著者
白川 智昭 三木 信弘 小川 吉彦 北島 秀夫 下野 哲雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-2, 通信2-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.82-91, 1998-01
参考文献数
9
被引用文献数
4

二つの離散系列の相関関数の近似的な値を高速に計算する方法を提案し, これをSAR像再生処理におけるレンジ圧縮に適用することにより評価する。系列の長さが非常に長い場合, 周波数領域を用いた相関関数の計算を行っても多くの計算時間を要するため, リアルタイム性が必要な場合には問題になる。しかし, このような応用では相関関数の正確な値を求めるよりも, その近似的な値をできるだけ高速に求めるほうが重要な場合がある。そこで本論文では, 二つの系列にウェーブレット変換を行い, 得られる短い系列の相関関数をもとの系列の相関関数の近似値とする。ウェーブレット変換を階層化することにより, 近似値もその精度により階層化される。また, 精度の粗い近似値から段階的に精度を上げてゆく方法を示すことで, 最終的に正確な値を求めることも可能となる。ここではそのアルゴリズムを示した後, SARレンジ圧縮にこれを適用することにより, 提案手法を実験的に評価する。
著者
野口 啓介 水沢 丕雄 山口 尚 奥村 善久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-2, 通信2-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.777-783, 1997-09-25
参考文献数
13
被引用文献数
1

携帯無線機器に用いられる小形アンテナの一つにヘリカルアンテナがある. へリカルアンテナの直径および軸長が波長に比べて小さい場合, 励振されるモードは垂直モードとなり, モノポールと同様の指向性をもち, 偏波は直線偏波をとる. 0.1波長程度より小さい小形のへリカルアンテナでは放射抵抗が小さく, Qが大きくなり, インピーダンス整合が問題となる. 本研究では, 垂直モードヘリカルアンテナについて2線式とし, その場合のインピーダンス特性について解析している. へリクスを2線式にすることによりアンバランスモードとバランスモードとの複合モードの利用が可能となる. その結果, 放射モードであるアンバランスモードのインピーダンス成分をステップアップできること, 非放射モードであるバランスモードのインピーダンス成分がインピーダンス整合に寄与できることが明らかとなった. また数値解析の結果は実験により確認している.