著者
遠藤 邦彦 阿部 晶子 津野田 聡子 柳 治雄 井佐原 均
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.165-178, 2005 (Released:2006-07-14)
参考文献数
25

音節を認知するときに, 子音と過渡部 (子音から母音への移行部, フォルマントの遷移部) が果たす役割を検討した。認知の手がかりが子音と過渡部, 子音のみ, 過渡部のみにある音を自然言語音から作成し, 失語症31例と健常者18名に語音認知検査を実施した。認知の手がかりとして, 子音は, 過渡部より強力であった。子音を削除した刺激では, 過渡部のフォルマントが手がかりとして有効であった。言語音の中には認知の手がかりが子音にある音と, 過渡部にもある音とがあった。構音点の解読には子音と過渡部の両方の情報が, 構音方法, および鼻音・非鼻音の解読には子音の情報が, 有声・無声の解読には子音または過渡部のどちらか一方の情報が必要であった。言語音の認知にもっとも大きな障害を生じたのは, 左縁上回下部の病巣であった。音声からの特徴抽出が, はじめに子音を, 次に過渡部をもとに二段階でなされると, 精密で高速な語音認知が可能と考えられた。
著者
野田 聡 藤田 耕朗
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会年報 (ISSN:03888258)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.39, pp.43-44, 1992

コムギ黄化萎縮病の発生要因と被害について検討した。本病の発生は, 1990年11月28日~30日の台風28号がもたらした大雨による圃場の浸水が原因と推察された。発病茎率が高まると子実重, 精子実重, 整粒千粒重が減少し, 整粒歩合が低下した。発病茎率と精子実重との間には最も高い負の相関が認められた。発病茎率が50%の場合, 減収率は4割に及んだ。