著者
太田 光輝 丁 林堅
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会年報 (ISSN:03888258)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.41, pp.9-11, 1994

イネ育苗期に発生する苗立枯細菌病及びもみ枯細菌病の同時防除を想定して, 種子消毒及び土壌施用薬剤について検討した。その結果, 従来から防除効果が認められていたコサイドSD, スターナ水和剤, カスミン粒剤単用以外に, 種子消毒剤 (テクリードCフロアブル, ヘルシードT水和剤, スポルタックスターナSE, ベンレートT水和剤) と床土施用剤 (カスミン粒剤) との併用による防除効果が高いことが判明した。
著者
野田 聡 藤田 耕朗
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会年報 (ISSN:03888258)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.39, pp.43-44, 1992

コムギ黄化萎縮病の発生要因と被害について検討した。本病の発生は, 1990年11月28日~30日の台風28号がもたらした大雨による圃場の浸水が原因と推察された。発病茎率が高まると子実重, 精子実重, 整粒千粒重が減少し, 整粒歩合が低下した。発病茎率と精子実重との間には最も高い負の相関が認められた。発病茎率が50%の場合, 減収率は4割に及んだ。
著者
久保田 まや
出版者
THE KANTO-TOSAN PLANT PROTECTION SOCIETY
雑誌
関東東山病害虫研究会年報 (ISSN:03888258)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.44, pp.153-154, 1997

東京都八丈島において, 1995年にシレネ <i>Sirene vulgaris</i> に葉腐れ症状が, 1996年にユリオプス <i>Euryops</i> spp. に立枯れ症状が, それぞれ発生した。病原菌は, いずれも <i>Rhizoctonia solani</i> Kühn と同定された。病名をそれぞれシレネ葉腐病およびユリオプス株腐病と提案したい。
著者
酒井 宏 白石 俊昌 萩原 廣 竹原 利明 中山 尊登 齋藤 初雄 漆原 寿彦 蓼沼 優
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会年報 (ISSN:03888258)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.45, pp.77-79, 1998-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
3

スイカ黒点根腐病に対する熱水処理, および臭化メチル代替薬剤の防除効果について検討した。その結果, クロルピクリン錠剤の効果が高く実用性が高いと考えられた。熱水処理, カーバムナトリウム塩液剤ともにクロルピクリン錠剤より効果がやや劣るが, 実用性があると考えられた。
著者
国安 克人 竹原 利明 千葉 恒夫 上原 勝夫 大畑 明
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会年報 (ISSN:03888258)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.40, pp.97-99, 1993-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
2

熱水土壌消毒法が農業研究センター内圃場における試験でホウレンソウ萎ちょう病に対する防除効果が認められた。そこで茨城県の主要野菜生産地の1つである岩井市のホウレンソウ栽培現地において実証試験を行った。約90℃の熱水の注入により土壌温度は表層から30cmの深度まで65℃以上に上昇し, 4~5時間持続した。フザリウム菌密度および発病調査結果からホウレンソウ萎ちょう病に対する熱水土壌消毒の効果はクロルピクリン処理とほぼ同等であった。収量はクロルピクリン処理区が熱水処理区に比較して高く, 熱水土壌消毒による増収は認められなかった。熱水処理区では生育初期のホウレンソウの葉身に黄色のかすれ症状がみられたが, のち回復し, 熱水注入による土壌の多湿等による顕著な生育阻害は認められなかった。ホウレンソウ種子から0.3~0.6%の低率ではあるが萎ちょう病菌が検出されたことから, クロルピクリンおよび熱水消毒区において認められる病原菌復活の一原因として汚染種子に由来する萎ちょう病の発生が推定された。
著者
西 和文 林 浩之 佐藤 剛 福田 徳治
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会年報 (ISSN:03888258)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.38, pp.55-58, 1991-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
13

ダイズ白絹病菌 Corticium rolfsii 菌核を埋没した圃場に熱水土壌消毒を実施したところ, 本法は, 埋没菌核を死滅させる効果の高いことが明らかとなった。しかし, 地温が低く, あるいは熱水注入量が少ないため, 地温の上昇が不充分な場合には, 土壌深部の菌核は死滅しなかった。熱水土壌消毒の効果は圃場の耕種条件によっても異なり, 堆肥無施用圃場より堆肥連用圃場での効果が高かった。本試験の結果から, 熱水土壌消毒はタイズ白絹病の防除に対して有効であると考えられた。