年以来, 本邦での初めての記録である.1)患者が生後1日目の新生児で, 記録としては最年少者である点注目に価する.2)クサニクバエParasarcophaga harpaxを原因とする蝿症は世界で最初である.3)蝿幼虫の侵入経路としては, 新生児の外耳道にあつた凝血または羊水に誘引されたクサニクバエが幼虫を産出したものと想像する.
著者
金子 清俊
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.57-58, 1972

中田五一氏がイランに滞在中採集したネズミジラミを預かり, 同定したところ, Polyplax asiaticaとPolyplax paradoxaの2種であった。いずれもイランからは初記録であり, 後種の雄は生殖器の特徴が今日まで知られていなかったので, 記載をし図を付した。
著者
金子 清俊 加納 六郎
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.169-172, 1966
被引用文献数
2

筆者らは1965年の春と秋に, 台湾においてかなり多数の恙虫を採集した.宿主は鼠類, タイワンカグラコウモリおよびスインホーキノボリトカゲであつた.今回はそのうち鼠以外, すなわちコウモリとトカゲに寄生していた恙虫について報告する.コウモリ寄生の恙虫は, イワサキツツガムシで, トカゲ寄生のものは, トカゲツツガムシであつた.両種共に台湾では新記録である.イワサキツツガムシは原記載以後はじめての記録であり, 原記載と多少異なる点もあつたので, 国立科学博物館の上野俊一博士の御好意により, 石垣島産のカグラコウモリから採れた沢山の恙虫標本を見せていただき, これらを比較検討した.