著者
越智 啓太 喜入 暁 甲斐 恵利奈 長沼 里美
出版者
法政大学文学部
雑誌
法政大学文学部紀要 = Bulletin of Faculty of Letters, Hosei University (ISSN:04412486)
巻号頁・発行日
no.70, pp.101-110, 2014

本研究では,女性に対する蔑視的な態度を測定する尺度を構成した。大学生カップルの男性のもつ女性蔑視的態度を測定し,女性蔑視的態度の構造およびこの傾向と他のパーソナリティ尺度の関連を分析した。また,女性蔑視的態度とカップル内における各種のハラスメントの頻度との関連を分析した。その結果,女性蔑視的な態度を含む尊大さに関する傾向があらゆるハラスメント行為を促進することが示唆された。
著者
喜入 暁 松本 昇
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.112-121, 2022-10-06 (Released:2022-10-06)
参考文献数
50
被引用文献数
2

短縮版多次元衝動的行動尺度日本語版(the Japanese version of Short UPPS-P Impulsive Behavior Scale: SUPPS-P-J)は,多次元的な衝動性,特に情動喚起下における衝動性をも含めて測定する包括的な尺度である。しかし,その妥当性は大学生でしか検証されていない。そこで本研究では,SUPPS-P-Jの対象を一般成人に拡張するため,一般成人サンプルを対象に調査を実施した。428名(女性221名,男性207名,Mage=43.3, SD=8.91)がSUPPS-P-Jに加え,Dark Triad,リスク行動,抑うつ症状,躁症状,全般性不安症状,Grit,セルフコントロール,ビッグ・ファイブ・パーソナリティを測定する尺度に回答した。その結果,仮説と異なる相関も認められたものの,一般サンプルにおけるSUPPS-P-Jの因子的妥当性および基準連関妥当性は総じて示された。最後に,本研究の限界と今後の研究の方向性について議論した。
著者
喜入 暁 越智 啓太
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第14回大会
巻号頁・発行日
pp.145, 2016 (Released:2016-10-17)

サイコパシーは,冷淡な感情や他者操作性などを主軸とする1次性サイコパシー(primary psychopathy: PP)と,衝動性や反社会性を主軸とする2次性サイコパシー(secondary psychopathy: SP)からなるパーソナリティ概念の1つである。特に,PPは反社会性パーソナリティ障害と決定的に異なる点であり,したがって,PPがサイコパシーを特徴づける側面であることが指摘されている。本研究では,サイコパシーが他者を道具的に捉え扱う傾向(PP)が,女性に対しての女性蔑視傾向として示されるかどうかを検討した。分析の結果,男性参加者において女性蔑視傾向とPPとの正の関連が示された(SPとは有意な関連は示されなかった)。一方で,女性参加者の場合にこの関連は示されなかった。まとめると,男性のサイコパシーは,女性は道具的に支配するものであるという信念を持つことが示唆された。
著者
越智 啓太 喜入 暁 甲斐 恵利奈 長沼 里美
出版者
法政大学文学部
雑誌
法政大学文学部紀要 = 法政大学文学部紀要 (ISSN:04412486)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.101-110, 2015-03-15

本研究では,女性に対する蔑視的な態度を測定する尺度を構成した。大学生カップルの男性のもつ女性蔑視的態度を測定し,女性蔑視的態度の構造およびこの傾向と他のパーソナリティ尺度の関連を分析した。また,女性蔑視的態度とカップル内における各種のハラスメントの頻度との関連を分析した。その結果,女性蔑視的な態度を含む尊大さに関する傾向があらゆるハラスメント行為を促進することが示唆された。
著者
喜入 暁 久保田 はる美 新岡 陽光 越智 啓太
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究
巻号頁・発行日
vol.87, no.6, pp.633-643, 2018
被引用文献数
1

<p>It is reported that there are no victim-offender relationships in serial homicides, so offender profiling is useful for resolution of serial homicide cases. The present study aimed to describe characteristics of serial homicide offenders as a part of offender profiling and compare characteristics of serial homicide with those of single homicide offenders. We found that serial homicide characteristics were divided into 3 types (Destruction, Mission, and Antisocial). On the other hand, single homicide characteristics were divided into 4 types, which included Domestic in addition to the 3 types mentioned above. Overall, serial homicide offenders try to avoid detection of their murders compared to single homicide offenders. However, there was not much difference between the patterns of serial homicides and those of single homicides. Therefore, we conclude that there are few qualitative differences between serial and single homicide offenders.</p>
著者
喜入 暁 久保田 はる美 新岡 陽光 越智 啓太
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.87, no.6, pp.633-643, 2017 (Released:2017-02-25)
参考文献数
21
被引用文献数
1

It is reported that there are no victim-offender relationships in serial homicides, so offender profiling is useful for resolution of serial homicide cases. The present study aimed to describe characteristics of serial homicide offenders as a part of offender profiling and compare characteristics of serial homicide with those of single homicide offenders. We found that serial homicide characteristics were divided into 3 types (Destruction, Mission, and Antisocial). On the other hand, single homicide characteristics were divided into 4 types, which included Domestic in addition to the 3 types mentioned above. Overall, serial homicide offenders try to avoid detection of their murders compared to single homicide offenders. However, there was not much difference between the patterns of serial homicides and those of single homicides. Therefore, we conclude that there are few qualitative differences between serial and single homicide offenders.
著者
喜入 暁 久保田 はる美 新岡 陽光 越智 啓太
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.87.15228, (Released:2017-01-14)
参考文献数
21
被引用文献数
1

It is reported that there are no victim-offender relationships in serial homicides, so offender profiling is useful for resolution of serial homicide cases. The present study aimed to describe characteristics of serial homicide offenders as a part of offender profiling and compare characteristics of serial homicide with those of single homicide offenders. We found that serial homicide characteristics were divided into 3 types (Destruction, Mission, and Antisocial). On the other hand, single homicide characteristics were divided into 4 types, which included Domestic in addition to the 3 types mentioned above. Overall, serial homicide offenders try to avoid detection of their murders compared to single homicide offenders. However, there was not much difference between the patterns of serial homicides and those of single homicides. Therefore, we conclude that there are few qualitative differences between serial and single homicide offenders.
著者
喜入 暁
出版者
法政大学大学院
雑誌
大学院紀要 = Bulletin of graduate studies = 大学院紀要 = Bulletin of graduate studies (ISSN:03872610)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.95-105, 2017-10-31

ドメスティック・バイオレンス,デーティング・バイオレンスを含む親密なパートナー間暴力(intimate partner violence: IPV)は,解決すべき公衆衛生上の問題である。多くの研究がIPV を促進する要因を明らかにしてきたが,IPV が発生する根本的なメカニズムは未だ明らかにされているとはいい難い。本稿では,IPVの根本的なメカニズムについて,進化心理学的アプローチによる解明可能性を示す。特に,パートナー関係を維持するためのパートナー関係維持行動と,個人差の進化心理学的理論である生活史理論から考察する。
著者
喜入 暁 越智 啓太
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第11回大会
巻号頁・発行日
pp.155, 2013 (Released:2013-11-05)

女性の魅力評価における研究で,Dixson et al. (2011)は,WHR2パタン×バストサイズ3パタンの刺激を用いた実験を行い,バストサイズに関係なく低WHRが魅力的であると判断されるにもかかわらず,視線は顔やバストにのみ大きく注意が向けられることを示した。しかしこれに関して刺激による影響が考えられる。完全に全裸の実験刺激を用いたので,普段見ることのない新奇な身体的特徴をよりよく注視したという可能性である。本研究では水着を着用した女性で,WHRのみを編集した5パタンの刺激を用いて実験を行った。この結果,視線に関してDixson et al. (2011)のような結果は示されず,身体のそれぞれの領域に同程度の注意が向けられることが示された。
著者
喜入 暁
出版者
法政大学大学院
雑誌
法政大学大学院紀要 (ISSN:03872610)
巻号頁・発行日
no.79, pp.95-105, 2017

ドメスティック・バイオレンス,デーティング・バイオレンスを含む親密なパートナー間暴力(intimate partner violence: IPV)は,解決すべき公衆衛生上の問題である。多くの研究がIPV を促進する要因を明らかにしてきたが,IPV が発生する根本的なメカニズムは未だ明らかにされているとはいい難い。本稿では,IPVの根本的なメカニズムについて,進化心理学的アプローチによる解明可能性を示す。特に,パートナー関係を維持するためのパートナー関係維持行動と,個人差の進化心理学的理論である生活史理論から考察する。
著者
喜入 暁 越智 啓太
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

サイコパシーは,冷淡な感情や他者操作性などを主軸とする1次性サイコパシー(primary psychopathy: PP)と,衝動性や反社会性を主軸とする2次性サイコパシー(secondary psychopathy: SP)からなるパーソナリティ概念の1つである。特に,PPは反社会性パーソナリティ障害と決定的に異なる点であり,したがって,PPがサイコパシーを特徴づける側面であることが指摘されている。本研究では,サイコパシーが他者を道具的に捉え扱う傾向(PP)が,女性に対しての女性蔑視傾向として示されるかどうかを検討した。分析の結果,男性参加者において女性蔑視傾向とPPとの正の関連が示された(SPとは有意な関連は示されなかった)。一方で,女性参加者の場合にこの関連は示されなかった。まとめると,男性のサイコパシーは,女性は道具的に支配するものであるという信念を持つことが示唆された。
著者
喜入 暁
出版者
法政大学大学院
雑誌
大学院紀要 = Bulletin of graduate studies = 大学院紀要 = Bulletin of graduate studies (ISSN:03872610)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.13-26, 2014-03

本研究では,脚−身体比(leg-to-body ratio: LBR)が身体形状の魅力認知に及ぼす影響について検討した。実験には40名が参加した。LBRの異なる男女各11パターンの身体形状のシルエットを呈示し,参加者はその身体の魅力度を含む様々な項目について,7段階で評定した。この結果,女性刺激において,LBRが高いほど魅力的であると認知されることが示された。実験結果に関して進化心理学的考察を行い,研究の限界点と今後の展望をまとめた。