著者
八角 真
出版者
明治大学教養論集刊行会
雑誌
明治大学教養論集 (ISSN:03896005)
巻号頁・発行日
no.89, pp.p61-103, 1975-01

一、目次の配列・表記は「詩人」本文によった。一、目次の表記は次の通りである。1[頁]標語(内容)作者名・訳者名 2 標題の下の()内は包含作品名を、標題の下の― ―内は副題を、標題もしくは(作品名)の下の= =内は原作、原作者名を、また作者名の下の数字は作品数をそれぞれ示す。 3 (内容)は「詩人」目次に分類表示がないので、編者が適当に補った。(内容)が特に明らかなものについては、表示を省略した。
著者
杉〔サキ〕 信吾
出版者
明治大学教養論集刊行会
雑誌
明治大学教養論集 (ISSN:03896005)
巻号頁・発行日
no.324, pp.25-39, 1999-09

スタニスラウス・ジョイス(1884-1955)のMy Brother's Keeper(1958:以下MBK)が著者の死により未完のまま出版されていることは周知の通りである。序文を寄せたT. S. エリオットも、編集したR. エルマンも、そのことを惜しんでいる。しかし、エルマンの文中に見る、書かれずに終わったはずのトリエステ時代についての手際の良い要約(「怪しげな友人達、放蕩、そして更に大きな危険であった無気力から、彼が如何に兄を救ったか」)は、実は自らが翌年に出版を控えていたJames Joyce(1959:以下JJ)の予告であったかもしれない。皮肉に過ぎる見方かもしれないが、エルマンにとっては、それまでジョイス伝執筆を競合していたスタニスラウスの死により、彼の日記や兄ジェイムズの書簡を含む貴重な文書の山に分け入る道が開けたことは事実である。
著者
辻 昌宏
出版者
明治大学教養論集刊行会
雑誌
明治大学教養論集 (ISSN:03896005)
巻号頁・発行日
no.505, pp.17-34, 2015-03
著者
瀬川 裕司
出版者
明治大学教養論集刊行会
雑誌
明治大学教養論集 (ISSN:03896005)
巻号頁・発行日
no.395, pp.75-95, 2005-03

主演・監督作『シューパラスト・ピンクス』で成功を収めたのち、エルンスト・ルービチュは映画監督、映画俳優および舞台俳優として順調な進路を歩んでいく。1922年末にハリウッドに向けてドイツを発つまでのあいだに、彼は『シューパラスト・ピンクス』の作品世界をさらに発展させた一連の喜劇映画と、それらとはかなり毛色の異なる歴史大作とを次々に発表して世界的な注目を集めることになるが、ここではまず現存する喜劇映画に対象をしぼって彼の映画監督としての成長過程を観察することにしたい。1.『陽気な監獄』(1917)<ストーリー>自宅で朝食をとっていたアリーツェは、昨夜外出していた夫アレックスの姿が見あたらないことに気づき、女中のミツィと豪邸を捜し回る。
著者
瀬川 裕司
出版者
明治大学教養論集刊行会
雑誌
明治大学教養論集 (ISSN:03896005)
巻号頁・発行日
no.315, pp.1-19, 1999-01

ハンス・ツィシュラーの著書『カフカ、映画に行く』は、1996年にまずフランス語版が出されたのちにオリジナルのドイツ語版が出版された。カフカ文学に対する新しいアプローチとして文学界・映画界そのほか各方面からの注目を集めた同書は、年末には国内外のいくつかの賞を受けるなど高い評価を受けている。筆者は、1997年9月にベルリンで著者に長時間のインタヴューをする機会に恵まれた。以下本稿では、そのさいに彼自身から聞くことができた言葉を含めて、その書物で明らかにされた、20世紀を代表する作家と映画との関わりについて書いてみたい。著者のハンス・ツィシュラーは、俳優として世界的にその名を知られている。ミュンヒェン大学在学中に若き日のヴィム・ヴェンダースの自主映画作品へ主演したことから始まったそのキャリアは、舞台・テレビ映画・劇場映画とまことに多彩かつ華麗なものだが、ドイツでの彼が文筆家としても著名な存在であることは、国外ではほとんど知られていなかった。
著者
大久間喜一郎
出版者
明治大学教養論集刊行会
雑誌
明治大学教養論集 (ISSN:03896005)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.1-22, 1972-12-01
著者
瀬川 裕司
出版者
明治大学教養論集刊行会
雑誌
明治大学教養論集 (ISSN:03896005)
巻号頁・発行日
no.490, pp.73-107, 2013-01

本稿では『ねえ!キスしてよ』(Kiss Me,Stupid,1964年)を検討してみたい。ほかのワイルダー監督作に比較すると物語のスケールがかなり小さいこのフィルムは,一種の売春もしくは配偶者の交換が大きなテーマとなっているせいで公序良俗に反しているという批判を受け,興業的にもあまり成功しなかった。しかし,ここでもワイルダーは,冷静に考えると〈ありえない〉と思われる数々の設定を仕掛けておきながら物語をスムーズに展開し,打算と真実の感情が厳しくせめぎ合うドラマをみごとに展開し,ほかにないほろ苦い味のあるコメディーをつくり上げている。この映画はご覧になっている方が少ないと思われ,またのちの分析を理解しやすいものとするため,最初に全体のあらすじを提示したあとで細部を見ていきたい。