著者
井原 久光
出版者
長野大学
雑誌
長野大学紀要 = BULLETIN OF NAGANO UNIVERSITY (ISSN:02875438)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.93-111, 2004-03-31

本稿は、ブランドに関する定義や理論を整理し、その具体的な事例としてハーゲンダッツのブランド構築についてまとめたものである。前半では、ブランド識別の主体を、売り手(企業)、買い手(消費者)、第三者(法的機関)に区分し、ブランド機能を①識別機能、②品質保証機能、③意味づけ機能に分けて整理した。さらに、ブランドカを「知名度」→「信頼度」→「魅力度」というランクで示したモデルも提示した。情報化社会の進展にともなって「企業」が示す「識別機能」や「品質保証機能」に加えて、「消費者」のいだく「意味づけ」が重要になりつつある。そのため単に「知名度」や「信頼度」を上げることより「魅力度」を向上させる必要性が高まっている。また、個別の製品ブランド管理よりも企業全体のイメージを向上させる全社的戦略が求められており、そのためのヒントも提供した。後半は、日本におけるハーゲンダッツの成功事例を通じてブランド構築の過程を具体的に検証した。
著者
井原 久光
出版者
長野大学
雑誌
長野大学紀要 = BULLETIN OF NAGANO UNIVERSITY (ISSN:02875438)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.9-34, 2003-09-30

本論の目的は3つある。第1に、レビットやエーベルなど、ドメインの基本的な理論をあらためて紹介して整理した上で、ドメイン論の問題点と現実的応用について筆者なりに考察することである。第2には、シナノケンシ株式会社(以下、シナノケンシ)の歴史的な発展の過程を振り返って、繊維→モーター→電子機器とドメインを変えながら成長を続けている同社の事例を紹介することである。第3には、シナノケンシ成功の理由と同社の課題を筆者なりに分析して、戦略的な提案を試みることである。
著者
井原 久光
出版者
長野大学
雑誌
長野大学紀要 = BULLETIN OF NAGANO UNIVERSITY (ISSN:02875438)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.61-83, 2002-06-30

行政上の理由や決定や立案過程の問題から従来の商業地域活性化プロジェクトが抱える難しさを指摘し、商店街が衰退する理由を外部要因と内部要因から分析した。その上で、東京の巣鴨地蔵通り商店街や長野県小布施町、滋賀県長浜市の事例を研究し、商店街を活性化するために必要なポイントを整理した。