著者
峯木 真知子 棚橋 伸子
出版者
東京医療保健大学
雑誌
東京医療保健大学紀要
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.9-18, 2006-09-30
被引用文献数
2

ダチョウ卵の熱凝固性を調べるために、65℃より卵白および卵黄を加熱し、外観の観察、色、テクスチャー、DSC分析および組織観察より検討した。1)ダチョウ卵の卵白では、熱凝固温度が85℃付近でニワトリ卵より高く、ダチョウ卵の卵黄では、ニワトリ卵と大差が無いことがわかった。全卵および卵白で用いる場合にこの熱凝固温度が高いことは調理品の品質に大きく影響する。調理に際しては、加熱温度を上げる、加熱時間を長くする必要がある。2)ダチョウ卵で作ったプリン(卵1 : 牛乳2)は、同配合のニワトリ卵で作ったプリンより、非常にやわらかかったが、官能検査では、やわらかな舌触りが好まれ、良好な成績であった。以上、ダチョウ卵では、凝固温度が高いこと、その製品のテクスチャーもニワトリ卵と異なることより、全卵および卵白を使用した調理品の配合あるいは調理法に工夫の必要がある可能性が示唆された。
著者
神田 裕子 豊田 元
出版者
東京医療保健大学
雑誌
東京医療保健大学紀要
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.39-42, 2006

尿中エクオールが月経前愁訴(PMS)に及ぼす影響を検討した。健康な非妊娠女性39名の尿中イソフラボン量を測定するとともに、アンケートによる大豆イソフラボン摂取状況、身体、精神症状を調査した。尿中排泄量はダイゼイン:25.3±10.8μmol/day、グリシテイン:10.0±4.5μmol/day、ゲニステイン:5.4±2.3μmol/dayであった。エクオール産生者は39名中17名(約44%)であり、尿中エクオール排計量の中央値は12.8μmol/dayであった。対象者の精神症状のアンケート結果をエクオール産生者、非産生者に分類すると、エクオール産生者の精神症状の日常生活に影響を与える程度の有訴率は18.0%であったのに対し、非エクオール産生者のそれは45.0%であった。また、大豆イソフラボン摂取量は、全てアグリコンに換算して算出した。大豆イソフラボンアグリコン量は、1日あたり17.9±3.4mg(1.0mg〜58.8mg)であった。本研究において、エクオール産生によるPMSとの関連を示唆するデータが得られた。今後、エクオールの代謝経路が明らかになるにつれて、エクオール産生と大豆摂取との関連の研究が重要となっていくであろう。eywords :