著者
繁富 利恵 大塚 玲 小川 貴英 今井 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.212, pp.9-16, 2002-07-12

現在、情報の電子化が進んでいることは周知の事実である。こういった電子情報は、非電子情報に比べ、情報の収集、検索や統合などが容易となるため、蓄積情報に対する配慮がより重要となっている。こういった中、貸し出しサービス(図書館、レンタルビデオ、借金など)は情報の電子化が非常に進んでいるサービスの一つである。また、貸し出しサービスにおける情報は、個人の趣味指向だけではなく、生活レベルさえも推測できるような情報を含んでいる。つまり、貸し出しサービスの情報の管理者は貸し出し情報を手にいれることができるだけでなく、各個人の個人的な情報を手にいれることもできる。また、情報が全て電子化されているため一度上記の情報がユーザの意図に反して貸出機関から流出してしまうと、電子情報の持つ特徴により、サービス利用者に関連する他の情報との統合が進む可能性が高く、このような電子化された情報が持つプライバシ問題は大きい。こういった問題を解決するため、"匿名貸し出し"を提案する。この"匿名貸し出し"は、貸し出しの際には匿名で貸し出し、返却期限を過ぎても未返却だった場合にはその匿名性を破るようなシステムである。この論文では、貸し出し機関が匿名で貸していた場合でもユーザ一人当たりの権利の数を制限することができ、(つまり図書館であれば何冊貸しているかを制限できること)しかも、ユーザのプライバシは保たれるような新しいシステムを提案し、耐タンパーデバイスおよびオフライン電子マネー方式を利用してこれを実現した。
著者
朝倉 義晴 本田 篤史 樋口 直志 才田 好則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.162, pp.125-132, 2008-07-17

本稿では,サーバ上に作成するリソースに,リソース作成者の意図を反映させたアクセス制御設定を適用するために,RBAC (Role-based access control)をベースとする自己拡張型RBAC (Self expandable RBAC:SERBAC)を提案する.SERBACでは,リソース作成者の意図をサーバに伝え,サーバはリソース作成者の意図に基づくアクセス制御設定を定義し,作成するリソースに適用する.SERBACは,アクセス制御設定を動的に定義することで,管理者不在の環境においても柔軟性の高いアクセス制御を実現できる.
著者
宮地 充子 近澤 武 竜田 敏男 渡辺 創 大熊 建司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.140, pp.159-169, 2007-07-12
被引用文献数
6

情報社会の進展に伴い,安全な社会システムの構築が産官学において進められている.情報セキュリティ技術の国際標準化活動は,安全な社会システムの構築にとって重要な役割をもつ.ISO/IEC JTC 1/SC 27/WG 2では,情報セキュリティのアルゴリズム及びプロトコルに関する国際標準化規格の策定を進めている.本報告書は,現在,ISO/IEC JTC 1/SC 27/WG 2で審議事項を解説すると共に,特に今年の5月に行われたロシア会議に関して報告する.