著者
岡野 浩三 北道 淳司 東野 輝夫 谷口 健一
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.354-363, 1993-07-25
参考文献数
9
被引用文献数
4

本論文では代数的手法による順序機械型プログラムの階層的設計法について提案する.我々の階層的設計法では要求仕様から実現プログラムまで同一の詳細化法に基づいて段階的に順次詳細化していく.各レベルでは,そのレベルでの関数,処理の性質等の要求記述が行われ,そのレベルで閉じた記述になっている.我々は,プログラム設計技法の共通問題として提供された在庫管理問題に対し本手法を適用し,他の文献では見られなかった入出力関係のみを指定した要求記述から,5段階にわたって逐次詳細化し,プログラムを開発した.本論文では記述の概略と共に,要求記述や詳細化の際に一般的に生じる問題点,解決法を述べ,また,他の方法論との比較も行っている.「拡張射影」と呼ばれる単純な枠組で最上位の満たすべき入出力関係を記述できること,記述は完全に階層的であること,各レベルの要求記述はいわゆるオーバスペックにならないように必要なことのみ記述していること,各レベルの要求記述に抜けがないよう記述スタイルを工夫していること,正しさの形式的な証明が可能であったこと,実現プログラムの実行時間はCプログラムのそれのたかだか2倍程度であること,等の結果より,本設計法および処理系の有効性が確かめられた.
著者
井上 美智子 萩原 兼一 都倉 信樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.405-406, 1993-07-25

本論文では,非同期の超立方体状ネットワークでの最小重み生成木構成分散問題のメッセージ複雑度の下界がΩ(nlogn)であることを示す(最悪時評価,n:プロセッサ数).上界O(nlogn)は知られているので,この下界はオーダ的には最良である.