著者
柳父 優子
出版者
法政大学大学院
雑誌
法政大学大学院紀要 (ISSN:03872610)
巻号頁・発行日
no.50, pp.174-160, 2003
著者
梶井 直親
出版者
法政大学大学院
雑誌
法政大学大学院紀要 (ISSN:03872610)
巻号頁・発行日
no.79, pp.87-94, 2017

物語を提示するメディアは様々な種類がある。物語理解過程の研究はそのメディアごとに検討されている。そのため,メディアの枠を超えた統一的な物語理解過程モデルは検討されていない。本研究ではメディアの類似性を視聴者がどのように主観的に認識しているかについて調査した。本調査では7 つのメディアを採用した。具体的には,小説,絵本,漫画,アニメーション,実写映画,芝居,ミュージカルの7 つであった。参加者は21 対のメディア同士の類似度について評定する質問紙に回答した。この評定値はクラスター分析と多次元尺度構成法(MDS)で分析された。クラスター分析の結果,2 つのグループにまとまった。1 つは小説と絵本,漫画,アニメーションのグループであり,もう一方は実写映画と芝居,ミュージカルのグループであった。多次元尺度構成法では,アニメーションは小説や絵本,漫画の近くに配置された。つまり,アニメーションは視聴覚のメディアであるが,視聴者はアニメーションを視覚的メディアに近いと認識していると考えられる。本研究の結果から,アニメーションや絵本,漫画の理解過程には,文章の理解過程モデルを応用することができると提案する。
著者
笘米地 真理
出版者
法政大学大学院
雑誌
法政大学大学院紀要 (ISSN:03872610)
巻号頁・発行日
no.74, pp.167-185, 2015

2014年4月、オバマ大統領が来日し、首脳会談後に日米共同記者会見が行われた。日本では、尖閣諸島は日米安全保障条約第 5 条の適用対象であることをオバマが明言したことが特に大きく報道された。しかし、オバマは、そのあとのくだりで、米国の立場は新しいものではなく、米国は尖閣諸島の領有権に関する最終的な決定については特定の立場を取っていない旨を述べている。さらに、オバマは、この問題をめぐって、日中間で対話と信頼構築ではなく、事態を悪化させる行為を続けることは、大きな誤りだとも述べたが、これらが報道されることは少なく、「尖閣は安保の適用対象」ということが大々的に喧伝された。尖閣諸島の領有権についての米国の立場は、「施政権は返還するが主権については特定の立場はとらない」と沖縄返還の際に米側が表明して以来、一貫したものである。さらに、米国は、北方領土と竹島についても、「主権については特定の立場をとらない」としている。このような日本の「領土問題」をめぐる米国の「中立政策」については、豊下楢彦らが米国の意図的な戦略だとしている。本論文では、日本にかかる「領土問題」、とりわけ尖閣諸島問題をめぐる米国の「中立政策」が、紛争の火種を残すための意図的なものであるか否かを検証する。さらに、米国が中立政策をとった背景が、当時の米国と台湾との間の繊維交渉に対する見返りだとの主張があるが、尖閣諸島問題にかかる米国による中立政策の背景を考察し、問題の解決に向けた一つの視座を提示したい。
著者
喜入 暁
出版者
法政大学大学院
雑誌
法政大学大学院紀要 (ISSN:03872610)
巻号頁・発行日
no.79, pp.95-105, 2017

ドメスティック・バイオレンス,デーティング・バイオレンスを含む親密なパートナー間暴力(intimate partner violence: IPV)は,解決すべき公衆衛生上の問題である。多くの研究がIPV を促進する要因を明らかにしてきたが,IPV が発生する根本的なメカニズムは未だ明らかにされているとはいい難い。本稿では,IPVの根本的なメカニズムについて,進化心理学的アプローチによる解明可能性を示す。特に,パートナー関係を維持するためのパートナー関係維持行動と,個人差の進化心理学的理論である生活史理論から考察する。
著者
大田 佳奈
出版者
法政大学大学院
雑誌
法政大学大学院紀要 (ISSN:03872610)
巻号頁・発行日
no.72, pp.145-176, 2014

1.はじめに2.コミュニティを対象としたアート活動の現状と研究課題3.日本におけるコミュニティを対象としたアート活動の沿革と分類 (以上、前号掲載)注1 ~ 31資料①~⑤4.コミュニティを対象としたアート活動の実践 (以下、本号掲載)5.日本におけるコミュニティを対象としたアート活動の比較分析6.おわりに参考引用文注32 ~資料⑥
著者
田代 正彦
出版者
法政大学大学院
雑誌
法政大学大学院紀要 (ISSN:03872610)
巻号頁・発行日
no.71, pp.135-157, 2013

威力業務妨害被告事件平成20 年(あ)第1132 号最高裁第一小法廷判決平成23 年7 月7 日 / 刑集65 巻5 号619 頁判例時報2130 号144 頁 / 判例タイムズ1358 号73 頁【上 告 人】 被告人 X 代理人 加藤 文也ほか【第 1 審】 東京地判平成18 年5 月30 日(刑集65 巻5 号811 頁)【第 2 審】 東京高判平成20 年5 月29 日(判例時報2010 号47 頁 / 判例タイムズ1273 号109 頁)判示事項 卒業式の開式直前に保護者らに対して大声で呼び掛けを行い、これを制止した教頭らに対して怒号するなどし、卒業式の円滑な遂行を妨げた行為をもって刑法234 条の罪に問うことが、憲法21 条1 項に違反しないとされた事例目 次Ⅰ . 事実の概要Ⅱ . 判旨(ⅰ)刑法234 条の罪の成立に関して(ⅱ)憲法21 条1 項との関係に関してⅢ . 研究(ⅰ)刑法234 条の罪の成立に関して① 威力業務妨害罪の罪質ないし保護法益② 威力業務妨害罪の構成要件該当性③ 威力業務妨害罪の違法性(ⅱ)憲法21 条1 項との関係に関して① 前提問題としての思想及び良心の自由② 内容規制としての適用違憲性③ 内容中立規制としての適用違憲性Ⅳ . 本判決の意義